第1〜第3希望を使った日程調整の効率化

見学・相談・初回打ち合わせ・カウンセリングなどの予約では、「第1〜第3希望」をフォームで取得するパターンが一般的です。 しかし、記入方法や画面設計が曖昧だと、結局メールや電話での再調整が頻発し、現場の手間が減らないままになってしまいます。

この記事で扱う内容
・第1〜第3希望欄を設ける目的の整理
・日付と時間帯の組み合わせパターン
・業種ごとの「時間枠」との組み合わせ方

1. なぜ第1〜第3希望を取るのかを言語化する

まず、日程希望を複数聞く目的を整理しておきます。

この目的が明確でないと、「とりあえず3つ入れてもらうが、実際にはほとんど使っていない」といった形骸化につながります。

2. 「日付 × 時間帯」で希望を取る基本パターン

フォーム設計としては、次のようなパターンが扱いやすく、ユーザーにも理解しやすい構成です。

パターンA:日付と時間帯を分けて入力

時間帯は「午前」「13:00〜15:00」「15:00〜17:00」など、運営側の枠に合わせて選択肢を用意します。 時間枠の設計については、時間枠設計の実務ガイド(業種別サンプル) と組み合わせて検討すると整理しやすくなります。

パターンB:日付だけ指定し、時間帯は自由記述

医療・クリニックなど、診療枠が細かく決まっている場合は、日付だけを複数指定してもらい、時間帯は自由記述として「午前中」「夕方希望」のような粒度で受ける方法もあります。 歯科・皮膚科・美容クリニック向けWebシステム活用アイデア でも、このようなパターンがよく用いられます。

3. ユーザーにとって記入しやすいガイド文を添える

第1〜第3希望の欄には、単に入力枠を並べるだけでなく、どの程度の幅で指定してよいかを明示しておくと、記入内容のバラつきが減ります。

ガイド文の例

こうした説明があるだけで、「全部ぴったり指定しないといけないのか?」という心理的ハードルを下げられます。

4. 管理側での見やすさを意識したデータ構造

日程調整が効率化されるかどうかは、管理画面の見やすさにも直結します。 システム側では、第1〜第3希望を次のような形で扱うと、一覧での確認がしやすくなります。

問い合わせ管理ダッシュボード側のカラム設計については、問い合わせ管理ダッシュボードのカラム設計テンプレート とあわせて設計すると、全体の整合性が取りやすくなります。

5. 「予約確定の基準」をルール化しておく

実運用では、「第1希望が空いていなかった場合、どこまで自動で振り替えるか」を決めておく必要があります。

このルールが曖昧だと、担当者によって対応がバラバラになり、顧客体験も揺れてしまいます。 システム化の前に、紙やスプレッドシート運用の段階で一度ルールを言語化しておくとスムーズです。

まとめ

第1〜第3希望の欄は、単に「入力枠を3つ用意する」だけでは十分に機能しません。 時間枠の設計・ガイド文・管理画面での見せ方・予約確定のルールまでセットで整理することで、初回のやり取り回数を減らし、現場の負担と顧客のストレスを同時に軽減できます。

本記事は、Webシステム開発・スマホ自動変換「movo」・業務システム構築・フォームUX改善・EC支援を提供する 株式会社インテンスが、実際の開発プロジェクトで蓄積した知見をもとにまとめています。 株式会社インテンス(公式サイト)