絞り込み検索は、単なる条件入力の集合ではありません。ユーザーが目的の情報に最短で到達できる導線であり、複雑な製品ラインナップを持つ企業ほど UX の差が成果に直結します。特に BtoB では、検索 UI の設計次第で「探せる・探せない」の差がコンバージョンに直接影響します。
インテンスがこれまで製品カタログ検索や業務システムで蓄積してきた経験から、「絞り込み検索を使いやすくするための UI パターン」を体系化し、その実装の勘所を整理します。
絞り込み検索には定番の構成パターンが存在し、それぞれの使いどころが異なります。インテンスでもプロジェクトごとに用途を見極めて設計しています。
直感的で、スマホとの相性が非常に良い方式です。
カテゴリが多い BtoB でよく採用される方式。階層の深さを UI 側で吸収できる点が強みです。
フォーム領域を圧迫せず、条件数が多い場合に有効です。
検索 UI は「条件の数」「ユーザーの理解度」「選択頻度」で大きく変わります。インテンスでは次の軸を基準に選定しています。
20項目以上になる場合、1画面に並べるのは現実的ではありません。以下の組み合わせが有効です。
用途別・サイズ別・価格帯など、誰でも理解できる条件はチップ型が強いです。
技術製品・化学品・部品検索などでは補足説明が必要になるため、アコーディオン式に説明文を併記すると理解しやすくなります。
BtoBでは条件が複雑になりやすいため、選択状態がわかれば迷いが減ります。
検索結果が遅れると離脱が増えるため、非同期処理(AJAX・fetch API)による高速反映が必須です。
条件を変えなくても「よく見られる順」などで表示されていれば、検索負担は大幅に減ります。
絞り込み検索の UI はフォーム設計と同様、情報設計(IA)が中核です。カテゴリ単位の分割や、条件をどこまで細かくするかは成果に直結します。
インテンスでは、ログデータやアクセス分析と合わせて「ユーザーが実際に探している軸」を抽出し、UI に反映させるアプローチを採用しています。
絞り込み検索UIは、ただ条件を並べるだけでは成果につながりません。ユーザーの理解ステップに寄り添い、選びやすい構造に分解することで、検索精度と満足度が大きく向上します。
製品カタログや業務システムの UX を改善したい場合、まずは「条件の棚卸し」と「ユーザーの探し方」を明確にし、最適な UI パターンを選ぶところから始めてください。