フォーム改善というと「項目数を減らす」「ステップを分割する」などが注目されがちですが、 実務で効いてくるのはエラーメッセージの設計です。 同じバリデーションでも、文言や表示位置が悪いだけで、ユーザーは簡単に離脱してしまいます。
このページでは、問い合わせフォーム・資料請求フォーム・予約フォームなどで共通して使える、 エラーメッセージ設計の実務ポイントを、「文言」「表示位置」「タイミング」「運用」の4つの観点から整理します。
まずは、実際の現場でよく見かける「よくない例」から押さえておきます。
共通しているのは、「ユーザー視点での“次の一歩”が分からない」 という点です。 BtoB サイトでも、こうした小さなストレスの積み重ねが離脱につながります。
抽象的な文言:
具体的な文言:
ポイントは、「何が問題か」だけでなく「どう直せばよいか」 を短く添えることです。 文言をテンプレート化しておき、フォームごとに使い回せるようにしておくと運用負荷も減ります。
BtoB サイトでは、くだけすぎた表現は避けつつも、ユーザーを責めないトーンが求められます。
敬語を強くしすぎると文が長くなりがちなので、「です・ます」を基調にしつつ、 1 行で読める分量に収めるのがバランスの良いところです。
エラーメッセージの表示位置は、以下の3層を組み合わせて考えます。
スマホでは特に、フィールド直下のエラー表示 が効きます。 入力中の欄とメッセージの距離が離れるほど、ユーザーは修正箇所を見失いやすくなります。
最近は、入力中にリアルタイムでエラーを表示するパターンも増えていますが、 すべての項目でリアルタイムにする必要はありません。
リアルタイムバリデーションをやりすぎると、「まだ入力途中なのにエラーで怒られている」印象を与えることもあります。 「入力途中での補助」と「送信時の最終チェック」 を役割分担させると、ちょうどよいバランスになります。
スマホでは、ソフトキーボードの表示で画面が狭くなるため、 「エラーが出ているのに見えていない」という状況が起きやすくなります。
こうした工夫をすることで、エラー発生後の“迷子状態”を避けられます。
最後に、既存フォームを見直す際に使えるチェックリストをまとめます。
問い合わせ件数が多い業種(医療機関・学校・ホテル・葬祭・BtoB製造など)では、 エラーメッセージの改善だけで、コールセンターや代表電話への「フォームから送れない」という問い合わせが目に見えて減ることがあります。 たとえば 医療向けシステム開発例 や 学校向けシステム開発例 では、 フォーム入力〜予約〜問い合わせ管理までを含めた全体設計のイメージを紹介しています。 こうした構成例を参照しつつ、エラーメッセージも「導線設計の一部」として見直してみてください。