製品比較表の作り方|違いが伝わり、選びやすくなる比較項目と見せ方

製品比較表は、複数の製品やプランの違いを短時間で確認できる便利なコンテンツです。BtoBの製品サイトでも、機種選定、サービスプランの検討、社内稟議の資料作成など、さまざまな場面で利用されます。

一方で、比較表を用意しただけでは、必ずしも製品の違いが伝わるとは限りません。項目数が多すぎる、製品ごとの差が見つけにくい、専門用語の意味が分からない、スマートフォンでは表全体を確認できないなど、情報は掲載されていても選定に役立っていないケースがあります。

こうした問題は、表のデザインだけで解決できるものではありません。比較表を作る前に、誰が、どのような条件で製品を選ぶのかを考え、その判断に必要な情報を選ぶ必要があります。

この記事では、BtoB向けの製品サイトやサービスサイトを想定し、比較表の目的、比較項目の決め方、製品数が多い場合の分け方、差分の見せ方、スマートフォン対応、注意事項の扱いまで詳しく解説します。

この記事の対象読者
・製品数やプラン数が多く、それぞれの違いを説明しにくいと感じている方
・Webサイトの比較表が、仕様を並べただけの内容になっている方
・営業資料、カタログ、Webサイトで製品説明の内容が異なっている企業の方
・問い合わせ前に、利用者自身で候補を選べるページを作りたい方

1. 比較表を作る前に「何を判断してもらうのか」を決める

比較表を作る際、最初に検討すべきなのは表の色やレイアウトではありません。まず、比較表を見た人に何を判断してもらいたいのかを明確にします。

同じ製品一覧でも、ページの目的によって必要な比較項目は変わります。

目的が曖昧なまま作り始めると、社内にある製品情報を一通り掲載した表になりがちです。仕様を確認する資料としては使えても、「自社にはどれが合うのか」という判断には結び付きません。

たとえば、屋外設備を探している利用者にとって、最初に確認したいのは本体寸法よりも、屋外使用の可否、防水性能、使用温度範囲かもしれません。業務システムの料金プランであれば、細かな機能名よりも、利用人数、月額料金、権限管理、外部システムとの連携可否が先に見られる場合があります。

比較表の目的が決まると、どの項目を上に置くか、どの情報を詳しく見せるか、どこから問い合わせへ案内するかも判断しやすくなります。

2. 比較項目は、社内資料ではなく利用者の選定条件から考える

比較表が読みにくくなる主な原因のひとつが、掲載できる情報をすべて表に入れてしまうことです。

製品情報を集め始めると、営業部門からは提案時に説明している内容、技術部門からは仕様書に記載されている数値、サポート部門からは問い合わせが多い項目が挙がります。どれも必要な情報ですが、すべてを同じ表に入れると、製品を選ぶうえで重要な違いが見つけにくくなります。

比較項目の見せ方による違い

例:違いが分かりにくい比較表

項目 製品A 製品B 製品C
価格
用途 屋外/屋内 屋外/屋内 屋外/屋内
対応規格 CE/RoHS CE/RoHS CE/RoHS
保証 1年 1年 1年
白/黒 白/黒 白/黒

例:製品を選ぶ際に重要な項目を先に示した比較表

項目 製品A 製品B 製品C
主な用途 屋外設備向け 屋内設備向け 屋外・屋内の両方に対応
価格帯 10万円台 20万円台 30万円台
対応規格 CE CE / RoHS CE / RoHS / UL
保証期間 1年 1年 1年
本体色 白/黒 白/黒 白/黒

製品ごとに違いがある項目を上に置くと、各製品の特徴を短時間で確認できます。

2-1. 比較項目は「選定時に確認する順番」で並べる

比較項目は、社内の製品資料に記載されている順番ではなく、利用者が製品を選ぶ際に確認する順番で並べます。

一般的には、次のような情報が比較項目の候補になります。

ただし、どの製品でも同じ順番になるわけではありません。

製造設備や部品であれば、対応用途、材質、耐荷重、使用温度、認証規格などが価格より先に確認されることがあります。SaaSや業務サービスでは、月額料金、利用人数、機能範囲、外部連携、サポート内容が主な判断材料になるでしょう。

