弁護士・税理士・司法書士などの士業事務所様向けに、「顧問先とのやり取り・セミナー運営・契約更新のご案内・書類共有」などを、既存サイトを活かしながら整理していくためのWeb活用アイデアをまとめました。
対象:弁護士法人・税理士法人・司法書士法人/中堅以上の士業事務所/専門家ネットワーク運営
メール・紙・Excelで分散しがちな顧問先とのやり取りやセミナー運営を、「Web上の窓口」を整えることで見える化していくイメージで構成しています。既存の業務ソフトやクラウド会計・登記システムそのものには触れず、対外的な入口部分にフォーカスした内容です。
次のような状況の士業事務所様を主な対象としています。
顧問先からの相談・確認依頼がメールと電話中心の場合、「誰が・いつ・何を回答したか」の履歴が個人メールボックスやメモに散らばり、担当引き継ぎ時や不在時フォローがしづらくなります。
毎回申込フォームを作り直し、参加者リストもExcelで管理していると、過去の参加履歴や企業単位での参加状況が見えづらく、「どのテーマにどの企業が関心が高いか」を蓄積しづらい状況になりがちです。
顧問契約の更新時期を担当者任せにしていると、更新案内の抜け漏れやタイミングのバラつきが発生しやすくなります。料金改定時も、誰にどこまで案内済みかが一覧で把握しづらいという声をよく伺います。
既存の事務所サイトやニュースページを活かしつつ、次のような仕組みを組み合わせることで、顧問先とのやり取りやセミナー運営の「入り口部分」を整えていきます。
顧問先単位で相談内容・回答状況・関連書類のリンクなどをまとめて確認できる、事務所専用の簡易ポータルを用意します。
通常の問い合わせフォームと違い、「顧問先名」「案件分類」「緊急度」などを事前に選択してもらうことで、担当者が優先度をつけて対応しやすくなります。
顧問先側からは、過去の相談内容や回答を振り返りやすくなり、「同じ質問を何度もする」ことを減らす効果も期待できます。
顧問先ポータル内の情報は、既存の基幹システムやグループウェアと直接連携しない“外側のレイヤー”として構築することも可能です。
税制改正セミナーや労務トラブル対策講座など、定期的に開催するセミナーの申込窓口を共通化し、テーマ別の資料ダウンロードページとセットで運用します。
申込時に「顧問先/非顧問先」「職種」「関心テーマ」などを選択してもらうことで、後日のフォローや営業アプローチの材料として活用しやすくなります。
開催後は、同じページでアーカイブ資料や動画リンクを案内することで、「どこから資料を取ればいいか」を顧問先にとって分かりやすく整理できます。
顧問先別の参加履歴を簡易的に確認できるようにしておくと、「どの企業にどのテーマを追加提案すべきか」の判断材料にもなります。
顧問契約の更新や料金改定の際に、案内メールから遷移できる簡易フォームを用意し、「継続」「内容見直しの相談希望」「終了希望」などの選択肢とコメント欄を設けます。
紙の通知書だけでは見えづらい「先方の率直な意向」や「今後期待している支援内容」を、回答として受け取れる点が大きなメリットです。
回答内容は案件一覧のような画面で確認できるため、どの顧問先にいつまでにフォローすべきかを、所内で共有しやすくなります。
料金改定時も、「改定内容に同意」「個別相談希望」などの選択肢を用意しておくことで、電話やメールの行き違いを減らす狙いがあります。
相続・遺言・成年後見・会社設立・株主構成見直し・事業承継など、よくある相談テーマごとに一次ヒアリング項目を整理したフォームを用意します。
相談前に最低限押さえておきたい情報をWeb上で入力してもらうことで、初回面談を「現状整理」ではなく「具体的な提案」に時間を割きやすくなります。
テーマごとに注意事項や準備してもらいたい書類リストも併記しておくと、打ち合わせ当日の抜け漏れも減らせます。
入力内容は事務所側でCSVダウンロードし、既存の案件管理シートやソフトに転記して使う運用も可能です。
顧問先が、自社分の請求書PDF・契約書控え・合意書などを、必要なときにダウンロードできる簡易マイページを用意します。
これにより、「過去◯月分の請求書をまとめて送ってほしい」といった依頼に都度対応する負荷を減らしつつ、顧問先側の利便性も高められます。
マイページのログイン情報は、既存システムとは切り離して運用し、Web側ではあくまで「閲覧用の共有レイヤー」として位置付けることも可能です。
将来的に、ここにセミナー資料やお知らせも集約していくことで、「事務所からの案内はこのページを見れば分かる」という状態を目指せます。
顧問先ポータルと簡易一覧画面を用意することで、「この件は誰が対応中か」「次に連絡すべきタイミングはいつか」といった情報を、パートナー弁護士や共同代表、バックオフィスも共有しやすくなります。
セミナー申込と資料配布を共通のWebフローに載せることで、「どのテーマにどの企業が反応しているか」を事務所側で把握しやすくなり、その後の個別提案や顧問契約へのステップにもつなげやすくなります。
更新案内メールからオンライン回答フォームへ誘導することで、「継続」「見直し相談」「終了」の意向とコメントを一括で把握でき、誰がどの顧問先をフォローすべきかを事務所内で共有しやすくなります。
まずは顧問先との窓口やセミナー運営まわりをWebで整理し、将来的には次のような拡張も検討できます。
現在の事務所サイト・ニュースページ・セミナー運営方法・顧問先とのやり取りの流れをヒアリングし、Web側で整理したいポイントを洗い出します。
「まずはセミナー申込だけ」「顧問先マイページも一緒に」など、優先順位と導入範囲を決めたうえで、画面構成案・フォーム項目案をこちらで整理します。
構成案をご確認いただき、用語・項目名・注意書きなど、事務所の方針やリスク管理の観点も踏まえて文言をすり合わせます。
ご承認いただいた内容をもとに、画面デザインとシステム部分を実装し、テスト環境で操作感やメール通知内容をご確認いただきます。
本番反映後、所内向けの簡易マニュアル(どの場面でどのページ・フォームを使うか)をご用意し、運用開始となります。
「顧問先とのやり取りやセミナー運営を、Webでもう少し整理したい」といった段階でも構いません。既存サイトの状況にあわせて、段階的な進め方をご提案いたします。