BtoB向けの製品カタログ検索では、「どんな条件で絞り込めるか」が検討のしやすさを左右します。 ただし、思いついた条件をすべて並べると、ユーザーも社内も運用に困る結果になりがちです。
製品スペック検索の項目設計テンプレート でも触れたように、製品検索の条件は次の3軸で整理すると構造化しやすくなります。
この3軸のうち、ユーザーが最初に考えるのは「どんな用途で使いたいか」であることが多く、用途を起点にカテゴリ・スペックへと絞り込んでいく流れを意識すると、自然な検索導線になります。
用途軸の条件は、業界ごとに呼び方が変わりますが、考え方は共通です。
例えば、製造業向けWebシステム活用アイデア では、「設備保全向け」「新規ライン向け」など用途別の切り口で製品をまとめることで、検討の入口を分かりやすくするパターンがよく使われます。
カテゴリ軸では、既存カタログや品番体系との整合性が重要になります。
製品カタログのカテゴリ構造テンプレート集 で整理したように、Webサイト側のカテゴリと紙カタログの構成が全く違うと、社内の運用が難しくなります。 まずは既存の分類をベースにしつつ、Webならではの横断的なカテゴリ(例:省エネ対応製品まとめ)を追加するのが現実的です。
スペック軸では、数値条件と区分条件を分けて整理します。
数値条件のUIについては、数値条件の絞り込みUI(スライダー・範囲指定)の設計 を参考に、スライダーと入力ボックスを組み合わせる形が検討しやすいです。
区分条件は、チップ型フィルターUIの設計パターン で紹介するようなチップ型フィルタとの相性が良く、モバイルでも選択しやすいUIにしやすくなります。
条件候補を列挙していくと、すぐに20〜30項目になってしまいます。 実際に画面に出す条件は、次のような基準で優先順位をつけて絞り込むのがおすすめです。
インテンスでも、初期リリース段階では「上位5〜8条件」に絞り、利用状況や問い合わせ内容を見ながら徐々に条件を増減していく設計にすることが多くなっています。
製品カタログ検索の絞り込み条件は、「用途・カテゴリ・スペック」の3軸で整理しつつ、ユーザーが最初に思い浮かべる視点から順に選べるように設計することが重要です。 条件を増やしすぎず、現場の言葉に合わせてラベル付けし、必要に応じてチップ型フィルタや数値レンジ指定などのUIと組み合わせることで、実際に使われる検索に近づけていくことができます。