問い合わせフォームの即時バリデーション設計

「送信ボタンを押してから、画面の上の方に赤字でエラーが出て、どこが悪いか分からない」 ――そんなフォームは、いまのユーザーにはなかなか受け入れられません。

そこで役に立つのが、入力中にエラーやヒントを表示する即時バリデーションです。 ただし、やり方を間違えると「うるさいフォーム」になってしまうため、設計のバランスが重要になります。

この記事で整理するポイント
・即時バリデーションが有効な項目/不要な項目
・エラーを出すタイミングの考え方
・文言と表示場所の工夫

1. 即時バリデーションが効果的な項目

すべての項目をリアルタイムにチェックする必要はありません。 特に即時バリデーションの効果が出やすいのは、次のような項目です。

医療機関やクリニックの予約フォームなどでは、歯科・皮膚科・美容クリニック向けWebシステム活用アイデア で扱うような、 「生年月日」「保険証の有無」などもチェック対象になりますが、ここは入力ストレスとのバランスを見ながら設計する必要があります。

2. 「入力中」と「入力後」で挙動を分ける

即時バリデーションでよくある失敗は、入力の最初の1文字目から、いきなりエラーを出してしまうことです。

このように、「入力中」と「入力後」で挙動を分けると、ユーザーのストレスを抑えつつ、誤入力も防ぎやすくなります。

3. エラー文言は短く・具体的に

即時バリデーションでは、メッセージの表示回数が増える分、文言の質も重要になります。

特にスマホでは、一度に表示できる文字数が限られるため、短く・具体的にを意識したほうが読みやすくなります。 インテンスでは、実案件でも「サンプル形式を一緒に表示する」だけで問い合わせ件数が増えたケースが複数あります。

4. エラー表示の場所と視線の動線

即時バリデーションを導入しても、表示場所が悪いと意味がありません。

スマホ前提のフォームでは、医療向けシステム開発例 にあるような、 「1画面あたりの項目数を絞る設計」と組み合わせることで、エラー箇所を見失いにくくなります。

まとめ

問い合わせフォームの即時バリデーションは、「どこまでリアルタイムにするか」「どのタイミングで知らせるか」の設計が肝になります。 すべてを厳密にチェックするのではなく、ミスが起きやすい項目に絞って、入力後のフォーカスアウト時に分かりやすいメッセージを返す―― こうしたバランスを取ることで、完了率を落とさずに入力ミスだけを減らすことができます。

本記事は、Webシステム開発・スマホ自動変換「movo」・業務システム構築・フォームUX改善・EC支援を提供する 株式会社インテンスが、実際の開発プロジェクトで蓄積した知見をもとにまとめています。 株式会社インテンス(公式サイト)