料金改定の設計|適用日・見積保持・過去案件の整合を崩さない運用ルール

料金改定は、年に1回でも必ず起きます。
そして料金改定は「テーブルの上書き」で済ませると、過去見積が変わる、請求がズレる、説明ができない、という事故になります。
本記事では、料金改定を“運用で揉めない形”に落とし込むために、適用日・見積保持・例外承認・通知・証跡の設計を整理します。

この記事で扱う論点
・改定の基本:上書きではなく「有効期間」を持つ
・見積はどの時点の価格で固定するか(保持)
・過去案件・進行中案件・契約案件の扱い分け
・例外(特別単価・据え置き)と承認・監査ログ

1. 原則:料金は「有効期間」で管理する(上書きはしない)

料金テーブルは、値の更新ではなく「いつから有効か(適用日)」を持って管理します。
管理画面での更新運用は 料金テーブル管理 の考え方に揃え、改定前後が並存できる設計にします。

2. 見積保持:見積は「作成時点の価格」を固定するのが基本

見積は、後から価格が変わると対外説明が破綻します。基本は、見積作成時点の価格(単価・料率・条件)を見積データに保持します。
入力ステップを分ける見積フォーム(UX設計)の場合も、確定ボタンを押した時点で「固定」する設計に寄せると事故が減ります。

保持しないと起きる事故
・見積を再表示したら金額が変わった(クレーム)
・請求タイミングで参照したら新料金になった(差額説明ができない)
・改定前の案件が、いつのまにか改定後として集計される(レポートが崩れる)

3. 進行中案件の扱い:3つに分けると揉めにくい

料金改定で揉めるのは、改定日を跨ぐ案件です。次の3区分でルール化します。

この「確定」の定義は、競合と確定タイミング(確定設計)と一致させる必要があります。ここがズレると、改定の境界が曖昧になります。

4. 例外(特別単価・据え置き)は承認フローで守る

BtoBでは特別単価や据え置きが必ず出ます。ここは口約束にすると事故るので、承認フローに落とします。
承認の設計は 承認フロー の考え方で、理由・期限・適用範囲(この案件だけ/この顧客だけ/この期間だけ)を記録します。

証跡は 監査ログ と整合させ、誰がいつ承認したかが説明できる状態にします。

5. 通知と説明:改定は“知らせ方”でトラブルが減る

料金改定は、社内外に通知が必要なことがあります。通知テンプレは 通知テンプレ管理 の考え方で、次を固定すると混乱が減ります。

業種別に改定設計が効く場面(例)

物流(運賃・附帯作業・燃料サーチャージ)

改定頻度が高く、条件も複雑化しやすいです。見積フォームの条件回収は 物流見積の条件整理 と整合させ、適用日と見積保持をセットで設計すると、改定時の混乱が減ります。

卸売・商社(単価・ロット・分納)

特別単価や据え置きが混ざりやすい領域です。業務像は 卸売・商社向け を前提に、例外承認の履歴を残すと、担当交代時のトラブルが減ります。インテンスでも、この手の“例外の蓄積”は承認ログで守る方が結果的に強いです。

まとめ

料金改定は、上書きではなく有効期間で管理し、見積は作成時点の価格を保持するのが基本です。
進行中案件の扱い(新規/進行中/契約済)を区分し、例外は承認フローと監査ログで守る。通知は改定日と適用範囲を固定して迷子を作らない。
この設計があるだけで、改定のたびに発生する「いつの料金?」「なぜ変わった?」が大幅に減ります。

本記事は、Webシステム開発・スマホ自動変換「movo」・業務システム構築・フォームUX改善・EC支援を提供する 株式会社インテンスが、実際の開発プロジェクトで蓄積した知見をもとにまとめています。 株式会社インテンス(公式サイト)