税理士事務所・税理士法人向け

税理士事務所の顧問先ポータル設計 資料回収・期限管理(インボイス/電子帳簿保存法)

Webシステムのカスタマイズ制作

税理士事務所・税理士法人では、顧問先からの相談、月次資料の受け取り、年末調整や申告に向けた確認、試算表の共有など、顧問先とのやり取りが年間を通して発生します。
連絡手段や保存先がメール、電話メモ、チャット、紙、共有フォルダに分かれていると、担当者以外が経過を確認する際に、依頼内容や受領済みの資料、顧問先からの回答を複数の場所から探すことになります。案件数が増える時期には、未受領だけでなく、受領後の確認待ちや再提出の依頼中といった状況も確認対象になります。
顧問先ポータルと所内向けの管理画面を用意すると、資料の依頼・受領・内容確認、相談案件、レポートの公開、申告準備の進行状況を顧問先や対象期間ごとに表示できます。顧問先に公開する情報と所内だけで扱う情報を分け、現在の担当者と次に確認する内容を記録するための構成です。
会計ソフト、税務申告ソフト、電子申告システム、ファイル共有サービスを利用している場合は、どのシステムを正式な記録とするか、データを連携するかを先に決めます。インボイス制度や電子帳簿保存法に関係する証憑を扱う場合も、ポータルへのアップロードだけで必要な保存対応が完了するとは限らないため、正式な保存先と確認手順を別途定めます。拡張機能の 生成AIアシスト機能 は、修正依頼文や要点メモの候補作成を補助し、税務上の判断や送信前の確認は担当者が行う使い方を想定しています。
このページでは、相談受付、年末調整・法定調書の資料回収、月次レポートの共有、申告・納付期限、契約内容、職員別の担当状況を扱う6つの画面例と、導入前に決めておきたい権限・状態・既存システムとの分担を紹介します。

税理士業務の「顧問先ポータルサイト」と業務状況の一覧化

このような運用を見直したい場合に

  • 顧問先からの相談がメール・電話・チャットから届き、受付日、担当者、回答待ちの案件を一覧で確認できていない。
  • 年末調整や法定調書の資料について、未受領、受領済み、内容確認中、再提出依頼中を別々の表やメールで管理している。
  • 試算表や月次レポートをメールや共有サービスで渡しているが、公開した版と顧問先の閲覧状況を顧問先別に確認したい。
  • 申告・納付期限と所内の作業期限が、担当者のカレンダーや個別の進捗表に分かれている。
  • 職員ごとの担当案件と直近の期限を確認し、担当変更や応援が必要な案件を所内で検討したい。
  • 会計・税務ソフトやファイル共有サービスは継続しながら、顧問先との連絡と所内の進行状況を確認する画面を追加したい。

顧問先ポータルを検討する際は、顧問先に公開する提出状況・回答・レポートと、所内だけで扱う確認結果・内部メモ・担当者情報を分けます。顧問先ごとの閲覧権限に加え、会計ソフトや税務申告ソフトと重複する情報について、どちらを正式な記録とするかも決めておく必要があります。

このページで扱うシーン

各シーンの下に、ダッシュボード(管理画面)の画面イメージ(モック)を用意しています。

1分でわかる運用シナリオ

代表的な3つの業務を例に、依頼から受領、内容確認、再提出依頼までの画面と、各段階で残す記録を紹介します。

年末調整:依頼・受領・内容確認を段階ごとに記録する

依頼提出確認/修正依頼履歴/CSV
依頼対象者、必要資料、所内で設定した提出期限を登録し、案内を送ります。
提出顧問先が資料を登録すると、まず「受領済み」として記録します。
確認/修正依頼内容確認後に、確認済みまたは再提出依頼へ状態を変更します。
履歴/CSV受領日、確認状況、再提出依頼の履歴を対象者ごとに出力します。

結果物のイメージ

受領・確認状況一覧(例)

顧問先受領状況期限メモ
ABC工業未受領(0/3)12/10扶養申告書が未着
DEF商事内容確認中(2/3)12/12保険料控除のみ再提出依頼中
GHIサービス受領済(3/3)12/08所内確認待ち

顧問先に届く依頼メール(例)