既存顧客から寄せられた質問や、営業担当者が商談で最初に確認している条件を調べると、実際に必要とされている比較項目を見つけやすくなります。

2-2. 製品間で違いがない項目は、表の上部に置かない

保証期間や本体色など、すべての製品に共通する情報も必要ですが、製品選定の決め手にはなりません。共通項目を表の上部に並べると、利用者は何行も読み進めてから、ようやく製品ごとの違いにたどり着くことになります。

各製品に共通する項目は、表の下部へ移す、共通仕様として別枠にまとめる、製品詳細ページで説明するといった方法が考えられます。

比較表の上部には、できるだけ製品ごとの差が現れる項目を配置します。最初の数行を読んだ時点で、「価格を抑えた製品」「標準的な製品」「高性能な製品」といった位置付けが分かる状態が理想です。

2-3. 詳細仕様は製品ページや仕様書に分ける

比較表だけで、製品に関するすべての情報を説明する必要はありません。細かな寸法、部品構成、試験条件、対応バージョンなどまで掲載すると、表が長くなり、重要な差が見つけにくくなります。

比較表、製品詳細ページ、仕様書には、それぞれ異なる役割があります。比較表では候補を選び、製品詳細ページで特徴や利用方法を確認し、仕様書で数値や条件を確認できる構成にすると、必要な情報へ進みやすくなります。

3. 製品数に応じて、比較表を分ける方法を検討する

一般的な比較表では、列に製品やプラン、行に比較項目を配置します。3〜4製品程度であれば違いを確認しやすい形式ですが、製品数が増えるほど横幅が広くなり、各列の内容も読みづらくなります。

3-1. 製品数が多い場合は、最初からすべてを並べない

10製品、20製品といったラインナップをひとつの表にまとめると、利用者は画面を左右に動かしながら項目を確認しなければなりません。製品名や比較項目を見失いやすく、似た型番が多い場合は選択を間違える可能性もあります。

製品数が多い場合は、次のような分け方が考えられます。

製品数が多い企業ほど、全製品を一度に見せるのではなく、用途や条件から段階的に候補を減らせる構成が適しています。

たとえば、最初に「屋内用」「屋外用」を選択し、次に処理能力や設置スペースを指定すると、条件に合う製品だけが表示されるようにすれば、型番を知らない利用者でも探しやすくなります。

3-2. 比較項目は内容ごとに分類する

比較項目が多い場合は、関連する内容ごとに分類します。

分類せずに項目を並べると、価格の次に保証内容、その次に処理能力が続くなど、確認する内容が行ごとに変わります。表が長いほど読みづらさが増すため、見出し行や背景色を使い、どの種類の情報を比較しているのか分かるようにします。

3-3. 型番だけでなく、製品の位置付けも記載する

BtoB製品では、製品名が型番のみで表示されていることがあります。製品知識のある担当者には分かっても、初めて訪れた人には違いが伝わりません。

製品名の近くに、「小規模設備向け」「標準モデル」「高速処理モデル」「海外規格対応モデル」など、製品の位置付けを短く記載すると、比較表を読み始める前に大まかな違いを把握できます。

型番を変更する必要はありません。正式な製品名に、用途や特徴を示す短い説明を添えるだけでも、選びやすさは大きく変わります。

4. 差分を強調する場合は、強調する理由も示す

比較表では、製品ごとの違いを見つけやすくすることが重要です。ただし、背景色、太字、アイコン、チェックマークを多用すると、表全体が目立つ状態になり、重要な箇所が分からなくなります。

製品選定に関係する差だけを強調した例

項目 製品A 製品B 製品C
対象用途 屋外設備向け 屋内設備向け 屋外・屋内の両方に対応
価格帯 10万円台 20万円台 30万円台
対応規格 CE CE / RoHS CE / RoHS / UL
適した利用条件 初期費用を抑えたい場合 屋内で標準的な機能を利用する場合 複数の規格対応が必要な場合

強調する箇所を限定し、どのような条件に向く製品なのかを併記すると、選択理由が分かりやすくなります。

4-1. 強調するのは、製品選定に影響する違い

強調の対象は、利用者の判断に関係する項目に限定します。

すべての製品に共通する内容は通常の表示にし、違いがあるセルだけを強調すると、表を上から順番に読まなくても特徴を見つけられます。

特定の製品をおすすめとして表示する場合は、色やラベルだけでなく、その理由も記載します。「おすすめ」「人気」と書くだけでは、企業側が販売したい製品なのか、利用者の条件に合う製品なのかが分かりません。

