製品点数が増えてくると、検索結果の表示速度がそのままサイトの印象につながります。 ここでは、特定のデータベース製品に依存しない形で、製品カタログ検索を高速化するための考え方を整理します。
製品カタログ検索の絞り込み条件設計パターン で決めた条件を、 データベース側で効率よく扱うには、インデックス(索引)の設計が欠かせません。
絞り込み条件をむやみに増やす前に、「本当にその条件で検索するのか」「インデックスを張る価値があるか」を確認しておくことが、長期的なパフォーマンス維持につながります。
毎回同じような集計・結合を繰り返している場合は、事前に計算した結果を別テーブルとして持つ方法が有効です。
こうした派生テーブルは、卸売・商社(BtoB企業)向けWebシステム活用アイデア のような大規模な商品マスタを扱う業種で特に効果を発揮します。
キャッシュとは、「一度計算した結果を一時的に保存し、次回以降は保存済みの結果を返す」仕組みです。 製品カタログ検索での主な使いどころは次のとおりです。
一方で、在庫数や価格が頻繁に変動する場合は、キャッシュが古い情報を返してしまうリスクがあります。 「価格や在庫はキャッシュせず、製品のメタ情報だけキャッシュする」といった切り分けも検討ポイントです。
バックエンドの高速化だけでなく、フロント側にも次のような工夫ができます。
製品一覧画面のレイアウトとサムネイル表示の工夫 でも触れたように、 一覧画面の設計そのものがレスポンス体感に大きく影響します。
一度高速化の施策を行って終わり、ではなく、次のようなサイクルを回すことが理想です。
インテンスでも、まずは「どの条件のときに遅くなるのか」をログから特定し、 そこに絞ってインデックスや派生テーブルを追加していく形が多くなっています。
製品カタログ検索の高速化は、特定の技術やミドルウェアだけの話ではなく、条件設計・データ構造・キャッシュ戦略・画面設計が組み合わさった総合設計になります。 どの検索条件を重要視するのかを明確にし、その条件に合わせてインデックスや事前集計、キャッシュを配置していくことで、 「使われる検索」と「待たせないレスポンス」の両立に近づけていくことができます。