件名:【年末調整】書類提出のお願い(提出期限:12/10)
宛先:ご担当者さま

年末調整の資料提出をお願いします。
ポータルの「年末調整」から、下記をアップロードしてください。

・扶養控除等(異動)申告書
・保険料控除証明書(該当者のみ)
・源泉徴収票(転職がある場合)

提出期限:12/10(火)
不明点があれば、このメールに返信いただくか、ポータル内の「質問」からご連絡ください。

月次資料回収:対象月・資料区分・確認状況を記録する

依頼提出確認/修正依頼履歴/CSV
依頼対象月、資料の区分、提出期限、提出方法を顧問先へ案内します。
提出登録されたファイルを、顧問先・対象月・資料区分に関連付けます。
確認/修正依頼不足や画像の不鮮明箇所を確認し、対象ファイルを指定して連絡します。
履歴/CSV最終受領日と確認状況を一覧にし、次に連絡する顧問先を確認します。

結果物のイメージ

修正依頼理由テンプレ(例)

修正依頼理由:画像が不鮮明
コメント:日付と金額が読み取れません。明細がはっきり写るように、再度撮影してアップロードしてください。
再提出期限:今週金曜まで

CSV出力(例:回収状況)

client,month,status,last_submit,staff
ABC工業,2026-01,未受領,,佐藤
DEF商事,2026-01,確認中,2026-01-08,田中
GHIサービス,2026-01,受領済,2026-01-07,田中

電子申告前の確認:顧問先への照会と所内確認を分ける

依頼提出確認/修正依頼履歴/CSV
依頼顧問先に確認する項目、添付資料、回答期限を登録します。
提出顧問先の回答と添付資料を受け付け、未回答項目を表示します。
確認/修正依頼担当者が回答を確認し、追加照会または所内確認へ進めます。
履歴/CSV回答履歴と所内の進行状況を出力します。電子申告の完了記録とは分けて扱います。

結果物のイメージ

顧問先への確認項目(例)

回答項目:
[ ] 未計上の請求書・売上に心当たりはない
[ ] 期末在庫の数量を確認し、棚卸表を添付した
[ ] 消費税に関する前期からの変更事項を記載した
[ ] 希望する納付方法を選択した

申告・納付の期限ボード(例)

顧問先税目期限状況
ABC工業法人税03/31確認中
DEF商事消費税03/31修正依頼中
GHIサービス所得税03/15所内確認待ち

クリックで流れを確認できるミニデモ(疑似遷移)

※画面構成を検討するための疑似デモです。実際に記録する項目、状態の名称、通知条件、既存システムとの連携方法は、現在の運用に合わせて決めます。

1.依頼
表示中:年末調整

右側の「結果物」が切り替わります。画面は参考用のモックです。

年末調整:依頼時に残す記録

対象者、必要資料、提出期限、通知日時を依頼単位で記録します。通知の送信と相手への到達は別に確認します。

依頼名:年末調整(2025年分)
期限:12/10
対象:役員2名/従業員18名(合計20名)
未受領:7名
通知:メール+ポータル通知(自動リマインド:期限3日前/期限当日)

年末調整:資料を受領した後の表示

受領したファイルを顧問先・対象者・資料区分に関連付け、内容確認前の資料を区別して表示します。

氏名提出修正依頼最終更新
山田 太郎受領済なし12/06 14:10
佐藤 花子再受領1回12/07 09:22
鈴木 次郎未受領--

年末調整:再提出を依頼した記録

対象資料、確認箇所、依頼日時、再提出期限を残し、顧問先からの再提出と関連付けます。

修正依頼(テンプレ選択):
・保険料控除証明書の対象が不足しています
追記:
・「地震保険」の証明書が未添付でした。画像でOKです。
再提出期限:12/09 18:00

年末調整:受領・確認履歴の出力

受領状況や再提出依頼の回数を出力し、所内で確認する案件の選定に利用します。

person,status,returned,updated
山田太郎,受領済,0,2025-12-06 14:10
佐藤花子,再受領,1,2025-12-07 09:22
鈴木次郎,未受領,0,

