卸売・商社向けWebシステム活用アイデア

総合商社・専門商社・BtoB卸売企業様向けに、「既存サイトを活かしながら、商品情報・在庫・価格・案件情報・セミナー情報をどう整理していくか」という観点で、Webシステムの活用パターンや仕組みのイメージをまとめました。

卸売・商社(BtoB企業)向け

対象:総合商社/専門商社(電材・建材・住建資材・機械工具・FA機器・電子部品・設備資材・産業機器ほか)/BtoB卸売企業

取扱商品点数が多く、在庫・価格・販促情報が「人とExcel」に依存しがちな現場を想定し、営業・顧客・仕入先のあいだで必要な情報を整理し直していくことを目的にしたページです。

こんな企業様に向いています

次のような状況の卸売・商社様を主な対象としています。

  • 取扱商品が数千〜数万点あり、営業・顧客ともに「どの型番が最適か」探しづらいと感じている。
  • 在庫・納期・代替品情報が基幹システムとExcel・紙に分散し、問い合わせ対応に時間がかかっている。
  • 得意先ごとの掛率・条件・キャンペーン内容が、担当者ごとのローカル管理になっており属人的になっている。
  • Web受注も一部あるが、FAX・電話・メールも残っており、案件の全体像が一覧で追いづらい。
  • メーカー主催の勉強会や商品説明会の案内・申込を、毎回メールで個別対応していて手間がかかっている。
  • 既に通販サイトやECはあるが、「BtoB得意先向けの専用窓口」としては使いづらいと感じている。

よくある課題

1. 商品検索・代替提案が担当者の経験頼みになっている

「この仕様ならいつもこのシリーズ」「このメーカーが在庫薄だから別メーカーで」といった判断が、ベテラン担当者の頭の中だけにあり、新人や内勤スタッフは型番を探すだけで時間がかかるケースが多く見られます。

2. 在庫・納期・価格の最新情報が、一画面で確認できない

在庫は基幹システム、価格はExcel、納期情報はメール…といった形で情報が分散しており、電話を受けながら複数画面を行き来しているため、応対品質やスピードが担当者によってばらつきやすい状態です。

3. 得意先ごとの条件・履歴が点在し、引き継ぎが難しい

「この得意先はここまで値引きOK」「この案件はメーカーと三者で話している」などの情報が、担当者のメールボックスやExcelメモに閉じてしまい、異動や退職時の引き継ぎが難しくなりがちです。

4. メーカー・仕入先との情報共有がメール前提になっている

キャンペーン情報・価格改定・販売実績などの共有がメールでのやり取り中心で、「どこに何が来ていたか」「いつからの価格か」を後から探すのに時間を取られてしまうことがあります。

5. BtoB ECと社内の運用ルールが噛み合っていない

すでにECやWeb受注の仕組みはあるものの、実務上は「結局電話やFAXがメイン」という状態になっており、Web側と社内運用のギャップを埋めるための設計が必要なケースも少なくありません。

制作可能なWebシステムの組み合わせ例

既存の企業サイト・BtoB EC・基幹システムを前提に、「どこまでWeb側で補完するか」を整理しながら、次のような仕組みを組み合わせていきます。

代表的なWebシステム例

  • 取扱商品を、分野(電材・建材・設備資材など)やメーカー、仕様条件(容量・サイズ・定格・材質 など)で絞り込める検索画面を用意します。
    基幹システム側の在庫・納期情報と連携できる範囲を確認しつつ、「在庫あり/取寄せ/販売終了」などのステータスを一目で分かるように表示します。
    代替品・後継品情報も同じ画面で参照できるようにしておくと、問い合わせ対応のスピードと提案の質を同時に上げやすくなります。

  • 得意先ごとにログインIDを発行し、見積履歴・受注履歴・納品書PDF・出荷状況などを自己確認できるマイページを用意します。
    掛率や特別単価など、一般公開できない価格情報は、ログイン後だけに表示することで「価格問い合わせの電話」を減らしつつ、社内側でも履歴を追いやすくなります。
    将来的には、「マイページからそのまま再注文」「見積の承認フロー」などに拡張していくことも可能です。

  • Web受注に限定せず、電話・FAX・メールで受けた注文内容も、最終的には同じフォームから登録していく前提で設計します。
    「どの得意先から」「いつ」「どの商品を」「どの窓口経由で」受けたかを最低限の項目で押さえ、担当者ごとの対応状況やステータス(見積中/受注確定/メーカー確認中 など)を一覧で追えるようにします。
    既存の基幹システムとの役割分担を整理しながら、「現場が日々使えるフロント画面」をWeb側で用意していくイメージです。

