問い合わせ集計レポートの作り方
問い合わせ管理システムを導入すると、「せっかくデータが溜まっているのだから、何かレポートを出したい」という話が出てきます。
ただ、闇雲にグラフを増やしても、日々の改善にはつながりにくいのが実情です。
この記事のゴール
・問い合わせレポートで見るべき基本軸を整理する
・BtoBの現場で使いやすいレポート例を知る
・ダッシュボードとの役割分担をイメージする
1. 問い合わせレポートで見るべき基本軸
まずは、どんな切り口で問い合わせを眺めるかを決めます。
- 時間軸: 日次・週次・月次・四半期
- チャネル: Webフォーム・電話・メール・展示会など
- カテゴリ: 製品別・サービス別・問い合わせ種別
- ステータス: 未対応・対応中・完了・キャンセル など
- 担当者・部署: 誰がどれだけ対応しているか
これらの軸は、問い合わせステータス設計のテンプレート集 や
問い合わせ分類(カテゴリ)を最適化する方法 で決めた設計と直結します。
2. まず押さえておきたいレポート例
2-1. 月次の問い合わせ件数推移(チャネル別)
- 目的:Webフォームや展示会など、チャネルごとのトレンドを把握
- 活用例:施策ごとの効果測定(サイト改修後・キャンペーン後など)
2-2. カテゴリ別問い合わせ件数
- 目的:どの製品・サービスへの関心が高いかを把握
- 活用例:FAQやガイド記事の優先順位付け、製品カタログの改善
2-3. ステータス別・担当者別の滞留状況
3. BtoB営業向けのレポート例
BtoB営業と絡む問い合わせでは、「案件化」や「受注」に近い指標が重要になります。
- 問い合わせから見積提示までのリードタイム分布
- 問い合わせカテゴリ別の成約率(概算でも可)
- 展示会・セミナー別の後追い件数・商談化率
こうしたレポートは、コンサル向けWebシステム活用アイデア のような、
提案型ビジネスで特に活きてきます。
4. ダッシュボードとレポートの役割分担
日々の運用で使うダッシュボードと、月次で見るレポートは、役割が違います。
- ダッシュボード: 今日やるべきこと・今滞留している案件を把握するツール
- レポート: 1か月〜数か月単位の傾向を振り返り、ルールや施策を見直すための資料
問い合わせ管理のための保存ビュー・フィルタ設計ガイド で設計したビューは前者、
本記事で扱うレポートは後者のイメージです。
5. 集計に耐えられるデータ設計のポイント
レポートを作る際に、「必要な情報がそもそも記録されていない」という問題が起こりがちです。
次のような項目は、最初から記録しておくことをおすすめします。
- 作成日時・更新日時
- ステータスが変更された日時と変更元・変更先
- 担当者・部署の履歴(誰の時にどのステータスだったか)
- チャネル・カテゴリ・キャンペーンなどの属性情報
インテンスでも、「将来レポートで使いそうな軸は、とりあえず項目だけ持っておく」方針で設計することが多く、
後からの分析ニーズに対応しやすくしています。
まとめ
問い合わせ集計レポートは、単にグラフを増やすことが目的ではなく、運用ルールや施策を見直すための材料として設計することが大切です。
時間・チャネル・カテゴリ・ステータス・担当者といった基本軸を押さえつつ、
自社のビジネスにとって「次のアクションが変わる指標は何か」を意識してレポートを組み立てていくことで、問い合わせ管理システムが単なる「受け皿」から「改善の起点」へと変わっていきます。
本記事は、Webシステム開発・スマホ自動変換「movo」・業務システム構築・フォームUX改善・EC支援を提供する
株式会社インテンスが、実際の開発プロジェクトで蓄積した知見をもとにまとめています。
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