製品カタログ検索システムの設計ガイド｜カテゴリ・条件検索・比較・資料DLまで

製造業、商社、BtoBサービスでは「製品カタログ」をWeb上で整理し、探しやすくすることが必須です。本記事では、カテゴリ分類、条件検索、比較機能、資料ダウンロード、管理画面の設計など、業界共通で使える製品カタログ検索システムの構成を整理します。

製品カタログ検索システムの基本構造

製品検索は、次の4要素で構成されます。

• 階層カテゴリ（用途／シリーズ／性能帯）
• 条件検索（サイズ・出力・対応規格など）
• 比較機能（複数製品の仕様比較・差分表示）
• 資料DL（PDF・仕様書・図面・CAD）

「どう分類すればユーザーが迷わないか」が設計の最重要ポイントです。

カテゴリ設計の考え方

1. ユーザー視点の分類を優先する

内部の型番ベースではなく、次のような“使う人の思考順”で分類します。

• 用途（例：搬送／計測／分析）
• 製品シリーズ（例：スタンダード／ハイエンド）
• 性能帯（例：小型〜大型）

2. カテゴリは3階層以内に収める

階層が深くなるほど迷いやすいため、次の構成が最も安定します。

• 大カテゴリ（用途）
• 中カテゴリ（シリーズ）
• 小カテゴリ（性能帯）

条件検索（絞り込み）の設計

1. 条件項目の選定ポイント

• 検索に使われる比率の高い項目（サイズ、対応規格、出力）
• 製品比較に使われる項目（重さ、精度、最大速度など）
• NG条件を防ぎやすい項目（対応電圧、互換性）

2. UIパターンの例

• プルダウン（規格、型番）
• 数値スライダー（サイズ・重量・出力）
• チェックボックス（機能の有無）
• キーワード検索（型番・用途名）

製品比較機能の設計ポイント

1. 仕様比較表の構造

複数の製品を横に並べ、差分が一目でわかる構成が重要です。

• 共通項目 → 白背景
• 違いが出る項目 → 強調背景
• 未対応／非対応 → グレー表示

2. 比較候補の登録方法

• 製品ごとの「比較に追加」チェック
• 最大3製品程度に制限
• 比較画面へ遷移するボタンを固定表示

資料ダウンロード機能

1. 資料の種類

• PDFカタログ
• 仕様書／寸法図
• CADデータ（DXF／STEP）
• 安全データシート（SDS）

2. ダウンロード前の項目取得

営業フォローに使いたい場合、簡易入力フォームを挟むパターンもあります。

• 氏名／会社名／メールアドレス
• 用途（任意）
• 興味のあるシリーズ

管理画面の運用設計

1. 製品情報の編集

• スペック項目の編集（数値／選択式）
• カテゴリの紐付け
• 画像アップロード
• 関連資料の登録

2. カテゴリ・検索項目の管理

• カテゴリ名称の変更
• 検索条件の追加／削除
• 表示順の管理

業種別ユースケース

1. 製造業・工業系

• 型番数が多く、Excel管理から脱却したい
• 代理店向けにスペック検索を提供したい

2. 商社・卸売

• メーカー横断のスペック比較
• ブランド別カタログの一元管理

3. BtoB SaaS・ITサービス

• プラン比較・機能比較の用途で横展開可能

まとめ

製品カタログ検索システムは、製品数が多い企業ほど効果を発揮します。カテゴリ・条件検索・比較・資料DLという構造を押さえることで、営業生産性の向上とユーザーの自己解決を同時に実現できます。