  • 仕入先・メーカー向けに、キャンペーン資料・価格改定情報・売上実績速報などを共有するためのポータル画面を用意します。
    メールに添付していたPDFをポータル側に集約し、「どの情報が最新か」を明確にしたうえで、必要に応じて閲覧ログやダウンロード履歴も確認できるようにします。
    将来的には、販促企画の提案や販売見込みの共有フォームを組み込むことで、単なるファイル置き場から協業の基盤へと発展させることも可能です。

  • 電材・建材・設備資材などの分野では、メーカー勉強会や商品説明会が頻繁に開催されます。これらの案内・申込・資料配布をWeb側に集約する仕組みです。
    申込時に「興味分野」「扱っている商品カテゴリ」「参加目的」などを選んでもらうことで、当日の内容調整やフォローメールの出し分けに活用できます。
    開催後は同じページで資料DLやアーカイブ動画を案内し、「あのときの資料を送ってほしい」という依頼を減らすことができます。

  • 良くある問い合わせと回答、メーカーからの技術的な注意点、見積時の留意点などを蓄積する社内向けナレッジベースです。
    商品カテゴリ・メーカー・用途・難易度などでタグを付けておくことで、新人や内勤スタッフも検索しやすくなり、「この案件で過去に何か似た事例はあったか?」を探す手がかりになります。
    案件受付フォームやマイページと連動させれば、「この商品に関するFAQを見る」導線も作れます。

活用シーンの具体例

訪問営業が、その場で商品候補と在庫状況を提示

タブレットから商品カタログ・在庫検索画面を開き、分野・仕様条件で候補商品を絞り込み、その場で代替品や価格帯の目安まで提示できるようになります。見積のたびに紙カタログとExcelを持ち歩く必要が減り、提案スピードを上げやすくなります。

内勤営業・受注センターの応対を画面で支援

電話・FAXでの問い合わせ内容も、Webフォーム経由で案件として登録し、商品検索・在庫・納期情報と連動させることで、「誰が対応しても同じ回答ができる」状態に近づけていきます。応対履歴が残ることで、後追いフォローもしやすくなります。

得意先がマイページで履歴と資料を自己完結

得意先向けマイページから、過去の見積書・発注履歴・納品書PDF・出荷状況・技術資料を自己確認してもらうことで、「あの見積書をもう一度」「納品書を再発行してほしい」といった問い合わせを減らし、社内の事務負荷を軽くできます。

メーカーとの情報共有をポータルに集約

メーカー・仕入先向けポータルで販促資料・価格表・実績レポートを共有し、メール添付や個別ファイル送付を減らすことで、「どの情報が最新か」「どのキャンペーンがいつまでか」を双方で合わせやすくなります。

将来的な拡張オプション(例)

初期段階では「商品情報・在庫・価格・履歴の見える化」から始め、運用が定着してきた段階で、次のような拡張を段階的に検討できます。

  • 得意先ごとの購買傾向から「よく一緒に購入される商品」を自動表示するレコメンド機能
  • 在庫回転率や滞留在庫を簡易に可視化するダッシュボード画面
  • マイページからの注文内容を基幹システムに自動連携するAPI連携(段階的な導入も可)
  • 案件ごとに添付ファイル(図面・見積・仕様書)を紐付けて管理する機能
  • セミナー・勉強会の参加履歴と、取扱商品カテゴリを紐付けて分析する機能
  • メーカーごと・得意先ごとの売上実績レポートを、自動集計・PDF出力する機能
  • マイページ内で「在庫引当状況」や「入荷予定品」を段階的に見せていく機能
  • 社内ナレッジと商品カタログを紐付け、「この商品に関するFAQ」を自動表示する機能
  • 案件ステータスに応じて、自動でリマインドメール・フォローメールを送信する機能
  • 基幹システムを刷新する際にも、フロント側の画面構成はそのまま活かせるようにする分離構成

導入までの流れ(例)

  1. 現在のWebサイト構成・商品情報の持ち方・在庫/価格情報の管理方法をヒアリングし、既存システムとの役割分担を整理します。

  2. 「営業・顧客・仕入先の誰に」「どの画面から」「何を見せたいか」を確認し、画面の種類(商品検索/マイページ/ポータルなど)の大枠を決めます。

  3. 商品検索条件・表示項目・案件ステータスなどの項目案をこちらで整理し、サンプル画面とあわせてご提案します。

  4. ご承認いただいた内容をもとに、画面設計・実装を行い、テスト用環境上で実データの一部を使いながら動きをご確認いただきます。

  5. 実際の運用フローに合わせて文言や項目の微調整を行い、本番サイトへの組み込みと導入後のチューニングを行います。

卸売・商社向けのWebシステム活用について相談したい方へ

「うちの商流・システム構成でも同じようなことができますか?」といった段階でも、お気軽にご相談ください。

お問い合わせ

TOPへ