月次資料回収:依頼時に残す記録

対象月、資料区分、提出期限と、依頼を送った顧問先を確認できるようにします。

依頼名:月次資料(2026年01月)
期限:02/05
対象:領収書/請求書/通帳コピー
未受領:ABC工業、JKL不動産、MNO建設

月次資料回収:受領ファイルの表示

ファイルを対象月ごとに表示し、受領後に内容を確認していないものを抽出します。

受領ログ(抜粋)
2026-01-08 10:15  ABC工業  領収書_1-15.pdf  受付
2026-01-08 10:16  ABC工業  請求書_1-10.pdf  受付
2026-01-08 10:18  ABC工業  通帳_1月.jpg      受付

月次資料回収:再提出の依頼内容

対象ファイルと確認箇所を指定し、顧問先側にも同じ依頼内容と期限を表示します。

修正依頼理由:明細が欠けています
コメント:1/12の領収書が途中で切れています。全体が写るように再撮影をお願いします。

月次資料回収:受領状況の出力

担当者、最終受領日、内容確認の状態を出力し、次に連絡する顧問先を検討します。

client,month,status,last_submit,staff
ABC工業,2026-01,確認中,2026-01-08,田中
JKL不動産,2026-01,未受領,,佐藤
MNO建設,2026-01,未受領,,佐藤

電子申告前の確認:照会時に残す記録

顧問先への質問、添付を求める資料、回答期限を登録します。税務上の確認結果は担当者が別に記録します。

依頼名:電子申告前チェック(2025年度)
顧問先回答期限:03/10
項目:売上/在庫/消費税/納付方法/役員報酬 ほか

電子申告前の確認:回答受付後の表示

顧問先の回答と添付件数を表示し、未回答項目と所内確認前の案件を抽出します。

顧問先回答添付状況
ABC工業回答済2件確認中
DEF商事未回答0件要リマインド
GHIサービス回答済1件所内確認待ち

電子申告前の確認:追加照会の記録

未確認の項目、追加で必要な資料、顧問先への照会日を案件履歴に残します。

修正依頼:
・期末在庫の数量が未確定です
追記:
・現時点の棚卸表をアップロードし、未確定の箇所を記載してください。

電子申告前の確認:期限と所内状況の出力

税目ごとの法定期限と所内の進行状況を並べます。申告・納付の完了は、正式な記録を確認して更新します。

client,tax,deadline,status
ABC工業,法人税,2026-03-31,確認中
DEF商事,消費税,2026-03-31,修正依頼中
GHIサービス,所得税,2026-03-15,所内確認待ち

現場で起こりやすい運用上の困りごと

パターン1: 顧問先とのやり取りを案件単位で追えない

メール・電話・チャット・FAXを用途に応じて使い分けていても、相談内容、追加資料、回答履歴が案件に関連付いていないと、現在の担当者や回答待ちの相手を一覧から確認できません。
担当者が不在のときや担当変更の際には、各連絡手段を確認し、どの回答が最新かを判断する作業が発生します。

パターン2: 資料の受領後に、どこまで確認したかが分からない

年末調整や申告準備を担当者別の表で管理している場合、「提出済み」という表示だけでは、ファイルを受領した段階か、内容確認まで終えた段階かを判断できないことがあります。
未受領、受領済み、内容確認中、再提出依頼中、所内確認済みを区別できないと、管理者が次の対応を判断するために担当者へ個別確認する必要があります。

パターン3: 日常業務の画面から契約範囲を確認できない

顧問先ごとの業務範囲、料金、追加業務の扱いが契約書や見積書に記載されていても、相談を受ける画面から参照できなければ、その都度ファイルを開いて確認することになります。
管理画面に契約概要を表示する場合も、契約書の版や適用期間と関連付け、画面上の要約だけで契約条件を確定しない運用が必要です。

パターン4: 期限の集中と担当案件の内訳を所内で確認しにくい

職員ごとの担当顧問先数だけでは、資料待ちの案件、所内で作業中の案件、直近に期限がある案件の内訳までは分かりません。
担当件数と期限を同じ画面に表示すれば、管理者が案件の内容を確認したうえで、担当変更や応援の要否を検討できます。件数だけで実際の作業量を決めつけないことも必要です。

