セミナーや施設見学、学校説明会などの申込フォームは、近年スマホからのアクセス比率が高くなっています。 にもかかわらず、PC 前提のフォームをそのまま縮小表示しているケースも少なくありません。 本記事では、スマホ前提でイベント申込フォームの UI を設計する際のポイントを、フィールド配置とボタン設計の観点から整理します。
まず「どんなフォームが嫌われるか」を押さえておくと、改善ポイントが見えやすくなります。
スマホでは、「縦スクロール前提」「片手操作前提」で設計することが基本です。 PC のように横方向の余白を使ったレイアウトは、そのまま流用すると UX を損ねやすくなります。
スマホ向けフォームでは、基本的に 1 カラム構成 が推奨されます。 各フィールドを次のようなルールで統一するだけでも、読みやすさが大きく変わります。
例えば「会社名(必須)」の項目であれば、 ラベル → 必須表示 → 補足(個人の方は「個人」とご入力ください) → 入力欄 という順番を崩さないように統一しておくと、視線の移動が少なくなります。
フィールドごとに「どの入力方式にするか」も、スマホでは重要な設計ポイントです。
特に日付・時間帯の指定は、「テキスト入力させない」 だけでもミスとストレスを大幅に減らせます。 見学会や相談会のフォームで使い回せる日付選択 UI を用意しておくと、複数イベントの運用にも応用しやすくなります。
スマホフォームのボタンは、「押しやすい位置」と「分かりやすいラベル」が重要です。
特にステップ型のフォームでは、「戻る」「次へ」「送信」を並べる際の順番と強弱付けが重要です。 スマホでは、右手親指でタップするユーザーが多いため、「次へ」「送信」ボタンを右寄りに配置する設計もよく使われます。
項目数が多いイベント申込フォームでは、スクロールが長くなること自体は避けづらい場合があります。 その場合は、「節目」を意識したセクション分割を行うことで、体感的な負荷を下げられます。
各セクションに小さな見出しを入れ、「ここまで入力したら 1 ブロック完了」という感覚を持ってもらうことで、 途中離脱を防ぎやすくなります。
学校説明会や医療機関の見学会、ホテル内覧会など、業種が違ってもスマホフォームの「つまずきポイント」は似ています。
こうした工夫は、「現場でよく聞かれる質問」や「当日困りがちなパターン」を洗い出したうえで、 フォームに反映していくと効果的です。
イベント以外も含めて、スマホ前提のフォーム全般を見直したい場合は、 ホテル向けWebシステム活用アイデア など、 業種別ページでフォームや予約周辺の活用例を整理しておくと、現場との会話も進めやすくなります。
スマホ前提のイベント申込フォーム UI 設計は、「1カラム」「入力方式の最適化」「押しやすいボタン」といった基本を押さえつつ、 業種ごとの申込シーンに合わせて項目構成やセクション分割を調整していく作業です。 PC のフォームをそのまま流用するのではなく、スマホユーザーの視線の動きと操作感を起点に設計し直すことで、 申込完了までのストレスを減らし、イベント運営の質も同時に高めていくことができます。