インボイス対応の請求書回収・不備差し戻し設計|適格要件チェックを運用に乗せる
インボイス対応で増えた作業は、単に「チェック項目が増えた」だけではありません。
実際に重いのは、不備が見つかったときに、誰に何をどう戻すかの運用です。
差し戻しがメールや口頭だと、経緯が残らず、同じ不備が繰り返されがちです。ここを業務として回る形に整えます。
このページの要点
・適格要件チェックは「やり方」より「差し戻し導線」が肝
・差し戻し理由はテンプレ化して、顧問先の修正を早くする
・請求書と証憑を“取引単位”で紐づけると後で探しやすい
・不備を放置しないために、状態(ステータス)で追う
1. “チェック”を現場作業にするための前提
適格要件の知識は重要ですが、運用上のポイントは「チェックが終わること」ではなく「不備が減っていくこと」です。
そのため、個別に指摘するより、戻し方を標準化した方が早く改善します。
- 不備は“その場で”戻せる導線がある(ボタン+理由)
- 顧問先側が直すべき内容が、短く分かる
- 同じ不備が続いたら、原因を見える化できる(集計)
2. 差し戻し理由テンプレ(例)
差し戻しは文章が長いほど通りません。理由を選択式に寄せ、必要なら一言だけ補足できる形が現実的です。
- 記載不足:登録番号/取引年月日/税率区分 など
- 形式違い:合算の仕方/明細の粒度/別紙の有無
- 証憑不足:添付がない/読み取り不能/対象外
- 内容確認:取引先名の揺れ/金額差異/軽減税率の扱い
“指摘の言葉”を統一する
事務所内で言い回しが違うと、顧問先は毎回読み直しになります。短いテンプレを統一して、説明は必要なときだけに寄せる方が疲れません。
3. 請求書を「取引単位」で束ねる発想
顧問先からの提出は「ファイル単位」ですが、後で探すのは「取引」です。
そこで、請求書・領収書・納品書などを、取引(案件)として束ねられると整理が効きます。
- 取引先
- 対象期間
- 税率区分
- 金額
- 紐づく添付(請求書・領収書・補足資料)
4. 不備を放置しないための「状態」設計
差し戻しが起きた瞬間に重要なのは、誰の作業待ちかを明確にすることです。
状態(ステータス)で分けると、放置の発生率が下がります。
- 受付(提出済)
- 確認中(事務所側)
- 差し戻し中(顧問先側の対応待ち)
- 確認済(処理OK)
状態が揃うと、顧問先別ではなく「差し戻し中一覧」などで実務が回しやすくなります。
5. “不備の多いパターン”を蓄積して減らす
同じ不備が繰り返されるなら、顧問先の理解不足というより「提出の仕組み」が悪いことが多いです。
差し戻し理由をテンプレ化しておくと、集計ができて改善につながります。
- 不備理由の上位(TOP5)
- 顧問先別の傾向
- 月次で増えている不備
まとめ
インボイス対応は、チェック項目の話だけでは回りません。差し戻し理由の統一、状態での追跡、取引単位での束ね方。
この3点が揃うと、顧問先の提出が少しずつ整っていき、事務所側の手戻りが減ります。
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