「中規模の事業所で選ばれている」「海外向け製品に必要な規格へ対応」「将来の利用人数増加を想定する場合に適している」など、対象となる条件を具体的に示すと判断材料になります。

4-2. 「○・△・×」を使う場合は意味を明記する

機能の有無を「○・△・×」で示す方法は、複数製品を短時間で比較できる点が利点です。ただし、記号の意味が明示されていないと、利用者によって解釈が異なる可能性があります。

特に注意が必要なのが「△」です。追加料金が必要なのか、一部機能だけ利用できるのか、別製品との組み合わせが必要なのかによって意味が異なります。

表の近くに凡例を置き、必要に応じて「オプション契約が必要」「特定のOSのみ対応」「利用人数に上限あり」といった補足を記載します。

4-3. 最上位製品を必ず目立たせる必要はない

価格や機能が最も高い製品を強調すればよいとは限りません。利用者の用途によっては、機能を絞った低価格モデルの方が適している場合があります。

比較表では、製品の優劣を一律に決めるのではなく、「どの条件に向くか」を示す方が実用的です。

このように選定条件を示すと、利用者は高機能な製品から選ぶのではなく、自社の条件に適した製品を選べるようになります。

5. スマートフォンでは、PC用の表を縮小するだけでは読みにくい

BtoBサイトでも、移動中、展示会場、商談前などにスマートフォンから製品情報を確認する機会があります。最初にスマートフォンで製品を知り、後からPCで詳しく確認する利用者もいます。

PC向けの横長テーブルを画面幅に合わせて縮小すると、文字が小さくなり、項目名と製品情報を対応させにくくなります。横スクロールに対応していても、製品名や左端の比較項目が画面外へ移動すると、どの情報を見ているのか分からなくなる場合があります。

スマートフォンでは製品ごとのカード表示も検討する

製品A

用途
屋外設備向け
価格帯
10万円台
規格
CE
適した条件
初期費用を抑えたい場合

製品B

用途
屋内設備向け
価格帯
20万円台
規格
CE / RoHS
適した条件
標準的な機能を利用する場合

製品ごとに主要項目を縦に表示すると、小さな画面でも内容を確認しやすくなります。

スマートフォン向けの表示方法としては、次のような選択肢があります。

ただし、カード形式には注意点もあります。製品ごとの情報は読みやすくなりますが、同じ項目を横方向に見比べにくくなる場合があります。

価格、用途、主要機能など、比較時に特に重要な情報は一覧表で見せ、細かな内容はカードや製品ページで確認できるようにするなど、情報の性質に応じて表示方法を使い分けます。

6. 注意事項や例外条件は、重要度に応じて表示場所を分ける

BtoB製品では、オプション契約、利用条件、対象外となる環境など、比較表だけでは説明しきれない情報が多くあります。

これらの条件は省略できませんが、すべてを各セルに記載すると、表の大部分が注意書きになってしまいます。

すべての注意事項を同じ扱いにするのではなく、製品選定に影響する条件、契約前に確認すべき条件、技術担当者が後から確認すればよい情報に分けて考えます。

たとえば、追加費用が発生する条件や利用できない環境は、製品選定に直接関係するため、表の近くに記載する必要があります。一方、詳細な試験方法や測定条件は、仕様書で説明した方が読みやすい場合があります。

7. 専門用語や数値は、比較できる形で記載する

製品比較表では、専門用語や性能値を正確に記載することが求められます。ただし、数値をそのまま掲載するだけでは、利用者が違いを判断できないことがあります。

たとえば、処理能力が「100件/分」と書かれていても、その数値が利用者の業務に対して十分なのかは分かりません。必要に応じて、「小規模拠点向け」「1日約5,000件の処理を想定」など、利用規模の目安を添えます。

また、比較する数値の条件は統一する必要があります。

条件が異なる数値を並べる場合は、その違いを注記します。数値が大きい製品を有利に見せるのではなく、同じ基準で比較できる状態にすることが重要です。

8. 比較表の次に取ってほしい行動を明確にする

比較表を読んだ利用者は、製品の候補をある程度選んだ状態にあります。そのため、表の下には次の行動へ進める案内を設けます。

「お問い合わせはこちら」という案内だけでは、何を相談できるのか分かりにくい場合があります。「設置環境に合う製品を相談する」「選択した3製品の見積もりを依頼する」など、比較表の内容に合わせて案内文を変えると、利用者は次の行動を選びやすくなります。

