問い合わせ管理システムにタグ機能を用意しても、 「なんとなく付けているだけで、レポートではほとんど使われていない」 という状況は珍しくありません。 タグを“集計に耐えるデータ”に育てていくには、設計と運用の両方に工夫が必要です。
本記事では、BtoB向けの問い合わせ・サポート窓口を前提に、 問い合わせタグをレポートや改善施策にきちんとつなげるための考え方を整理します。
タグ設計の出発点は、「タグ集計を見て何を決めたいのか」です。 代表的な例としては次のようなものがあります。
「とりあえず細かくタグを用意する」のではなく、 上記のような意思決定の単位から逆算してタグ候補を出していくと、 後でレポートに使いやすくなります。
レポート用途を想定したタグ設計では、次のような分類軸がよく採用されます。
これらを「1問い合わせあたり複数付けられる」ようにしておくことで、 あとから多面的なクロス集計ができるようになります。
タグを前提にしたレポートは、次のような切り口で設計しておくと、 月次・四半期のレビューにそのまま使いやすくなります。
Excel や BI ツールにエクスポートする前提であっても、 「ダッシュボード上でざっくり傾向が分かる」レベルの集計画面を用意しておくと、 現場の肌感覚とのギャップを早めに検知できます。
タグをレポートに活かすだけでなく、実際の改善施策に結びつけるためには、 あらかじめ「タグ別にどんなアクションを検討するか」のイメージを持っておくと有効です。
月次・四半期レビューの場で、「どのタグが増えているか」「どのタグを減らしたいか」を決めておくと、 タグ集計がそのまま改善議題の“インデックス”として機能するようになります。
タグをきちんと付けてもらうためには、現場にとって「負担が少ない」「意味が分かる」状態にする必要があります。
インテンスの案件でも、最初から完璧なタグ設計を目指すのではなく、 運用の中で「よく使うタグ」「使われないタグ」を見極めながら、 半年〜1年単位で棚卸ししていくパターンが多くなっています。
コンサルティングや専門サービス業では、問い合わせ内容がそのまま「市場からのニーズの声」になります。 どのテーマの相談が増えているか、どの業種のどの部署からの問い合わせが多いかをタグで整理しておくことで、 サービスメニューの見直しやセミナー企画、ホワイトペーパー作成などに直結させやすくなります。
インテンスでは、こうした問い合わせ・資料請求・セミナー申込などを統合し、 業種別にどのような相談パターンが多いかを可視化する Web システムもご提案しています。 どのような業務をまとめてシステム化できるかのイメージを掴みたい場合は、 コンサル向けWebシステム活用アイデア のような業種別ページもあわせてご覧いただくと、タグ活用と周辺業務の整理のヒントになります。
問い合わせタグをレポート・改善施策に活かすためには、 「何を決めるためにタグを見るのか」を明確にし、テーマ・機能・顧客属性などの軸を整理したうえで、 現場にとって負担の少ない運用ルールを設計することが重要です。
まずは少数のタグから始め、レポートと改善会議の中で「どのタグを増やし/減らしていきたいか」を議論しながら、 自社にとってちょうどよい粒度にチューニングしていくと、タグが“生きたデータ”になっていきます。