問い合わせフォームの「お問い合わせ種別」プルダウンは、社内の誰に・どの順番で・どう振り分けるか に直結する重要な項目です。 しかし現場では、「部署名ベースで作った結果、ユーザーには分かりにくい」「目的と種別が混在していて選びづらい」といった問題がよく起こります。
ここでは、問い合わせ種別プルダウンを設計する際に使える、部署別・目的別・緊急度別 の切り方と、その組み合わせパターンを整理します。
まず、既存フォームを見直すときにチェックしておきたい典型的な失敗例です。
こうした状態だと、ユーザーは「とりあえず一番上」や「その他」を選びがちです。 その結果、社内の振り分けやレポート分析で種別が役に立たなくなります。
問い合わせ種別プルダウンを整理するときは、次の 2 つを分けて考えると分かりやすくなります。
「部署」軸だけで作るとユーザーから見て分かりにくくなり、 「目的」軸だけで作ると社内の振り分けと紐づけにくくなります。 実務では、ユーザーには目的ベースで見せつつ、内部的には部署と紐づける という構成が扱いやすいパターンです。
まず、ユーザーの「やりたいこと」ベースで種別を設計するパターンです。
こうした目的ベースの分類にしておくと、ユーザーは直感的に選びやすくなり、 自動返信メールやサンクスページの文面も目的に合わせて出し分けしやすくなります。
一方で、社内運用の観点では「どの部署で対応するか」を整理しておく必要があります。
フォームの実装上は、ユーザーから見える種別は目的ベース にしつつ、 内部コードとして「部署コード」や「担当グループID」を紐づけておくイメージです。
SLA(対応目標時間)を決めているサポート窓口では、緊急度も設計に組み込む必要があります。
この緊急度は、それ自体をプルダウンにする場合もあれば、 「既存契約・ご利用中サービスについて」の詳細欄の中で選択させる場合もあります。 いずれにせよ、緊急度によって誰にどの順番で通知するか を決めておくことが重要です。
実際に既存フォームをリニューアルする際の、現実的な手順をまとめます。
ここまで整理してから実装に入ることで、「種別プルダウンは作ったが、結局社内で使われない」という状態を避けられます。
士業事務所・コンサルティングファーム・医療機関など、 問い合わせ内容が専門的で多岐にわたる業種では、種別設計の出来不出来が現場負荷に直結します。
たとえば、 コンサル向けシステム開発例 では、 「無料相談」「診断レポート請求」「セミナー申込」といった種別の切り方と、案件管理へのつなぎ方をイメージできます。 また、士業事務所向けシステム開発例 では、 相談内容のジャンル(労務・契約・知財など)と担当弁護士・社労士とのマッピングが重要になります。
こうした業種別の構成例を眺めながら、自社の問い合わせ窓口で 「ユーザーは何をしたくてフォームを開いているのか」「誰にどう届くべきか」を整理していくと、 単なるラベルの並びではない、意味のある問い合わせ種別プルダウンが作りやすくなります。