絞り込み条件の作り方(項目整理・カテゴリー設計)

「とりあえずたくさん条件を用意しておけば親切だろう」と考えて絞り込み検索を作ると、 ユーザーも社内も持て余す結果になりがちです。重要なのは、条件を増やすことではなく、整理することです。

この記事のポイント
・候補となる条件項目の洗い出し方
・業務フロー・ユーザー視点でのグルーピング
・最終的に画面に出す条件の決め方

1. 候補項目を一気に洗い出す(発散フェーズ)

最初は、「画面に出す条件」をいきなり決めず、発散フェーズとして項目候補をすべて洗い出します。

この段階では、「多すぎるかも」という心配は一旦置いておき、現場で使われている言葉をそのままメモしていきます。 製品スペック検索の項目設計テンプレート のようなテンプレートも、チェックリスト代わりに活用できます。

2. 業務フローとユーザー視点でグルーピング(収束フェーズ)

洗い出した項目を、次のような視点でグルーピングしていきます。

ユーザー視点と社内視点を分けておくと、製品カタログ検索の絞り込み条件設計パターン で扱うような「画面に出す条件」と、 内部だけで使う条件(裏側のフィルタ)を切り分けやすくなります。

3. 画面に出す条件の優先順位付け

グルーピングが終わったら、実際に画面に出す条件を絞り込んでいきます。 目安として、最初のリリース時点では「5〜8項目」に抑えることをおすすめします。

選ばれなかった条件は、「詳細フィルタを開くと出てくる」位置付けにする、または社内用の絞り込みに回すなど、段階的に見せる方法もあります。

4. カテゴリー設計との連動

絞り込み条件の設計は、カテゴリー構造とも密接に関係します。 製品カタログのカテゴリ構造テンプレート集 を踏まえつつ、次のような整理を行います。

業種別ページで「ホテル向け」「医療向け」などの前提を絞り込み、ページ内検索では仕様条件だけを扱う構成もよく使われます。

5. 絞り込みUIとの相性を考える

条件項目が決まってきたら、絞り込み検索UIのパターンと実装の考え方チップ型フィルターUIの設計パターン で紹介しているUIと組み合わせて考えます。

条件の性質とUIが合っていないと、入力自体がストレスになってしまうため、「どう選ばせるか」まで含めて設計しておくことが大切です。

まとめ

絞り込み条件の作り方は、「候補を洗い出す → グルーピングする → 優先順位を付ける」という地道な作業の積み重ねです。 業務フローとユーザー視点を行き来しながら、「画面に出す条件」と「裏側で使う条件」を切り分け、カテゴリー構造やUIとも整合する形に落とし込んでいくことで、 現場で長く使える絞り込み検索に育てていくことができます。

本記事は、Webシステム開発・スマホ自動変換「movo」・業務システム構築・フォームUX改善・EC支援を提供する 株式会社インテンスが、実際の開発プロジェクトで蓄積した知見をもとにまとめています。 株式会社インテンス(公式サイト)