介護施設の入居相談や施設見学の受付では、ご本人の状態や家族の状況をどこまで事前に把握しておくか が、 その後の説明内容や受け入れ可否の判断に大きく影響します。 一方で、Webフォームの時点で聞きすぎると、相談のハードルが上がってしまいます。 本記事では、特養・老健・有料老人ホームなどを想定し、入居相談・見学予約フォームで押さえておきたい必須項目の整理方法を解説します。
まず整理すべきなのは、「入居相談」と「施設見学」を別フォームにするか、同一フォームで兼ねるかという設計です。
現場では、どちらも同じ相談員が対応する ケースも多いため、 1本のフォームで受け付けつつ、最初の質問で「入居相談が主目的か/見学が主目的か」を聞く設計が現実的です。
一般的な問い合わせと同様に、氏名・連絡先・希望日時などは必須項目ですが、 介護施設ならではのポイントとして、次の情報をどのタイミングで聞くかを検討します。
これらを全て必須にすると負担が大きいため、「相談前にどうしても知っておきたい項目」だけを必須 にし、 残りは任意入力とする設計が現実的です。
介護施設の入居相談では、本人だけでなく家族・ケアマネジャー・病院のソーシャルワーカーなど、 関係者が複数登場するのが一般的です。そのため、次のような情報を整理して入力してもらうと、初回対応がスムーズになります。
紹介元の情報は、地域連携の観点でも重要なデータ になるため、 フォームで任意項目として聞いておき、ダッシュボード側で集計できるようにしておくと役に立ちます。
施設見学の希望日は、病院からの退院時期や家族の都合などに引きずられることが多く、 「この日時でないと厳しい」「いつでもよい」など幅があります。 そのため、第1〜第3希望方式 や「午前/午後単位」での希望など、 施設側のスケジュール管理方法に合わせた入力パターンを選ぶことが重要です。
希望日入力のパターンについては、 見学・相談予約フォームの希望日入力パターン比較 で、カレンダー表示や候補日プリセットなどの方法を比較しています。 介護施設では、曜日ごとに相談員の配置が決まっているケースも多いため、それを反映した選択肢設計が有効です。
介護・医療分野では、個人情報だけでなく、要介護度や医療的ケアなどのセンシティブな情報を扱うため、 フォーム上での同意文面 を明確にしておく必要があります。
長文をそのまま掲載するのではなく、「個人情報の取り扱いについて」の要約+詳細ページへのリンクという形にすると、 利用者側の読みやすさと法令順守の両立がしやすくなります。
介護施設の入居相談・施設見学予約フォームは、ご家族にとっては大きな決断の第一歩であり、 施設側にとっては今後の支援関係の起点となる重要な接点です。 要介護度・医療的ケア・キーパーソン・紹介元・希望時期といった情報を、 入力負荷とのバランスを取りながら整理して聞くことで、初回対応の質を高めることができます。
まずは、現在の相談受付の流れを棚卸しし、「電話で毎回聞いている内容」 を洗い出したうえで、 Webフォーム側にどこまで反映するかを検討すると、現場の感覚に合った項目設計がしやすくなります。