アクセス解析レポートの作り方|見るべき指標・改善提案のまとめ方法

アクセス解析レポートは、数字を並べるだけでは読み手に伝わりません。閲覧数、流入数、問い合わせ数のような値が並んでいても、「先月と比べて何が変わったのか」「どのページに手を入れるべきか」「次に何を試すべきか」が見えなければ、報告書としては弱くなります。

このページでは、アクセス解析レポートを数字の報告書ではなく、改善判断の材料としてまとめる前提で、見るべき指標の選び方、並べ方、改善提案の書き方を整理します。社内向けの月次報告にも、クライアント向けの提出資料にも応用しやすい考え方に絞ってまとめます。

この記事の対象読者
・アクセス解析レポートを毎月作っているが、数字の並びで終わってしまいがちな担当者
・報告先から「で、何を直せばいいのか」が分かりにくいと言われたことがある方
・社内共有用、クライアント提出用のどちらにも使いやすいレポートの型を作っておきたい方

アクセス解析レポートは「報告」より先に「判断」を置いた方が読みやすくなります

解析レポートは、数字を正確に出すこと自体は大切ですが、それだけでは読まれにくくなります。多くの読み手が知りたいのは、次のようなことです。

つまり、レポートは「事実の一覧」ではなく、変化の要点と次の打ち手が分かる形にした方が使われやすくなります。

数字が並んでいても読みにくくなる典型パターン

1. 指標が多すぎて、何を見ればよいか分からない

利用ユーザー数、セッション数、表示回数、平均滞在、直帰率、流入元別、ページ別、CV別など、見られる数字を全部載せると、かえって重要な変化が埋もれやすくなります。

2. 前月比はあるが、意味づけがない

「セッション +18%」「CV -6%」のように差分だけ書かれていても、原因や影響が書かれていないと、読み手はそこから先を自分で考える必要があります。

3. ページ別の話とサイト全体の話が混ざっている

サイト全体の傾向と、特定LPや記事ページの改善ポイントは、同じ段で書かない方が読みやすくなります。全体の話なのか、重点ページの話なのかを分けるだけでも理解しやすさが変わります。

このテーマで差が出やすいのはここです。
アクセス解析レポートでは、指標そのものよりも、何を上段に置くか、どこでページ単位の話へ移るか、改善提案をどの粒度で書くかで読みやすさが変わります。指標一覧のテンプレートだけでは、読み手が意思決定しにくいレポートになりやすくなります。

画面イメージ:月次レポートの1ページ目と改善メモ

下の mock は、月次レポートの1ページ目に近い見せ方と、その右側に改善提案メモを置いた例です。今回はスマホ画面ではなく、レポートそのものの見た目に寄せています。

mock:アクセス解析レポート 1ページ目 + 改善提案メモ 上段で全体の変化を見せ、下段や右側で重点ページと次月アクションを整理する構成例
2026年5月 月次サマリー 対象:コーポレートサイト / 期間:2026/05/01〜2026/05/31 / 比較:前月
自然検索流入が増加 CVは横ばい LP離脱が課題
18,420 セッション数
+18% 前月比
126 CV件数
0.68% CV率
流入元の構成 セッション比率
自然検索
62%
直接流入
18%
参照元
11%
広告
9%
重点ページの確認 セッション / CV / コメント
top
service
lp-a
総括

自然検索の増加で全体流入は伸びましたが、問い合わせ数は大きくは伸びていません。特に LP-A は流入がある一方で離脱が高く、訴求順とCTA位置の見直しを優先候補として扱いたい状況です。

改善提案メモ 数字の後に何をやるかを、重さの違う施策で分けて整理する例
すぐ着手しやすいもの LP-A のCTA周辺

ファーストビュー直下の説明量が多く、ボタンまでの距離が長くなっています。上段の要点整理と、ボタン文言の見直しを先に試す候補です。

中期で見たいもの 自然検索流入の受け皿

検索流入が増えているテーマに対して、関連記事と導線先のつながりが弱い状態です。入口ページだけでなく、2ページ目以降の回遊も確認したいところです。

計測の見直し CV定義の粒度

問い合わせ完了のみを成果にしているため、資料DLや電話タップの動きが見えにくくなっています。補助指標の追加を検討してもよい段階です。

次月アクション 1

LP-A の上段構成とCTA文言を見直し、前後比較しやすい状態でテストする。

次月アクション 2

自然検索流入が多い記事から、サービスページへの導線を1か所ずつ追加する。

次月アクション 3

補助CVとして資料DL・電話タップを集計対象に含めるかを決める。

改善提案は「全部やること一覧」ではなく、優先順位と理由が見える形にした方が判断しやすくなります。

最初に決めたいのは「このレポートで何を判断してもらうか」です

アクセス解析レポートでは、読み手によって必要な情報が変わります。たとえば、経営層は全体傾向と成果を見たいことが多く、実務担当はページ単位の課題や改善候補を見たいことが多くなります。最初にここを決めておかないと、全方位に数字を並べたレポートになりやすくなります。

