見学・相談予約フォームの希望日入力パターン比較
介護施設の見学、学校の個別相談、ホテルの下見、クリニックの事前相談など、
「日程を合わせる」ことが前提になるフォームでは、希望日入力欄の設計 が重要なポイントになります。
このページでは、見学・相談予約フォームの「希望日」入力パターンをいくつかに分類し、
それぞれのメリット・デメリットと、向いている業種・シーンを整理します。
この記事で比較するパターン
1. 自由入力(テキスト)
2. 日付ピッカー(1日分)
3. 第1〜第3希望方式
4. カレンダー×時間帯選択方式(空き枠指定型)
1. 自由入力(テキスト)パターン
「ご希望日時を自由にご記入ください」とだけ表示し、テキストエリアにユーザーが自由記述するパターンです。
メリット
- 実装が最も簡単
- 「◯月中旬以降であればいつでも」など、あいまいな希望も拾いやすい
- 複数日の候補や人数・要望を一緒に書いてもらえる
デメリット
- 担当者が毎回内容を読み解く必要がある
- 日付フォーマットがバラバラになりやすい
- カレンダーや予約システムとの自動連携がしづらい
「問い合わせ件数自体が少なく、1件ずつ丁寧に確認して調整する」スタイルの事業であれば許容できますが、
施設数や相談件数が増えると限界が来ます。
2. 日付ピッカー(1日分)パターン
カレンダー UI(DatePicker)で 1 日だけ選んでもらい、時間帯は別のプルダウン等で選択するパターンです。
メリット
- 日付フォーマットが統一される
- 祝日や定休日を選択不可にできる
- 予約管理システムとの自動連携がしやすい
デメリット
- 「複数候補を出したい」ニーズにはそのまま対応できない
- ユーザーが希望日を1つに絞れない場合、別途やり取りが増える
「原則として希望日=予約確定日」に近い運用をしたい場合に向いています。
一方、「候補をいくつか出してもらい、担当者側で調整したい」場合は次のパターンの方が適しています。
3. 第1〜第3希望方式
よくある方式が、「第1希望日」「第2希望日」「第3希望日」をそれぞれ入力してもらうパターンです。
日付ピッカー+時間帯プルダウンを組み合わせることが多くなります。
メリット
- 候補日を複数もらえるため、調整がスムーズ
- 「平日午前」「土日午後」など、パターンを比較しやすい
- 施設側のカレンダーに転記しやすい
デメリット
- 入力欄が増え、フォームが長くなりやすい
- 「第2・第3希望が未入力」のまま送られるケースもある
学校の個別相談、介護施設・葬祭ホールの見学、BtoB向け工場見学など、
「双方の都合で調整するのが前提」のシーンでは、今も現実的な選択肢です。
4. カレンダー×時間帯選択方式(空き枠指定型)
もう一歩進んだ方式として、「空き枠をそのまま予約」してもらうパターンがあります。
カレンダー上に空き枠を表示し、ユーザーはその中から選んで予約するイメージです。
メリット
- ユーザーが「どの時間が空いているか」をひと目で確認できる
- 予約確定までのやり取りが最小限で済む
- ダブルブッキング防止・リマインドメール送信などと組み合わせやすい
デメリット
- システム側にスケジュール管理の仕組みが必要
- 担当者のシフト・予定変更との連携設計が必要
- 「とりあえず候補を出したいだけ」というケースには過剰なこともある
クリニックやサロンの予約、ホテルの下見予約、BtoB のオンライン相談など、
事前に時間枠を明確に区切れる業態では、ユーザー体験・運用効率ともに高いパターンです。
5. 業種別に見た「おすすめパターン」
業種や運用体制によって、向いているパターンは変わります。代表的な例を挙げます。
- 介護施設・葬祭ホール:
- 第1〜第3希望方式+自由記述欄(家族構成・希望時間帯)
- 学校(オープンキャンパス・個別相談):
- イベント単位で日程が決まっている場合は「日程選択+時間帯」
- 個別相談は第1〜第3希望方式か、空き枠指定型
- ホテル・会場下見:
- カレンダー×時間帯選択方式+人数・用途(下見/打ち合わせ)
- クリニック・歯科・美容医療:
- 空き枠指定型(初診/再診・施術内容別)と相性が良い
6. 希望日設計を見直すときのチェックリスト
既存フォームの希望日入力欄を見直す際、次の観点で評価してみてください。
- ユーザーが「どの程度まで決めている状態」でフォームに来るのかを想像しているか
- 入力欄の数が、実際の運用で必要な情報量に見合っているか
- 担当者がカレンダーや予約台帳に転記するとき、迷わずに済むか
- キャンセル・日程変更が発生したときのフローに無理がないか
学校・ホテル・医療・葬祭など、見学・相談予約がビジネスの入り口になる業態では、
希望日入力パターンの選び方ひとつで、予約率・キャンセル率・当日の満足度 まで変わってきます。
歯科・皮膚科・美容クリニック向け や
ホテル向けシステム開発例 では、
予約フォームと管理画面・リマインドメールを含めた構成案を紹介しています。
単に「希望日入力欄をどうするか」ではなく、予約〜来場〜フォローまでを一連の流れとして設計する際の参考になるはずです。
本記事は、Webシステム開発・スマホ自動変換「movo」・業務システム構築・フォームUX改善・EC支援を提供する
株式会社インテンスが、実際の開発プロジェクトで蓄積した知見をもとにまとめています。
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