ダッシュボード(管理画面)構成イメージ集

シーン1

顧問先からの相談・依頼を案件単位で確認したい

顧問先からの相談・依頼をフォームで受け取り、内容を確認したうえで、担当者と対応状況を登録する画面のイメージです。電話やメールで受けた相談も、必要に応じて同じ一覧へ登録します。

  • 顧問先名、送信者名、連絡先
  • 相談区分(税務相談/資金繰り/相続・事業承継/その他 など)
  • 相談内容、希望回答日、緊急性に関する申告
  • 内容確認者、担当税理士、担当職員
  • 状態(受信/内容確認中/担当決定/顧問先回答待ち/対応完了 など)
  • 添付ファイル、所内メモ、顧問先へ公開する回答の履歴
  • 回答待ちや追加資料待ちの確認通知

フォームの送信時点では、相談内容を受信した記録として扱います。事務所側で内容を確認し、担当者や回答予定を決めた段階とは分けて表示します。顧問先が入力した希望回答日も、事務所が確約した期限とは区別が必要です。
顧問先側には、受信済み、内容確認中、回答掲載など、公開して差し支えない状態だけを表示します。所内メモや検討中の回答案は、顧問先のアカウントから閲覧できない権限に設定します。

画面イメージ:顧問先からの相談・依頼受付フォーム+チケット一覧

システム画面のイメージはPC、タブレット、スマホ横向きでご覧ください。

シーン2

年末調整・法定調書の資料受領と内容確認を分けて管理したい

年末調整や法定調書に必要な資料について、依頼、受領、内容確認、再提出依頼を顧問先・対象者・資料区分ごとに表示する画面のイメージです。

メール添付と進捗表を併用していると、資料が届いたことは分かっても、担当者が内容まで確認したか、差し替え後のファイルがどれかを進捗表だけでは判断できない場合があります。
ポータルでは、受領日時と確認結果を別々に記録し、再提出を依頼した場合は対象ファイル、理由、依頼日、再提出分を関連付けます。

  • 顧問先ごとの年末調整対象人数・対象従業員リスト
  • 源泉徴収票・保険料控除証明書などの受領状況と受領日時
  • 未受領一覧(顧問先・対象者・資料区分での絞り込み)
  • 顧問先側の入力フォームと、変更された項目の履歴
  • 所内の内容確認、再提出依頼、確認済みの記録
  • 案内の送信履歴(送信先・対象資料・送信日時)
  • 状態(依頼前/未受領/受領済み/内容確認中/再提出依頼中/確認済み)

一覧では、未受領と受領後の確認待ちを別の色や状態で表示します。案内メールの送信履歴は残せますが、メールが相手に到達したことや内容を確認したことまで示すものではありません。必要に応じて到達エラーやポータルへのログイン状況も確認対象にします。
顧問先側には、未受領の資料と再提出を依頼している資料を表示します。所内で確認中の内容や内部コメントをどこまで公開するかは、事前に決めておきます。

画面イメージ:年末調整・法定調書ポータル(顧問先別の資料提出状況一覧)

システム画面のイメージはPC、タブレット、スマホ横向きでご覧ください。

シーン3

月次試算表やレポートの公開版と閲覧記録を管理したい

月次試算表やレポートを顧問先ごとのポータルへ登録し、公開した版、公開日時、閲覧記録を管理する画面のイメージです。

メール添付では、差し替え後も古いファイルが相手の受信箱に残り、どの版を参照しているか確認しにくいことがあります。ポータルでは、公開中の版と過去版を区別し、差し替え日時や公開を終了した理由も記録できます。
閲覧日時は、アカウントが画面を開いた記録です。資料の内容を理解したこと、数値を了承したこと、社内で共有したことまで証明するものではありません。

  • 顧問先ごとのファイルボックス(試算表PDF・グラフ・コメント付きレポート)
  • 対象月、版番号、公開日時、公開終了日時
  • 閲覧・ダウンロード履歴と、未閲覧アカウントの一覧
  • 資料に関する質問欄と、顧問先へ公開する補足説明
  • 表示元と更新日時を確認できる簡易ダッシュボード