全体把握

まず押さえたいこと

流入は増えたのか、成果は増えたのか、悪化している箇所はどこか。1ページ目ではこの3点が読める方が理解しやすくなります。

深掘り

次に見たいこと

どの流入元が動いたのか、どのページで差が出たのか、成果に近いページがどう変化したのか。2段目以降で掘る方が流れが自然です。

打ち手

最後に必要なこと

次月に何を触るのかを、理由付きで短く示すことです。ここがないと、解析で終わって改善へ進みにくくなります。

避けたい形

数字だけの列挙

見られる指標を全部載せるほど、重要な変化が埋もれやすくなります。使う数字と捨てる数字を分ける方が実務向きです。

見るべき指標は「流入」「行動」「成果」の3段で考えると整理しやすくなります

解析レポートで載せる数字は、目的ごとに段を分けると読みやすくなります。

見たい指標の例 読み取りたいこと
流入 セッション数、流入元、検索流入比率、流入ページ そもそも人が来ているか、どこから来ているかを見ます。
行動 主要閲覧ページ、回遊先、離脱の多いページ、滞在傾向 入ってきた後にどこで止まり、どこまで進んでいるかを見ます。
成果 問い合わせ数、資料DL数、電話タップ、CV率 最終的に何件の成果につながったかを見ます。

この3段を混ぜずに並べるだけでも、レポートの読みにくさはかなり減ります。

前月比や前年比は「差があること」ではなく「何に触るべきか」が分かる形で書く方が使いやすくなります

増減率は便利ですが、数値だけだと改善へつながりにくくなります。レポート本文では、できるだけ次の形に近づける方が読み手に伝わりやすくなります。

  1. 事実を書く
    例:自然検索流入が前月比で増加。
  2. 見方を書く
    例:新規公開記事からの流入が主な要因。
  3. 次の手を添える
    例:流入増加ページからサービス導線を補強する。

この順で書くと、数字の意味が伝わりやすくなります。

改善提案は「大きな施策」だけでなく「すぐ触れるもの」も分けて書いた方が動きやすくなります

アクセス解析レポートの提案欄で起こりやすいのは、提案が大きすぎてそのままでは着手しにくいことです。読み手が動きやすいよう、提案を重さで分けておく方法が使いやすくなります。

軽い変更

すぐ着手しやすい提案

見出し順、CTA文言、リンク位置、関連記事導線など。次月に試しやすい内容です。

中くらい

少し設計が必要な提案

LP構成の変更、導線整理、フォーム項目の見直しなど。数字の裏付けがあると動かしやすくなります。

長め

中期で扱う提案

新規コンテンツ群の追加、計測設計の見直し、サイト構造の再整理など。月次レポートでは論点整理までに留める方が自然なこともあります。

注意点

提案は数を増やしすぎない

毎月大量の改善案を並べるより、優先度と理由が見える3件前後に絞る方が実務では使いやすくなります。

ページ単位で見るときは「入口ページ」と「成果ページ」を分けて見る方が分かりやすくなります

解析レポートでは、ページ別データを全部同じ重さで見るより、役割で分けた方が読みやすくなります。

入口ページで流入が伸びても、比較ページや成果ページにつながっていなければ、次の提案は導線改善になります。逆に比較ページまでは進んでいるなら、訴求内容やCTAの見直しが候補になります。

業種によって、レポートで強く見たい部分は少し変わります

まとめ

アクセス解析レポートは、指標を網羅することよりも、「今月の変化」「その見方」「次に触るべき箇所」が分かる形にすることが大切です。流入、行動、成果を分けて見せ、最後に改善提案を理由付きで短くまとめるだけでも、数字の報告書から判断材料へ近づきやすくなります。

まず見直しやすいのは、1ページ目に置いている指標の数と、提案欄の書き方です。指標を絞り、提案を優先度付きで整理すると、レポートはかなり読みやすくなります。

本記事は、Webシステム開発・スマホ自動変換「movo」・業務システム構築・フォームUX改善・EC支援を提供する 株式会社インテンスが、実際の開発プロジェクトで蓄積した知見をもとにまとめています。 株式会社インテンス(公式サイト)