「見積依頼フォームから送られてくる内容だけでは、結局ヒアリングがやり直しになる」 「技術部門への引き継ぎに必要な情報が足りず、案件化まで時間がかかる」 こうした悩みは、BtoB の見積依頼フォームでよく聞かれます。
本記事では、見積依頼フォームを 営業・技術・管理部門をつなぐ入り口 として捉え、 入力項目の設計、ユーザーの UX、社内フローとの連携という 3 つの観点から整理します。
設計に入る前に、「フォーム送信後に何が起こるのか」を明確にしておくことが重要です。
例えば、「概算金額を返信する」ことがゴールなら、金額を決めるために最低限必要な仕様 は必須項目にする必要があります。 一方、「まず打ち合わせ設定がゴール」の場合は、仕様よりも 検討背景や導入時期 のほうが重要な情報になります。
見積依頼フォームでよく使われる項目を、大きく 3 ブロックに分けて整理します。
ここは資料請求フォームと似ていますが、見積依頼の場合は 電話番号の重要度が高くなる 傾向があります。 ただし、「電話は避けたい」というユーザーもいるため、「連絡希望の方法」を選択させる項目を加えるのも有効です。
このブロックが、見積依頼フォームの品質を大きく左右します。
全てを自由記述にすると情報の粒度がバラバラになり、社内での集計や分析が難しくなります。 「よくあるパターン」はチェックボックスで選べるようにしつつ、補足用のフリーテキスト欄 を用意する構成が扱いやすくなります。
添付を必須にする必要はありませんが、「あると話が早いもの」 を項目として並べておくと、 ユーザー側も「何を用意すればよいか」をイメージしやすくなります。
見積依頼フォームは、資料請求フォームよりも項目が多くなりがちです。 そのため、1 画面に詰め込むか、2〜3 ステップに分けるか を検討する必要があります。
最初のステップを短くしておくことで、「一度ここまで入力したから、最後までやろう」という心理的な後押しを作れます。 また、ステップごとに 「何を聞いているのか」 を一行で説明する文言を入れると、途中離脱を防ぎやすくなります。
見積依頼フォームは、送信された後に社内でどのように処理されるかまで含めて設計する必要があります。
これらの振り分け条件を、フォームの入力項目と連動させる ことが重要です。 「振り分けに必要な情報」がフォームで取れていないと、結局手作業で振り分けることになってしまいます。
見積依頼フォームからのデータを、社内の見積管理システムや SFA/CRM に取り込む場合、次のような情報が橋渡し役になります。
これらを一貫して扱えるようにしておくと、「どのチャネル経由の見積依頼が案件化しやすいか」といった分析も可能になります。
実際に見積依頼フォームを改善する際は、次のような観点で現状をチェックしてみてください。
たとえばシステム開発やコンサルティング案件では、見積依頼フォームで聞いた内容をそのまま要件定義のインプットにしていくケースもあります。 インテンスでは、こうした BtoB 向け見積フォームを、既存サイトや業種特化の Web システムとセットで設計することも多く、 コンサル向けシステム開発例 や 建設・工務店向けシステム開発例 では、 問い合わせ〜見積〜案件管理までをつなぐ構成イメージを紹介しています。フォーム単体ではなく、 自社の営業フロー全体を見直すきっかけとして参考にしてみてください。