ポータルを利用する場合も、顧問先と利用者ごとの権限、二要素認証、操作履歴、公開期限、退職者アカウントの停止方法を検討します。ファイルの登録先を誤れば別の顧問先へ公開されるため、公開前の確認者を設ける方法もあります。
所内では、公開前、公開中、差し替え待ち、公開終了を区別します。未閲覧の表示は、連絡が必要な顧問先を検討するための情報として利用します。

画面イメージ:顧問先ごとの月次レポート共有ダッシュボード

システム画面のイメージはPC、タブレット、スマホ横向きでご覧ください。

シーン4

法定期限と所内の作業期限を一覧で確認したい

税目ごとの申告・納付期限と、資料受領や所内確認の期限を、顧問先・対象期・担当者ごとに表示するカレンダーのイメージです。

  • 顧問先、対象税目、対象期、申告区分、申告・納付期限(期限マスタまたは計算結果)
  • 法定期限と、資料受領・所内確認などの内部期限
  • 業務状態(資料待ち/作成中/所内確認中/電子申告確認済み/納付確認済み など)
  • 期限の確認日、更新者、残日数、期限超過の表示

自動計算した期限も、顧問先ごとの事情、延長、休日の扱い、個別の届出などを踏まえ、担当者が確認して確定する運用にします。制度変更や期限マスタの更新を誰が行うかも決めておきます。
「電子申告済み」「納付確認済み」は、画面上の作業完了ボタンだけで更新せず、電子申告システムの受信通知や納付に関する確認資料など、事務所で定めた根拠を確認して記録します。

画面イメージ:税務申告・納付期限カレンダー(税目別・顧問先別の進捗一覧)

システム画面のイメージはPC、タブレット、スマホ横向きでご覧ください。

シーン5

顧問先ごとの契約概要と対応履歴を参照したい

顧問先から相談を受けた際に、契約書や見積書に基づく業務範囲の概要と、過去の対応履歴を同じ画面から参照するイメージです。

  • 月次顧問、決算申告、給与計算、年末調整などの契約業務
  • 契約書・見積書の版、適用開始日、更新日、参照先
  • 料金、請求サイクル、追加業務の確認方法、契約内容の確認責任者
  • 相談、追加依頼、納品物などの主要な対応履歴

管理画面の契約概要は、担当者が参照するための情報です。正式な契約条件は、関連付けた契約書や合意文書で確認します。契約変更時に、画面の概要、請求情報、顧問先への案内を誰が更新するかも決めておきます。
対応履歴には、相談を受けた記録、事務所の回答、追加業務として合意した記録を分けて残します。単に相談履歴があるだけで、追加業務の受任や料金合意が成立したとは扱いません。

画面イメージ:顧問先別の業務メニュー・料金・対応履歴ビュー

システム画面のイメージはPC、タブレット、スマホ横向きでご覧ください。

シーン6

職員ごとの担当案件と直近の期限を確認したい

システムに登録された案件を職員ごとに集計し、未完了件数、現在の状態、直近の期限を表示するダッシュボードのイメージです。

  • 職員ごとの担当顧問先数、進行中案件数、回答待ち件数
  • 今週・来週に所内期限または法定期限がある案件
  • 業務区分、期限の集中、登録済みの予定工数
  • 直近の完了件数、期限変更、担当変更の履歴

件数が同じでも、案件の難易度、顧問先からの回答待ち、担当者の経験によって必要な時間は変わります。ダッシュボードは、登録済みの案件と期限を基に管理者が状況を確認するための資料とし、表示された件数だけで実際の負荷や人事評価を決めない運用にします。

画面イメージ:職員別タスク進捗・負荷ダッシュボード

システム画面のイメージはPC、タブレット、スマホ横向きでご覧ください。

Webシステムで対応状況を確認しやすくする考え方

  1. 1. 顧問先向けの画面と所内向けの画面を分けて考える

    顧問先が利用する相談フォーム、資料提出、レポート閲覧と、職員が利用する内容確認、内部メモ、担当者変更では、表示項目と操作権限が異なります。同じ案件でも、顧問先へ公開する状態と所内の作業状態を分けて設計します。
    顧問先の利用者ごとの権限、所内の役職・担当者ごとの権限、退職・契約終了時の停止方法も必要です。会計・税務ソフトと同じ情報を持つ場合は、正式な記録の置き場所と更新方法を決めます。

