技術資料・カタログ・マニュアル・事例集などをPDFで提供している企業は多くあります。 一方で、「どこまでをWebページ側に書き、どこから先をPDFに任せるか」が曖昧なままだと、更新のたびに混乱が起きがちです。
まずは、両者の性質をざっくり整理しておきます。
この性質を踏まえると、「詳細な表・図を多用する部分はPDF」「検索・比較・導線が重要な部分はWeb」という切り分けが見えてきます。
製造業やBtoB商材では、製品カタログPDFとWebページが並存していることが多いです。 製品カタログの更新運用を効率化する管理画面の作り方 とセットで考えると、次のようなパターンが現実的です。
Webページ側では、「どんな課題を持つ人に向いている製品か」「他の製品との違いは何か」といった検討の出発点を提供し、 詳細な検証・設計に必要な情報はPDFへ委ねる構成です。
事例やホワイトペーパーの場合も、WebとPDFの役割は分けて考えられます。
Web側には「どのようなタイプの企業に、どんな効果があったか」を短くまとめ、PDFはダウンロードしてじっくり読んでもらう位置付けにします。 コンサル向けシステム開発例 のように、提案型ビジネスではこのパターンがよく機能します。
技術資料やマニュアルは、一般公開と限定公開を分ける必要が出てくるケースが多くあります。
このとき、Webページ側には「どんな内容の詳細資料がPDFに含まれているか」を箇条書きで示しておくと、ユーザーがダウンロード前にイメージしやすくなります。
PDFとWebの両方に同じ情報を書いてしまうと、「片方だけ改訂されている」「どれが最新版か分からない」といった問題が起こります。 可能な限り、次のような方針で「情報の持ち主」を決めておきます。
インテンスが関わる案件でも、まず「どのシステムがこの情報のマスタなのか」を決めるところから始めることで、長期運用時の混乱を抑えやすくなっています。
PDF資料とWebページの役割分担は、「印刷・オフラインで使われる情報」と「検索・比較・導線が重要な情報」を切り分けるところから始まります。 製品カタログ・事例・技術資料それぞれで、どこまでをWebに、どこから先をPDFに任せるかを決め、マスタ情報の置き場所を明確にしておくことで、運用負荷とユーザー体験の両方をバランス良く保つことができます。