問い合わせフォームや問い合わせ管理システムでは、 「お問い合わせ種別」「カテゴリ」などの項目を用意しておくと、 担当部署への振り分けや後日の集計に役立ちます。 一方で、選択肢を増やしすぎるとユーザーの入力負荷が高くなり、 結局「その他」が増えてしまう、という本末転倒な状態にもなりがちです。
本記事では、BtoB向けの問い合わせ窓口を前提に、 入力ハードルを上げすぎず、運用・集計にも使いやすい問い合わせ分類項目の設計パターンを整理します。
問い合わせ分類を細かくするほど、振り分けや分析には役立ちますが、 ユーザーの入力負荷・社内の運用負荷も同時に上がります。 まずは次の点を整理しておきます。
これらを踏まえたうえで、「入力項目としてはシンプルに」「裏側のマスタで細かく」という分担を考えるのも1つの方法です。
BtoBの問い合わせフォームでよく目にする分類パターンの例を挙げます。
初期段階では、これくらいの大まかな分類でも十分なことが多く、 あとは社内側で、製品カテゴリや顧客属性などと掛け合わせて管理するパターンもよくあります。
問い合わせ内容が幅広いサービスでは、 「大分類 → 中分類 → 小分類」と段階的に選んでもらうケースもあります。
多段階にする場合は、次の点に注意が必要です。
「大分類と中分類まではユーザーに選んでもらい、小分類は社内で編集する」など、 入力側と運用側の負担を分担する設計も検討するとよいでしょう。
例えば、歯科・皮膚科・美容クリニックなどの医療系サイトでは、 問い合わせ内容が「予約」「治療内容の相談」「料金の確認」「求人応募」など多岐にわたります。
このような大分類を用意しておくと、 ・予約系 → 予約担当 ・症状相談 → 看護師/ドクター確認 というように、院内の役割に応じて振り分けやすくなります。
インテンスでは、こうした問い合わせ分類を、予約フォーム・事前問診フォーム・カルテ連携などと組み合わせ、 「どの導線から、どの種別の相談が多いか」を可視化するWebシステムもご提案しています。 クリニックまわりの業務をどこまで一括でシステム化できるかのイメージを掴むには、 歯科・皮膚科・美容クリニック向けWebシステム活用アイデア のようなページをご覧いただくと、「予約・問診・問い合わせ」などをまとめて整理する際のヒントになります。
ユーザーに見せる選択肢はシンプルに保ちつつ、 管理画面側ではより細かいマスタ・タグで分類する構成も有効です。
こうすることで、フォームの入力負荷を抑えながら、 運用・分析に必要な粒度の情報を内部的に持つことができます。 内部マスタは、時間をかけて少しずつブラッシュアップしていく前提で設計すると現実的です。
問い合わせ分類(カテゴリ)項目の設計では、 「入力する側(ユーザー)」と「運用・分析する側(社内)」のバランスを取ることが重要です。 初期段階では大分類中心のシンプルな構成から始め、 運用の中でよく出てくるパターンや分析ニーズを見ながら、 必要な項目を段階的に増やしていくアプローチが現実的です。
問い合わせフォームだけで完結させようとせず、 管理画面側のマスタやタグ、業種別の導線ページなどとうまく役割分担をしながら、 自社にとって扱いやすい分類設計を整えていくと、運用負荷と分析精度の両立に近づきます。