「とりあえずたくさん条件を用意しておけば親切だろう」と考えて絞り込み検索を作ると、 ユーザーも社内も持て余す結果になりがちです。重要なのは、条件を増やすことではなく、整理することです。
最初は、「画面に出す条件」をいきなり決めず、発散フェーズとして項目候補をすべて洗い出します。
この段階では、「多すぎるかも」という心配は一旦置いておき、現場で使われている言葉をそのままメモしていきます。 製品スペック検索の項目設計テンプレート のようなテンプレートも、チェックリスト代わりに活用できます。
洗い出した項目を、次のような視点でグルーピングしていきます。
ユーザー視点と社内視点を分けておくと、製品カタログ検索の絞り込み条件設計パターン で扱うような「画面に出す条件」と、 内部だけで使う条件(裏側のフィルタ)を切り分けやすくなります。
グルーピングが終わったら、実際に画面に出す条件を絞り込んでいきます。 目安として、最初のリリース時点では「5〜8項目」に抑えることをおすすめします。
選ばれなかった条件は、「詳細フィルタを開くと出てくる」位置付けにする、または社内用の絞り込みに回すなど、段階的に見せる方法もあります。
絞り込み条件の設計は、カテゴリー構造とも密接に関係します。 製品カタログのカテゴリ構造テンプレート集 を踏まえつつ、次のような整理を行います。
業種別ページで「ホテル向け」「医療向け」などの前提を絞り込み、ページ内検索では仕様条件だけを扱う構成もよく使われます。
条件項目が決まってきたら、絞り込み検索UIのパターンと実装の考え方 や チップ型フィルターUIの設計パターン で紹介しているUIと組み合わせて考えます。
条件の性質とUIが合っていないと、入力自体がストレスになってしまうため、「どう選ばせるか」まで含めて設計しておくことが大切です。
絞り込み条件の作り方は、「候補を洗い出す → グルーピングする → 優先順位を付ける」という地道な作業の積み重ねです。 業務フローとユーザー視点を行き来しながら、「画面に出す条件」と「裏側で使う条件」を切り分け、カテゴリー構造やUIとも整合する形に落とし込んでいくことで、 現場で長く使える絞り込み検索に育てていくことができます。