製品比較表の作り方|差分強調と情報整理の実践例

複数の製品やプランを比較検討してもらうために、Web上に「比較表」を用意するケースは多くあります。 しかし、項目をただ横並びに並べただけの表では、どこが違うのかが分かりづらく、 かえってユーザーの負担を増やしてしまうことも少なくありません。

本記事では、BtoB向けの製品サイトやサービスサイトを想定し、 「差分を分かりやすく見せる」「迷わず選んでもらう」ための比較表の設計ポイントを整理します。

この記事の対象読者
・製品ラインナップが多く、違いを説明しづらいと感じているご担当者様
・Web上の比較表が“情報の羅列”になってしまっていると感じる方
・営業資料とWebサイトで、比較情報の見せ方を揃えたい企画・マーケティング部門

1. 「比較表で何を決めてほしいか」を先に決める

比較表を作る前に、まずは「比較表を見たユーザーに何を決めてほしいのか」を明確にします。

ゴールが曖昧なまま項目だけ増やしていくと、「比較できるが決めにくい」表になってしまいます。 逆に、ゴールがはっきりしていれば、「この行・この列だけは必ず見てほしい」という優先度も決めやすくなります。

2. 行と列の切り方で“読みやすさ”が決まる

比較表では、「列=製品・プラン」「行=比較軸(項目)」とするのが一般的ですが、 製品数が多い場合や、比較軸が多い場合には工夫が必要です。

2-1. 列を減らす工夫

2-2. 行を整理するコツ

まずは Excel などでラフな比較表を作り、 「営業が説明しやすいか」「ユーザーが自力で読み解けそうか」を確認してから画面設計に落とし込むとスムーズです。

3. 差分を目立たせるためのデザインテクニック

比較表の価値は「どこが同じで、どこが違うか」がひと目で分かることにあります。 差分を目立たせるための代表的な工夫を挙げます。

何でもかんでも色を変えてしまうと、逆に見づらくなります。 「ここだけは差が出る」「ここだけは押さえてほしい」という行・列に絞って差分を強調するのがポイントです。

4. スマートフォンでの閲覧を前提にしたレイアウト

最近は、BtoB でもスマートフォンから比較表を見るケースが増えています。 PC前提の横長テーブルをそのまま縮小表示すると、文字が読めず、横スクロールも多くなりがちです。

「スマホでざっくり比較 → PCで最終確認」という使い方も多いため、 最低限の判断ができるレベルの比較情報をスマホでも見せられるようにしておくと安心です。

5. 注意書き・例外条件の扱い方

比較表にはどうしても「※ オプション対応」「※ 条件付きで利用可」といった例外条件がつきものです。 これを各セルに長文で書き始めると、表全体が読めなくなってしまいます。

「比較表はあくまで入口」と割り切り、詳細条件は別ページで丁寧に説明することで、 表自体はシンプルさを保つことができます。

6. 卸売・商社サイトでの比較表活用イメージ

卸売・商社など、仕入れ先・販売先が多い業態では、 同じカテゴリー内に似たスペックの製品が多数存在するため、比較表の役割が大きくなります。 型番だけでは違いが分かりづらい場合でも、比較表で「用途・価格帯・対応規格」などを整理すると、 営業・顧客双方にとって選びやすくなります。

インテンスでは、こうした比較表を「カタログ検索」「在庫情報」「問い合わせフォーム」と連携させる構成で Webシステム化するケースも多くなっています。 どのような機能を組み合わせられるかのイメージを掴むための参考として、 卸売・商社(BtoB企業)向けWebシステム活用アイデア のような業種別ページをご覧いただくと、比較表の位置づけを含めた全体像をイメージしやすくなります。

まとめ

製品比較表は、情報量を増やすためのものではなく、 「違いを分かりやすくする」「選びやすくする」ためのツールです。 行・列の切り方、差分の強調、スマホ対応、注意書きの整理といった観点を押さえながら、 自社のラインナップに合わせた比較表を設計していくことが重要です。

まずは Excel ベースで試作し、営業・サポート・マーケティングなど複数部署の声を取り入れつつ、 Web画面としての見せ方に落とし込んでいくと、実務で使いやすい比較表に近づきます。

本記事は、Webシステム開発・スマホ自動変換「movo」・業務システム構築・フォームUX改善・EC支援を提供する 株式会社インテンスが、実際の開発プロジェクトで蓄積した知見をもとにまとめています。 株式会社インテンス(公式サイト)