問い合わせ管理ダッシュボード設計ガイド|ステータス・担当・優先度を一画面で把握する

問い合わせフォームや資料請求、見積依頼、イベント申込など、窓口が増えるほど「すべての問い合わせを一元管理したい」というニーズが高まります。本記事では、業界を問わず使える「問い合わせ管理ダッシュボード」の設計ポイントを、カラム設計・画面レイアウト・フィルタ・通知・権限といった観点から整理します。

この記事の対象読者
・問い合わせ対応をメールボックスやExcelで運用しており、限界を感じている担当者
・部署横断で問い合わせ状況を見える化したい企業
・将来的にCRMやSFAと連携できる“土台となるダッシュボード”を整えたい情報システム・Web担当

問い合わせ管理ダッシュボードの役割

ダッシュボードの役割は「すべての問い合わせを一元的に把握し、漏れなく・遅れなく・担当者を決めて処理すること」です。具体的には次の3つに分解できます。

この3つを満たすために、一覧画面のカラムやフィルタ機能を設計していきます。

必須カラムの設計

1. 一覧画面に置くべき基本カラム

まずは、どの業界でも共通で使える「最小限のカラム」を整理します。

これらを「1画面でスクロールせずに確認できる範囲」に収めるのが理想です。詳細なやり取りは、行をクリックして別画面(またはスライドインパネル)で表示します。

2. 業界別に追加されやすいカラム例

これらは「集計に使うかどうか」を基準に採用可否を決めます。

ステータスと優先度の設計

1. ステータスは“流れ”を意識して5〜7段階に

ステータスが細かすぎると運用が煩雑になり、逆に少なすぎると状況が把握しづらくなります。典型的には、次のような流れがベースになります。

「社内確認中」「開発検討中」など、特定業務でよく発生する状態は、別途ステータスとして増やす場合もあります。

2. 優先度と期限の組み合わせ

優先度(高・中・低)だけでは運用が曖昧になりがちです。実務では、次のような組み合わせ設計が有効です。

ダッシュボードでは「期限が近い順」「優先度が高い順」でソートできるようにしておくと、毎日の朝会や進捗確認に使いやすくなります。

フィルタ・検索・ソート機能

1. 現場でよく使われるフィルタ軸

問い合わせ管理では、次のようなフィルタが頻繁に使われます。

これらをワンクリックで切り替えられる「保存済みビュー」として用意しておくと、監督者・現場メンバーそれぞれにとって使いやすいダッシュボードになります。

2. 検索とソートの基本

「検索結果が遅い」「ソートすると画面が固まる」といった状況は、現場で嫌われやすいため、件数制限やページネーションも含めてパフォーマンス設計が重要です。

通知・権限設計のポイント

1. 通知は“誰に・どのタイミングで”送るか

メールやSlackなどへの通知は、次のようなタイミングに絞るとちょうどよく運用できます。

すべての更新を通知すると、すぐにノイズだらけになり、誰も見なくなってしまうため要注意です。

2. 権限レベルの考え方

このようにレベル分けしておくと、「誰でもなんでも変えられる」状態を避けつつ、現場の自由度も確保できます。

業種別の典型ユースケース

まとめ

問い合わせ管理ダッシュボードは、「カラムの数を増やす」ことではなく、「ステータス・担当者・優先度・期限を一画面で把握できること」が本質です。業界別の条件や集計ニーズを踏まえながら、共通の軸を設計しておくことで、今後のフォーム追加やシステム連携にも耐えられる“土台”になります。

本記事は、Webシステム開発・スマホ自動変換「movo」・業務システム構築・フォームUX改善・EC支援を提供する 株式会社インテンスが、実際の開発プロジェクトで蓄積した知見をもとにまとめています。 株式会社インテンス(公式サイト)