卸売・商社向けWebシステム活用アイデア

卸売・商社の業務では、取扱商品、販売方法、得意先ごとの取引条件によって、Web上で扱いたい情報が変わります。
このページでは、商品検索、在庫・納期照会、得意先向けの価格表示、案件受付、仕入先との資料共有などを対象に、Webシステムの構成例と検討時の確認事項をご紹介します。販売管理・在庫管理・BtoB ECなど、現在お使いのシステムを残しながら追加する方法も対象としています。

卸売・商社向け

対象:総合商社/専門商社(電材・建材・住建資材・機械工具・FA機器・電子部品・設備資材・産業機器ほか)/BtoB卸売企業

商品情報は商品マスタ、在庫は販売管理システム、仕様書や販促資料は共有フォルダというように、用途ごとに保管先が分かれている企業もあります。この運用自体に問題がなくても、営業担当者や得意先からの照会に応じる際、複数の資料を確認する必要が生じることがあります。
Webシステムを検討する場合は、すべてのデータを移すのではなく、誰が、どの情報を、どの時点の内容として参照するのかを先に決めます。そのうえで、既存システムから取得する項目とWeb側で登録する項目を分け、商品検索や得意先マイページなど、必要な画面から構成を検討します。

卸売・商社業界

このようなご相談に対応できます

卸売・商社向けのご相談では、例えば次のような内容が検討対象になります。

  • 取扱点数が多く、型番、メーカー、用途、仕様など、現在の探し方だけでは目的の商品を確認しにくい。
  • 在庫、入荷予定、納期、代替品を別々に確認しており、得意先への回答に複数の照会が必要になる。
  • 掛率、特別単価、納入条件など、得意先ごとの情報を閲覧できる人や更新方法を明確にしたい。
  • Web、電話、FAX、メールで受け付けた見積・注文について、受付後の状況を共通の一覧で確認したい。
  • メーカーの商品説明会やセミナーについて、案内、申込受付、参加者連絡、資料配布を一つの画面で管理したい。
  • 既存のECサイトとは別に、得意先別の商品情報、取引履歴、帳票などを確認できる窓口を設けたい。

検討時に確認したい主な項目

1. 商品を探す条件と、代替品を案内する際の判断基準

型番だけでなく、用途、寸法、容量、材質、規格などから探す場合は、検索に使う項目を商品マスタに持たせる必要があります。代替品・後継品についても、メーカー資料、社内で確認した対応関係、注意事項など、何を根拠として表示するかを決めておきます。

2. 在庫・納期・価格のデータ元と更新時点

在庫数、引当可能数、入荷予定、標準価格、得意先別価格では、それぞれ参照するシステムや更新頻度が異なることがあります。リアルタイム連携が必要か、定時更新でよいか、画面に最終更新時刻を表示するかなど、回答に使える情報の範囲を確認します。

3. 得意先別情報の閲覧権限と変更履歴

掛率、特別単価、与信、案件ごとの条件などは、社内でも閲覧者を限定する場合があります。得意先本人に表示する項目、営業担当者だけが参照する項目、承認後に反映する項目を分け、変更者と変更日時を記録するかどうかも検討します。

4. メーカー・仕入先から受け取る情報の管理方法

価格改定、新商品、販売終了、キャンペーンなどの資料には、発行日、適用開始日、対象商品、版番号などの情報が必要です。メールや共有フォルダを引き続き使う場合も、Web上に掲載する資料の選定者と更新担当を決め、現行版と過去版を区別します。

5. Webシステムと販売管理・在庫管理・ECの担当範囲

Web側を検索・照会・受付の画面として使い、受注確定、在庫引当、請求は既存システムで行う構成も考えられます。二重登録を避けるため、どの時点で既存システムへ登録するか、連携できない項目を誰が入力するか、更新に失敗した場合にどう確認するかを決めます。

Webシステムの構成例

現在の企業サイト、BtoB EC、販売管理・在庫管理システムを確認したうえで、必要な機能を次のような画面に分けて構成します。

主な画面・機能の例

  • 取扱商品を、分野、メーカー、型番、用途、容量、サイズ、定格、材質など、実際の問い合わせで使う条件から検索できる画面です。
    在庫や納期を表示する場合は、データ元、更新間隔、表示対象の倉庫、「在庫あり」「取り寄せ」「販売終了」などの判定方法を確認します。情報がリアルタイムではない場合は、最終更新時刻や要確認の表示も必要です。
    代替品・後継品は、対応関係と選定時の注意事項を登録し、元の商品から参照できる形にします。

  • 得意先ごとにアカウントを発行し、見積履歴、注文履歴、出荷状況、納品書PDFなど、取引先本人に公開する情報を表示します。
    掛率や特別単価を掲載する場合は、価格の取得元、適用期間、得意先内の閲覧者、営業担当者の確認手順を含めて設計します。担当者ごとに見せる範囲が異なる場合は、アカウント単位の権限設定も必要です。
    過去の注文から再注文する機能を追加する際は、現在の価格、在庫、販売可否を再確認してから受け付ける流れを検討します。

  • Webフォームからの依頼に加え、電話、FAX、メールで受けた内容を社内担当者が登録し、受付番号を付けて一覧で確認するための画面です。
    得意先、受付日時、商品、数量、希望納期、受付経路、担当者、対応状況など、検索や引き継ぎに必要な項目を選びます。見積中、メーカー確認中、受注確定などの状態は、実際の業務に合わせて定義します。
    販売管理システムへ登録する時点と担当者を明確にし、Web側には受付から引き継ぎまでを残すなど、同じ情報を重複して管理しない構成を検討します。

