BtoBの見積フォームは、どうしても項目数が増えがちです。1ページにすべての項目を詰め込むと「入力の壁」が高くなり、離脱率が急激に上がります。そこで有効なのが、入力ステップを分割したマルチステップ型フォームです。
インテンスでも、機械設備・ITサービス・物流ソリューションなど、情報量の多い見積フォームでは、ステップ分割とUX設計をセットで行うケースが増えています。本記事では、その設計の考え方を整理します。
入力ステップを分割する際は、「ユーザーの頭の中の流れ」に合わせて区切ることが重要です。単純に項目数を均等に分けるだけでは、使いやすいフォームにはなりません。
このように、「何について相談したいのか」→「どの商品・サービスなのか」→「どのような条件なのか」→「誰が相談しているのか」という流れが自然です。
初期ステップでは「見積の可否判断に最低限必要な情報」に絞り、詳細な条件は後半のステップへ回すと、ユーザーの心理的負担を軽減できます。
マルチステップ型フォームでは、「今どこにいるか」「あとどれくらいあるか」がわかるナビゲーションが不可欠です。
「前のステップに戻る」操作が自然にでき、入力内容が保持されることは必須です。戻る操作で入力が消えると、そこで離脱が発生します。
ステップ分割型フォームでは、バリデーションとエラー表示の設計も重要です。インテンスの案件でも、ここを誤ると「次へ進めないフォーム」になり、ユーザーのストレスが増えます。
ステップ数が多いフォームでは、「最終確認画面」を設けるかどうかも検討ポイントです。BtoBの見積フォームでは、入力内容を一覧で確認できる画面を挟むケースが多く、メール控えにも同じレイアウトを流用すると運用もシンプルになります。
どれだけUXを工夫しても、ある程度の離脱は発生します。重要なのは、「どのステップで離脱しているか」を把握し、改善サイクルを回せる状態にすることです。
インテンスでは、解析ツールやタグマネージャを組み合わせて、「どのステップのどの項目で詰まりやすいか」を可視化することを推奨しています。
見積フォームの入力ステップを分割することは、単に画面を分ける作業ではありません。ユーザーの思考の流れに沿ってステップを構成し、ナビゲーション・バリデーション・エラー表示・解析の仕組みまで含めて設計する必要があります。
インテンスでは、BtoBの見積フォームや要件ヒアリングフォームを多数設計してきた経験をもとに、ステップ設計とUI実装をセットで支援しています。複雑な見積依頼を扱う場合こそ、マルチステップ型のUX設計が効果を発揮します。