予約システムを作るときに必ず出てくるのが、「時間枠(タイムスロット)をどう切るか」という問題です。 30分単位か、60分単位か、開始時刻は00分だけか、30分刻みか──これらは業種や運用方針によって最適解が変わります。
業種に関わらず、時間枠設計では次の3軸を整理しておくとスムーズです。
これらは、予約カレンダーの空き状況表示パターン集 で扱うカレンダー画面の粒度とも密接に関連します。
歯科・皮膚科・美容クリニック向けWebシステム活用アイデア のような医療系では、診療内容によって必要時間が変わります。
システム上は「時間枠の基本単位(例:15分)」を決めたうえで、「初診は4コマ分」「再診は2コマ分」といった形で扱う設計もよく使われます。
介護施設や学校見学などでは、移動や説明の時間を含めて、余裕を持った枠取りが必要になります。
このようなケースでは、細かい時間指定よりも「10:00開始」「14:00開始」のように分かりやすい選択肢だけを提示し、 詳細な調整は個別連絡に回す方が運用上スムーズなことも多くあります。
ホテル宴会場や会議室では、準備・撤収時間も含めた枠設計が重要です。
ホテル向けWebシステム活用アイデア にあるような宴会場予約では、 「本番時間」だけでなく「貸出時間」をどのように管理するかが、システム設計のポイントになります。
時間枠設計は、予約カレンダーと申込フォームを連携させる方法 とセットで考える必要があります。
インテンスでは、まず「現場で運用している時間の切り方」をヒアリングし、それをそのまま時間枠マスタに落とし込むところから設計するケースが多くなっています。
時間枠設計は、業種や運用ルールによって正解が変わる領域ですが、枠の長さ・開始時刻・同時受け入れ数という3軸に分解して考えると整理しやすくなります。 医療・介護・ホテル・学校見学など、それぞれの現場ならではの制約を踏まえつつ、予約カレンダー表示や申込フォームとの連携までを一連の流れとして捉えることが、使いやすい予約システムへの近道です。