業界別・見積項目テンプレート集
見積フォームの設計では、「どこまで聞くか」「何を必須にするか」がいつも議論になります。特にBtoBでは、業界ごとに前提となる情報が異なるため、汎用テンプレートだけでは現場にフィットしません。
ここでは、インテンスがこれまで支援してきた各業界の案件をベースに、業界別の見積項目テンプレートを整理します。実際のプロジェクトでは、ここからさらに削る/追加する前提でご覧ください。
この記事の対象読者
・業界特化型の見積フォームを企画しているWeb・営業企画担当
・現場から「項目が足りない/多すぎる」と指摘されているフォームの見直しをしたい方
・SFAや業務システムと連携する前提で、項目設計を整理したい情報システム部門
1. 共通の基本項目テンプレート
まず、どの業界でもほぼ共通で必要になる「基本項目」です。
- 会社名/部署名/役職
- ご担当者名・フリガナ
- メールアドレス/電話番号
- 希望する連絡手段(メール/電話/オンラインMTGなど)
- 検討中のサービス・製品カテゴリ
- 導入予定時期(すぐに/3か月以内/半年以降など)
この基本セットに加えて、業界別の前提条件・数量・環境などの項目を追加していきます。
2. 製造業・設備業向けテンプレート
2-1. 設備・機器の見積
- 対象設備の種類(生産設備/検査装置/搬送設備など)
- 設置場所(工場名・エリア)
- 必要な処理能力・能力値(生産量・処理速度など)
- 既存設備の有無(入替/新規導入)
- 設置環境条件(温度・湿度・電源・スペース制約など)
2-2. カスタマイズ・ライン構築案件
- 既存の工程フロー(簡易なステップで可)
- ボトルネックになっている工程・課題
- 自動化したい作業/省人化したい工程
- 想定予算のレンジ(例:〜500万円/〜1,000万円など)
3. 物流・倉庫業向けテンプレート
- 取り扱い商品カテゴリー(食品/アパレル/工業製品など)
- 月間出荷件数・保管数量の目安
- 出荷形態(BtoB/BtoC/両方)
- 倉庫立地(既存拠点/新規拠点)
- 必要な業務範囲(入庫/保管/出庫/流通加工/返品処理など)
こうした項目は、物流会社側のシミュレーションやWMS設計に直結するため、見積時点からある程度の粒度で取得しておくと、後工程がスムーズになります。
4. ITサービス・SaaS向けテンプレート
- 利用想定ユーザー数(管理者/一般ユーザー)
- 想定利用開始時期と導入フェーズ(PoC/本導入)
- 連携したい既存システム(基幹・会計・CRMなど)
- 必要なサポート範囲(オンボーディング/教育/運用代行など)
- セキュリティ要件(IP制限/ログ監査/権限分離など)の有無
インテンスが関わるWebシステムや業務システム開発でも、これらの情報を見積段階で取得しておくことで、要件定義フェーズのやり取りが大幅に軽くなります。
5. 医療・介護・学校向けテンプレート
5-1. 医療・介護
- 施設種別(病院/クリニック/老健/有料ホームなど)
- 病床数・居室数
- 対象となる診療科・サービス種別
- 予約・相談・記録など、システム化の対象業務
5-2. 学校・教育機関
- 学校種別(大学/専門学校/高校など)
- 在学生数・募集定員
- 対象となる学科・専攻
- 見積対象(資料請求・出願・オープンキャンパス管理など)
まとめ
業界別の見積項目テンプレートを持っておくと、新規フォーム設計や改修のたびにゼロから項目を考える必要がなくなります。また、SFAや業務システムと連携する前提がある場合も、「どの項目をシステム側のフィールドと対応させるか」を事前に整理しやすくなります。
インテンスでは、業界ごとの現場ヒアリングを踏まえて、見積フォームのテンプレートとバックエンドのデータ構造を一体で設計することを重視しています。フォームの見直しを行う際は、「どの業界で」「どの情報が」「どの工程で必要になるか」という視点から項目を選定してみてください。
本記事は、Webシステム開発・スマホ自動変換「movo」・業務システム構築・フォームUX改善・EC支援を提供する
株式会社インテンスが、実際の開発プロジェクトで蓄積した知見をもとにまとめています。
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