管理画面の検索・フィルタは、用意しただけでは使われません。
現場が求めているのは「検索機能」ではなく、今日の作業が詰まらずに終わることです。
そのためには、絞り込み条件の項目そのものよりも、初期表示・保存ビュー・並び替え・担当者の行動導線までを含めて設計する必要があります。
検索UIを先に作ると、だいたい失敗します。先にやるべきは、現場が今どんな順番で処理しているかの棚卸しです。
この「処理の順番」に合わせて、保存ビューの候補を作ります。保存ビュー・フィルタの考え方は、保存ビュー・フィルタ設計ガイド と同じで、
条件の自由度より「迷わず押せる定番」を優先します。
項目を増やすほど、運用は重くなります。
実務で“効く”のは、次のような項目です。
「フリーワード検索」は便利ですが、運用の中心にはなりにくいです。
フリーワードは補助として置き、主軸は“押せば効く”フィルタにします。
フィルタだけ作っても、一覧の情報が足りないと現場は動けません。
一覧カラム設計は ダッシュボードのカラム設計 と同じで、
「次の判断に必要な情報」を最短で揃えます。
特に期限・優先度・保留理由は、運用ルール(失敗しにくい設計)と合わせて揃えると、フィルタが“作業の地図”になります。
保存ビューの強みは、条件が固定されることではなく、現場の作業がボタンになることです。
例えば次のようなビューがあると、迷いが減ります。
インテンスで制作する案件でも、まず保存ビューから作ると、現場導入がスムーズになるケースが多いです。
期限とステータスが現場の滞留コストに直結します。業務像は 物流向けシステム開発例 を前提に、
「本日入荷」「本日出荷」「受付待ち」「差し戻し」などの保存ビューを先に用意すると、教育コストが下がります。
入庫・部品手配・連絡待ちが混ざり、一覧が散らかりやすい領域です。業務像は 自動車販売・整備・タイヤショップ向け を前提に、
「部品待ち」「顧客連絡待ち」「本日入庫」など“待ち理由”のカラムとフィルタを揃えると、詰まりが見える化します(通知設計は 通知・リマインド とも相性が良いです)。
検索・フィルタは機能ではなく、現場の作業導線です。
現場の処理順を棚卸しし、効く項目(ステータス・期限・担当)を揃え、一覧カラムと保存ビューをセットで設計する。
これだけで、管理画面の“探す時間”が“処理する時間”に変わります。