「送信ボタンを押してから、画面の上の方に赤字でエラーが出て、どこが悪いか分からない」 ――そんなフォームは、いまのユーザーにはなかなか受け入れられません。
そこで役に立つのが、入力中にエラーやヒントを表示する即時バリデーションです。 ただし、やり方を間違えると「うるさいフォーム」になってしまうため、設計のバランスが重要になります。
すべての項目をリアルタイムにチェックする必要はありません。 特に即時バリデーションの効果が出やすいのは、次のような項目です。
医療機関やクリニックの予約フォームなどでは、歯科・皮膚科・美容クリニック向けWebシステム活用アイデア で扱うような、 「生年月日」「保険証の有無」などもチェック対象になりますが、ここは入力ストレスとのバランスを見ながら設計する必要があります。
即時バリデーションでよくある失敗は、入力の最初の1文字目から、いきなりエラーを出してしまうことです。
このように、「入力中」と「入力後」で挙動を分けると、ユーザーのストレスを抑えつつ、誤入力も防ぎやすくなります。
即時バリデーションでは、メッセージの表示回数が増える分、文言の質も重要になります。
特にスマホでは、一度に表示できる文字数が限られるため、短く・具体的にを意識したほうが読みやすくなります。 インテンスでは、実案件でも「サンプル形式を一緒に表示する」だけで問い合わせ件数が増えたケースが複数あります。
即時バリデーションを導入しても、表示場所が悪いと意味がありません。
スマホ前提のフォームでは、医療向けシステム開発例 にあるような、 「1画面あたりの項目数を絞る設計」と組み合わせることで、エラー箇所を見失いにくくなります。
問い合わせフォームの即時バリデーションは、「どこまでリアルタイムにするか」「どのタイミングで知らせるか」の設計が肝になります。 すべてを厳密にチェックするのではなく、ミスが起きやすい項目に絞って、入力後のフォーカスアウト時に分かりやすいメッセージを返す―― こうしたバランスを取ることで、完了率を落とさずに入力ミスだけを減らすことができます。