  2. 2. 年末調整・法定調書の資料回収状況を案件ごとに確認する

    資料ごとに、依頼前、未受領、受領済み、内容確認中、再提出依頼中、確認済みを記録します。顧問先がファイルを登録した時点では「受領済み」とし、内容を確認した職員、確認日時、確認結果を別に残します。
    再提出を依頼する場合は、対象ファイル、確認箇所、依頼日、回答期限、再提出されたファイルを関連付けます。差し替え前のファイルを残すか、いつ削除するかも保存方針に含めます。

  3. 3. 顧問先からの相談・依頼を案件単位で記録する

    フォーム、メール、電話で受けた相談を、顧問先、受付経路、相談内容、担当者、受付日、事務所側の回答予定などとともに案件単位で登録します。従来の連絡手段を残す場合は、どのやり取りを案件履歴へ転記するかを決めます。
    「受信」「内容確認中」「担当決定」「顧問先回答待ち」「対応完了」などの状態を設けます。フォーム送信と事務所による正式な受付、顧問先の希望日と事務所が回答した予定日は、別の項目として扱います。

  4. 4. 月次試算表やレポートの共有状況を記録する

    月次試算表、決算資料、各種レポートを顧問先ごとのファイルボックスに登録し、版、公開日、公開終了日、閲覧日時を確認できるようにします。公開前の確認者を設けるか、差し替え前の版を顧問先から閲覧できなくするかも決めます。
    閲覧記録は、アカウントが資料を開いたことを示す記録であり、内容の理解や了承を示すものではありません。質問への回答や顧問先の確認が必要な場合は、コメント、確認ボタン、別の連絡記録など、目的に合う方法を選びます。

  5. 5. 申告・納付期限を、顧問先や担当者ごとに確認する

    顧問先、税目、対象期、申告期限、納付期限、所内期限、担当者、対応状況を一覧に表示します。期限マスタや計算式から表示した日付は、担当者が顧問先ごとの条件を確認し、確認日と更新者を記録します。
    期限変更や制度改正があった場合の更新責任者、電子申告・納付の完了を確認する根拠も定めます。カレンダーの通知は確認の補助であり、正式な期限管理を通知の送信だけに任せない運用が必要です。

  6. 6. 職員ごとの担当件数と未完了案件を確認する

    顧問先、対象期、税目、業務区分、現在の状態を基に、担当中の案件数と直近の期限を表示します。顧問先からの回答待ちと、所内で作業中の案件を分ければ、担当者自身では進められない案件も確認できます。
    件数や予定工数は、登録された情報の範囲で集計される参考値です。管理者は案件の内容や担当者の状況も確認し、担当変更や応援の要否を判断します。

拡張オプション:生成AIによる文案・要点候補の作成

生成AIアシストは、案件に登録された事実と事務所で承認した文例を基に、案内文、再提出依頼文、要点メモの候補を作る機能です。
税務上の判断、資料の内容確認、期限の確定、顧問先への回答を生成AIに委ねるものではありません。利用するデータの範囲、外部サービスへの送信有無、保存期間、操作履歴、出力を確認する担当者を導入前に決めます。

※ 出力には誤りや重要事項の欠落が含まれる可能性があります。候補を自動送信せず、担当者が元の記録と照合してから採用・修正・送信する使い方を前提とします。

提出案内:対象候補と送信前の文案

  • 登録された提出期限、受領状況、前回の案内日時から、連絡対象の候補を表示。
  • 事務所で承認した文例を基に、対象資料と期限を差し込んだ案内文を提示。
  • 対象者、資料名、期限、送信先を担当者が確認し、送信の要否を判断。

確認事項:送信候補の条件、除外する顧問先、承認者、送信履歴。

再提出依頼:確認結果に基づく文案

  • 担当者が選択した確認結果と対象ファイルから、再提出依頼文の候補を提示。
  • 不足資料、確認できない箇所、撮り直しが必要な範囲を具体的に記載。
  • 担当者が再提出期限と公開範囲を確認してから顧問先へ表示。

