税理士事務所の電子契約・委任状管理|顧問契約の更新・版管理・承認フローの設計
顧問先が増えてくると、地味に効いてくるのが「契約書どれが最新版?」「委任状の取り直し忘れ」「更新の期限が抜ける」といった契約周りの混乱です。
紙やPDFメール添付のままだと、版が散る/権限が曖昧/更新のタスク化ができないが起きやすく、後からの説明が重くなります。
ここを先に整えておくと、顧問契約の運用が“静かに”回ります。
このページの要点
・顧問契約・委任状を「版管理+承認フロー」で崩れにくくする
・更新漏れを「期限と状態」で追える形にする
・閲覧権限と監査ログを“必要十分”に整える
・紙の運用を残すなら、残す範囲を決める
1. まず「何を契約として扱うか」を分ける
税理士事務所の契約関連は、ひとまとめにすると運用が荒れます。最低限、次の区分で管理対象を分けると整理しやすいです。
- 顧問契約(基本契約):期間・範囲・報酬・例外条件
- 委任状・代理権関連:提出先・手続・有効期間(取り直し要否)
- スポット業務の合意:決算、申告、修正、調査対応などの追加条件
- 機密保持・個人情報取扱:資料の持ち出し・共有・保管の前提
「どれが契約書か」が曖昧なままだと、更新や承認の単位がバラけて、結局メールに戻ります。
2. 版管理(Revision)を“書類の束”として考える
契約書は、差し替えが起きる前提で設計した方が安全です。上書きしてしまうと、後からの説明ができません。
2-1. 最低限の持たせ方
- 版番号(Rev.1 / Rev.2 など)
- 状態(下書き/社内確認/顧問先確認/締結済/無効)
- 変更理由(短文でOK)
- 締結日・開始日・終了日(更新判断に必要)
“最新版”は自動で分かるようにする
一覧で「今有効な契約」を一瞬で判別できるよう、最新版フラグ(現在有効)を持たせる方が揉めません。
3. 承認フローは「差し戻しの戻り先」を固定する
承認フローは複雑にしなくていいですが、差し戻しだけは事故りやすいので先にルールを固定します。
- 社内確認→顧問先確認 の戻り先は「社内確認」に戻す
- 締結済み後の修正は「新しい版を作る」
- 緊急例外は例外フローに逃がさず、同じ状態遷移で扱う
フローの図を作る必要はありません。状態(ステータス)と言葉を揃えるだけで、現場の迷いが減ります。
4. 更新漏れを防ぐのは「カレンダー」より「契約の状態」
更新漏れは、日付を入れるだけでは止まりません。更新判断が必要な契約を「要確認」に上げられるかがポイントです。
- 更新対象:終了日が近いものだけ自動抽出
- 状態:更新確認中/更新条件確認中/更新合意済/更新完了
- 差し戻し:条件の食い違いを履歴で残す
「誰のボールか」が状態で明確になると、更新作業は止まりにくくなります。
5. 閲覧権限と監査ログは“書類単位”で考える
契約書・委任状は、顧問先ごとに見せる範囲が異なります。画面権限だけでなく、書類単位で切れる設計が安全です。
- 顧問先:自社の書類のみ
- 事務所:担当者は閲覧・更新、管理者は承認
- ログ:閲覧/ダウンロード/締結/無効化は必ず記録
紙運用を残す場合でも、「紙でしか持っていない契約」を一覧で把握できるようにしておくと、移行が楽です。
まとめ
電子契約や委任状管理は、機能を増やすより「版管理」「差し戻し」「更新判断」を揃える方が効きます。
税理士業務のDXは、資料回収や進捗だけでなく、契約・合意の“抜け”を減らすところでも差が出ます。
本記事は、Webシステム開発・スマホ自動変換「movo」・業務システム構築・フォームUX改善・EC支援を提供する
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