また、問い合わせフォームに比較中の製品名を自動で引き継げるようにすると、利用者が型番を入力し直す必要がありません。営業担当者も、どの製品を検討している問い合わせなのかを把握した状態で対応できます。

9. 営業担当者やサポート担当者の意見も確認する

比較表を作る際は、Web担当者やマーケティング担当者だけで内容を決めず、顧客と直接話している営業担当者やサポート担当者にも確認します。

営業担当者は、商談でよく比較される製品、選定時に質問される条件、説明に時間がかかる違いを把握しています。サポート担当者は、購入後に誤解されやすい仕様や、事前に説明しておくべき制約を知っています。

次のような質問をすると、比較表へ掲載すべき情報を確認できます。

Webサイトの比較表と営業資料で説明内容が異なると、利用者はどちらを基準に判断すればよいか迷います。価格、用途、製品の位置付け、対応条件など、選定に関係する情報は共通の基準で管理することが大切です。

10. 公開後も、問い合わせ内容を見ながら見直す

比較表は、一度公開すれば完成というものではありません。新製品の追加、価格改定、機能変更、規格対応の追加などによって、内容は変わります。

また、公開後の問い合わせ内容を確認すると、比較表だけでは伝わっていない項目が見つかることがあります。

問い合わせが多い項目は比較表へ追加し、ほとんど見られていない項目は掲載位置を下げるなど、実際の利用状況に合わせて見直します。

ただし、問い合わせが多いからといって、すべての説明を比較表へ追加する必要はありません。比較表に短い説明を加える、用語解説へのリンクを設ける、製品詳細ページの説明を充実させるなど、内容に合った掲載場所を選びます。

11. 卸売・商社サイトでは、商品検索や見積依頼との連携も有効

卸売会社や商社では、似た仕様の商品や型番が多く、利用者が違いを判断しにくい場合があります。商品名と型番だけの一覧では、用途、規格、供給単位、納期などを確認するために、各商品ページを何度も行き来しなければなりません。

比較表に、用途、価格帯、対応規格、ロット数、供給形態、在庫状況などを掲載すると、候補を選びやすくなります。さらに、商品検索や問い合わせフォームと連携すれば、選択した商品をそのまま見積依頼へ送ることもできます。

比較機能は、顧客向けだけでなく、営業担当者が商品説明を行う際にも利用できます。営業資料とWebサイトで同じ分類や比較項目を使用すれば、顧客へ案内する内容も統一しやすくなります。

インテンスでは、比較表を単独で制作するだけでなく、商品検索、カタログ閲覧、在庫情報、見積依頼、問い合わせ管理などと連携したWebシステムの開発にも対応しています。

卸売・商社向けの具体的なシステム例については、 卸売・商社(BtoB企業)向けWebシステム活用アイデア のページでも紹介しています。

まとめ

製品比較表の目的は、情報をできるだけ多く掲載することではありません。利用者が製品ごとの違いを理解し、自社の用途や条件に合う候補を選べるようにすることです。

比較表を作る際は、まず何を判断してもらうページなのかを決めます。そのうえで、利用者が確認する順番に比較項目を並べ、製品間で差がある情報を分かりやすく示します。

製品数や項目数が多い場合は、用途別に表を分ける、代表製品だけを掲載する、条件から候補を選べる検索機能を用意するといった方法も検討できます。詳細仕様や長い注意事項は、製品ページや仕様書で説明した方が読みやすい場合があります。

まずはExcelなどを使い、製品名と比較項目を並べた案を作成すると検討しやすくなります。営業担当者やサポート担当者にも確認し、「顧客が実際に製品を選ぶ際に必要な情報があるか」「製品の違いを誤解なく説明できているか」という視点で内容を確認します。

公開後も、問い合わせ内容、製品ページへの移動状況、新製品や仕様変更を確認しながら更新を続けることで、顧客と営業担当者の双方に利用しやすい比較表になります。

本記事は、Webシステム開発・スマホ自動変換「movo」・業務システム構築・フォームUX改善・EC支援を提供する 株式会社インテンスが、実際の開発プロジェクトで蓄積した知見をもとにまとめています。 株式会社インテンス(公式サイト)