申込データを事前集計しやすい項目設計のコツ

申込フォームは「問い合わせ窓口」であると同時に、集計・分析の入口でもあります。 ところが、設計段階で集計視点が抜けていると、エクセルに落としてから「結局、手作業で分類しないと集計できない」という事態になりがちです。

このページでは、申込データを事前集計しやすくするために、フォーム項目をどう設計しておくべきかを整理します。

この記事で分かること
・「集計しやすい値」と「集計しにくい値」の違い
・選択肢・コード・区分の設計ポイント
・業種別(製造・物流・学校・ホテルなど)でありがちな失敗例

1. 集計を意識するなら「自由記述」より「選択肢」

最も典型的な失敗は、本来は区分で管理したい情報を、すべて自由記述のテキストで受けてしまうパターンです。

もちろん、自由記述を完全になくす必要はありませんが、「後から集計軸として使いたい情報」は、必ず選択肢またはコードで持つのが基本です。 例えば製造業なら、製造業向けWebシステム活用アイデア で扱うような「用途カテゴリ」「製品シリーズ」などを、あらかじめ選択肢として定義しておくと、導入後の分析が格段に楽になります。

2. 「見たいレポート」から逆算して項目を決める

項目設計は、次のような問いから逆算して考えると整理しやすくなります。

ここから、集計に使う軸(例:拠点/チャネル/申込種別/業種/利用予定時期など)を洗い出し、 それぞれに対応するフォーム項目を選択肢形式で用意していきます。

3. コード値と表示ラベルを分けておく

システム側では、「画面に表示するラベル」と「内部的に持つコード値」を分ける設計にしておくと、後からの変更に強くなります。

ラベルの文言を変えても、コード値が変わらなければ、過去データとの比較が崩れません。 物流業向けの申込システムなどでは、物流向けシステム開発例 のように、 地域・倉庫・車両種別など、コード設計が多層になるケースもあるため、特にこの分離が重要です。

4. 「その他(自由記述)」の扱い方

選択肢だけではカバーしきれないケースもあるため、「その他(自由記述)」を用意すること自体は悪くありません。 ただし、次のようなルールを持っておくと、運用が楽になります。

こうした運用を前提に設計しておくと、「その他」が無法地帯にならずに済みます。

まとめ

申込データを事前集計しやすくするポイントは、「後から見たいレポート像」から逆算して項目と選択肢を設計することです。 自由記述で受ける情報と、選択肢・コードで管理する情報を意識的に分け、業種ごとの集計ニーズも踏まえて設計しておくと、 導入後のレポート作成や改善提案のスピードが大きく変わってきます。

本記事は、Webシステム開発・スマホ自動変換「movo」・業務システム構築・フォームUX改善・EC支援を提供する 株式会社インテンスが、実際の開発プロジェクトで蓄積した知見をもとにまとめています。 株式会社インテンス(公式サイト)