確認事項:生成AIは資料の適否を確定せず、職員の確認結果から文案を作成。

要点メモ:履歴の要約候補と参照元

  • チケット、コメント、提出履歴から要約候補を作り、参照した記録を表示。
  • 回答待ちや未確認と推定した項目は、元の記録とともに担当者へ提示。
  • 担当者が内容を確認し、確定した要点メモとAIの候補を区別して保存。

確認事項:要約で省略された内容を元の履歴から確認できること。

案内補助:登録条件に応じたチェックリスト候補

  • 事務所が設定した顧問先区分や対象業務から、提出物リストの候補を提示。
  • 登録済みの案内から、画像の撮影方法や必要なページに関する文案を選択。
  • 担当者が契約範囲と対象年度を確認し、不要な項目を除いて公開。

確認事項:制度・顧問先条件から必要資料を自動判定する機能とは分けて設計。

画面への組み込みイメージ(例)

  1. 案件詳細または再提出依頼画面から、用途を選んで文案作成を実行
  2. 候補と参照した記録を表示し、担当者が元の内容と照合
  3. 採用・修正した内容だけを本文へ反映し、担当者が確認して送信

画面イメージ:案件詳細(修正依頼・コメント)+生成AIアシスト

初期導入の対象を決める

初期導入では、現在確認に時間がかかっている業務と、顧問先に新しい操作を依頼できる範囲を確認します。
例えば、次の3案は対象者、必要な権限、既存システムとの関係が異なるため、同時に導入するとは限りません。

  • 相談受付から始める案:顧問先フォーム、所内の案件一覧、担当者、顧問先へ公開する回答を対象にします。
  • 資料回収から始める案:対象業務を年末調整などに限定し、依頼、受領、内容確認、再提出依頼までを対象にします。
  • 月次レポート共有から始める案:対象となる顧問先を決め、ファイルの公開、差し替え、閲覧権限、公開終了を対象にします。

どの案でも、利用者、閲覧権限、状態の変更者、通知条件、保存期間、問い合わせ窓口は初期設計に含めます。顧問先向けの画面を後から追加する場合も、所内専用の情報が公開されないようデータの区分を先に決めます。
期限カレンダーや職員別ダッシュボードは、元になる案件情報が継続して更新されることを確認してから追加する方法があります。

ご相談いただくときのポイント

現在の運用をすべて確定していただく必要はありません。次の項目のうち、分かる範囲を伺うと、初期画面と確認が必要な条件を検討できます。

  • 対象にしたい業務と利用者(相談受付、年末調整、月次共有、所内の期限確認など)
  • 現在の進捗表、提出依頼文、チェックリスト、再提出依頼文のサンプル
  • 顧問先へ公開する情報、所内だけで扱う情報、利用者ごとの閲覧範囲
  • 会計・税務申告・ファイル共有など既存システムと、正式な記録を保存する場所
  • 本人確認、認証方法、操作履歴、保存期間、削除、バックアップに関する方針

伺った内容を基に、Webシステムで扱う範囲と既存システムに残す範囲を確認し、画面案・項目案・概算費用を検討します。未確定の条件は、設計時に決める事項として分けて提示します。
士業全体としての活用イメージは、 士業向けWebシステム活用アイデア にまとめていますので、あわせてご覧ください。

導入までの流れ(例)

  1. 対象業務、顧問先との連絡方法、現在の進捗表、利用中の会計・税務・共有サービスを確認します。

  2. 初期導入の対象、利用者、既存システムとの分担を決め、画面構成、入力項目、状態の変更条件をご提案します。

  3. 権限、通知、公開前確認、保存期間、削除方法、エラー時の連絡方法を確認し、仕様を確定します。

  4. テスト環境で、顧問先側と所内側の権限、状態変更、通知、ファイルの公開・差し替えを確認していただきます。

  5. 確認結果を反映して公開し、所内担当者と顧問先への案内方法、運用開始後の問い合わせ先を共有します。

業務別(部門別)/シーン別の画面構成例

士業の業務や利用場面ごとに、画面構成と導入時の確認事項を紹介しています。

税理士事務所・税理士法人でのWebシステム制作について相談したい方へ

「顧問先ポータルで扱う範囲を決めたい」「年末調整の資料受領と内容確認を分けて管理したい」「既存の会計・税務ソフトを残した構成を検討したい」といった段階からご相談いただけます。

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