  • メーカーや仕入先との間で共有する、商品資料、価格改定、キャンペーン、販売実績などを掲載するログイン制の画面です。
    資料名だけでなく、対象商品、発行元、版番号、適用開始日、公開終了日を登録し、現在参照する資料を区別できるようにします。必要に応じて、掲載対象の仕入先や社内担当者を分け、閲覧・ダウンロード履歴も記録します。
    売上実績や販売見込みを扱う場合は、公開範囲、集計単位、確定値と速報値の区別など、共有するデータの条件を個別に決めます。

  • 開催日時、会場、対象者、定員、申込期限を掲載し、得意先や社内担当者からの参加申込を受け付けます。
    申込時に業種、関心のある商品分野、参加方法などを選択してもらい、受付完了、開催前の案内、変更・中止連絡に使用できます。参加者情報を営業活動に利用する場合は、利用目的と閲覧できる担当者も確認します。
    開催後は、参加者に限定して資料や動画を案内するなど、公開期間と対象者を指定した配布ページを設けることもできます。

  • 得意先から受ける質問、メーカーの回答、商品選定時の注意点、見積前の確認事項などを、社内で検索するための画面です。
    商品カテゴリ、メーカー、用途、対象製品などの分類を付け、回答の出典、登録者、確認日も記録します。仕様や取扱条件が変わる内容については、見直し期限や公開停止の扱いを決めておきます。
    商品詳細や案件受付画面から関連するFAQを開けるようにすれば、問い合わせ内容を確認しながら過去の回答を参照できます。

利用場面の例

訪問先で条件を指定し、候補商品を確認する

営業担当者がタブレットから用途、寸法、容量などを指定し、候補商品、在庫表示、関連資料を確認します。代替品を表示する場合も、注意事項やメーカーへの確認要否を同じ画面に掲載し、その場で回答できる内容と持ち帰って確認する内容を区別します。

電話・FAXで受けた依頼を受付番号で管理する

内勤担当者が依頼内容を受付画面へ登録し、見積担当、メーカー確認、回答期限などを設定します。担当者が変わった場合も、受付内容、確認中の項目、これまでの連絡を案件単位で参照できます。

得意先が取引履歴や帳票をマイページで確認する

得意先がログインし、自社に公開された見積書、注文履歴、出荷状況、納品書、商品資料を確認します。公開対象や保存期間をあらかじめ決め、価格変更後の見積書や再注文できない商品には、その状態が分かる表示を設けます。

価格改定資料を適用日とともに共有する

メーカー・仕入先向けポータルに、価格表、対象商品、適用開始日、旧版の扱いを掲載します。更新通知を送る場合は、通知先と配信条件を設定し、必要に応じて未確認者やダウンロード状況を確認できるようにします。

既存のBtoB ECを補う得意先向け窓口を設ける

通常商品の注文は既存EC、個別見積や仕様確認を伴う依頼は専用フォームというように、取引内容によって入口を分ける方法があります。
電話やFAXを継続する得意先については、社内担当者が同じ受付画面へ登録し、Web経由の依頼とあわせて対応状況を確認します。

支店・営業所の案件を共通項目で確認する

各拠点の見積・案件について、商材、得意先、担当者、予定金額、回答期限、進行状況などを共通項目で登録します。
本部では、拠点別・商品別の件数や期限を確認し、メーカー同行や商品説明が必要な案件を選ぶ際の資料として利用できます。

業務別(部門別)/シーン別の画面構成例

部門や用途別のダッシュボード画面を、具体的な表示項目とともに紹介しています。

追加機能として検討できる内容

商品、在庫、価格、取引履歴などのデータ元と更新方法が確認できた後は、利用状況に応じて次のような機能を追加できます。

  • 同時に注文された商品の実績をもとに、関連商品を表示する機能
  • 在庫回転率、保有期間、滞留在庫を商品・倉庫別に確認する画面
  • マイページで受け付けた注文を販売管理システムへ登録するAPI連携
  • 案件ごとに図面、見積書、仕様書などの関連ファイルを記録する機能
  • セミナーの参加履歴を得意先・商品カテゴリ別に集計する機能
  • メーカー別・得意先別の売上実績を集計し、確認用PDFを作成する機能
  • 得意先ごとに、在庫引当状況や入荷予定の公開範囲を設定する機能
  • 商品詳細から、社内FAQやメーカーの注意事項を参照する機能
  • 案件の状態や期限に応じて、担当者・得意先へ案内メールを送る機能
  • 既存システムの変更時に接続先を切り替えられるよう、画面とデータ連携を分けた構成

既存の得意先を対象としたログイン制のオンライン受発注サイトについては、「卸売・商社向け 取引先専用BtoB受発注Webシステム活用イメージ」のページで、商品・価格・注文履歴などの構成例をご紹介しています。

ご提案から導入までの流れ(例)

  1. 現在のWebサイト、商品情報、在庫・価格・取引履歴の管理方法を伺い、参照するシステムと更新担当者を確認します。

  2. 営業担当者、得意先、メーカー・仕入先などの利用者ごとに、閲覧・登録する情報と必要な権限を確認します。

  3. 商品検索、マイページ、案件受付、ポータルなど、対象とする画面を選び、表示項目と画面イメージをご提案します。

  4. 決定した内容をもとに実装し、テスト環境で画面表示、権限、データ更新、既存システムとの連携を確認します。

  5. 運用担当者による確認後、本番環境へ反映します。公開後は利用状況を確認し、必要な項目や検索条件の変更を検討します。

卸売・商社向けWebシステムの構成を相談したい方へ

商品情報、在庫、得意先別価格など、現在の管理方法が分かる範囲からご相談いただけます。
既存システムで継続する部分と、Web側に追加する部分を確認し、必要な画面をご提案します。

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