製品カタログ検索の設計ガイド|カテゴリ・用途・スペック軸で探せる仕組みの作り方
製造業・商社・IT機器ベンダー・医療機器メーカーなど、多くの企業で「製品カタログ検索」は重要な役割を持ちます。本記事では、業界横断で使える検索軸の設計、絞り込みUI、PDF資料との連携、管理画面の更新性などを体系的に整理します。
この記事の対象読者
・製品点数が多く、ユーザーが目的の製品にたどり着けていないと感じている企業
・カテゴリ/用途/スペックなど複数軸の検索を設計したい担当者
・既存のPDFカタログからWebの検索に段階的に移行したい広報・営業部門
製品カタログ検索の役割
製品カタログ検索の目的は、ユーザーが「自分の用途に合う製品を素早く探せる」ようにすることです。典型的には次の3機能で構成されます。
- 1. カテゴリ検索(分類階層で絞る)
- 2. スペック検索(サイズ・容量・出力・素材・型番など)
- 3. キーワード検索(型番・用途・規格名など)
必要十分な検索軸を整理しておくと、検索ヒット率とコンバージョンが劇的に変わります。
検索軸(ファセット)の設計
1. 業界横断で共通する検索軸
- カテゴリ(大分類→中分類→小分類)
- 用途別(例:食品向け/工業向け/医療向けなど)
- スペック(寸法・重量・容量・性能など)
- 型番
- 対応規格(JIS/ISO/薬機法など)
「用途」と「スペック」という2軸を必ず確保しておくと、幅広い業界で汎用的に使えます。
2. スペック検索は“幅”で絞れるように
- 幅:100〜300mm
- 容量:10〜50L
- 重量:5kg以下
ユーザーが「条件の幅」で探せるように、数値範囲検索を用意しておくと満足度が高まります。
一覧画面の設計ポイント
1. サムネイル+短い概要で一覧性を確保
- 製品名
- 用途カテゴリ
- 主要スペック(3つまで)
- 型番
一覧には必要最低限の情報だけを載せ、詳細ページに誘導します。
2. 比較機能の有無は業界ごとに判断
比較機能は便利ですが、次の場合に限って採用すると良いです。
- 選定時に複数候補を比較する文化がある業界(IT機器・産業機器など)
- スペック表の構造が似通っている製品群
医療・食品などでは比較文化が弱く、比較機能が負担になることもあります。
詳細ページとPDF資料の役割分担
1. Webページ側に置く情報
- 用途・特徴
- 主要スペック
- 製品画像
- 問い合わせボタン
2. PDF側に残してよい情報
- 詳細スペック一覧
- 配線図・外形図
- 技術資料(高密度情報)
まずWeb側で概要を見せ、深い情報をPDFで補完する構成が最もメジャーです。
管理画面(CMS)の設計ポイント
1. カテゴリ・用途・スペックのマスタ管理
- カテゴリツリー管理
- 用途タグ管理
- スペック項目(数値・選択肢)の登録
2. CSVでの一括更新ができると運用が安定
製品数が多い場合、CMSだけでは現場が回らないため、CSV取込を用意すると便利です。
業種別の典型パターン
- 製造業:カテゴリ×用途×スペックの3軸構成
- 医療機器:用途×規格対応の2軸を重視
- IT機器:比較機能+スペック表の構造化
- 産業資材:型番検索の精度を最優先
まとめ
製品カタログ検索は、カテゴリ・用途・スペック・キーワードという複数軸のバランス設計が肝心です。ユーザーが迷わず探せるように検索UIを整え、更新運用まで考慮することで、どの業界でも長期的に使える強固な仕組みになります。
本記事は、Webシステム開発・スマホ自動変換「movo」・業務システム構築・フォームUX改善・EC支援を提供する
株式会社インテンスが、実際の開発プロジェクトで蓄積した知見をもとにまとめています。
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