電子帳簿保存法に沿った証憑管理|領収書・請求書の回収・検索・訂正履歴の設計

証憑が増えるほど、税理士事務所の作業は「仕訳」より先に「探す」に持っていかれます。
顧問先ごとに提出方法が違うままだと、回収口が散る分類が揺れる差し戻しが埋もれるが起きがちです。
電子帳簿保存法の“考え方”に沿って、証憑を集める・見つける・直すを崩れにくくする設計を整理します。

このページの要点
・提出ルート(メール・チャット・紙)を“統一”してから整える
・分類は「月×区分×取引先」など、迷いにくい軸に寄せる
・検索性(後で見つかる)と、訂正・削除履歴(後で説明できる)を両立する
・差し戻し理由をテンプレ化して、戻りを速くする

1. 提出方法がバラバラだと、検索の前に破綻する

証憑管理で最初にやるべきは、保管ルールより「入口」を揃えることです。
入口が散ると、どんなに良い分類を作っても、提出が迷子になって回りません。

入口の現実的な落とし所
「提出口を1つにする」だけで一段変わります。最初から全顧問先を一律にせず、移行できる顧問先から段階的に揃える方が続きます。

2. 分類の基本は「迷わない軸」を先に決める

分類を細かくしすぎると、入力が止まります。まずは、誰が見ても同じ判断になりやすい軸から始めます。

「現場が入力できる粒度」で止めておく方が、結果的に精度が上がります。

3. “検索できる”状態を作るための項目設計

証憑は、後からの問い合わせ(税務調査対応や顧問先からの質問)で探すことが多いです。
そのため、ファイル名任せにせず、最低限の検索キーを持たせた方が強いです。

4. 訂正・削除の扱いは「上書きしない」が基本

証憑管理は、後からの説明が必要になることがあります。上書きすると、なぜ変わったかが追えません。

細かい要件はケースで変わるため、ここでは一般的な設計観点としてまとめています。実装時は顧問先の運用実態と合わせて決めるのが安全です。

5. 事務所側は「顧問先別」より「未処理別」が効く

証憑は溜まると処理が止まります。事務所側の一覧は、顧問先別よりも「未確認」「差し戻し中」「承認待ち」を先に見せる方が現場は動きます。

まとめ

証憑管理は、ルールを増やすより「入口を揃える」「迷わない分類」「検索キー」「履歴」の4点を揃える方が先です。
税理士業務のDXを進めるときは、証憑の回収と差し戻しが整うだけでも、日々の消耗がはっきり減ります。

本記事は、Webシステム開発・スマホ自動変換「movo」・業務システム構築・フォームUX改善・EC支援を提供する 株式会社インテンスが、実際の開発プロジェクトで蓄積した知見をもとにまとめています。 株式会社インテンス(公式サイト)