問い合わせ管理ダッシュボード設計ガイド|分類・ステータス管理・担当割当・履歴管理まで
問い合わせ管理ダッシュボードは、問い合わせ対応の属人化を防ぎ、対応漏れを減らし、業務効率を大きく改善するための基盤です。本記事では、分類・ステータス・担当割当・履歴管理・検索性・運用ルールといったダッシュボードの構成要素を体系的に整理します。
この記事の対象読者
・問い合わせ対応が個人メールに依存し、引き継ぎが難しくなっている組織
・ステータス管理や担当割当を整理し、対応漏れを減らしたい企業
・既存フォームと連動したダッシュボードを検討している部門
問い合わせ管理ダッシュボードの基本構造
一般的なダッシュボードは、次の5要素で構成されます。
- カテゴリ(製品/サービス/採用/サポートなど)
- ステータス(未対応/対応中/完了/保留)
- 担当者(自動/手動割当)
- 件名・内容・属性情報
- 対応履歴(メモ・時系列記録)
この構造をどの粒度で設計するかが“使いやすさ”に直結します。
カテゴリの設計ポイント
1. 業務フローに沿って分類する
- 製品・サービス別
- 問い合わせ種別(資料請求/見積依頼/サポート)
- 緊急度(通常/至急)
カテゴリは多すぎると混乱の元になるため、5〜8件程度に収めるのが理想です。
2. 自動分類の仕組みを用意する
フォーム側での「問い合わせ種別選択」によって自動分類すると、運用が安定します。
ステータス管理の設計
1. 最低限必要なステータス
多くの企業では次の4つで十分です。
2. ステータスの増やしすぎに注意
ステータスが10種類などに増えると、運用が破綻しやすくなります。“判断が分かれない分類”が重要です。
担当者割当の方法
1. 自動割当
- カテゴリごとに担当者を設定
- 時間帯(昼/夜)で担当を分ける
2. 手動割当
サポートチームが存在する場合、担当者が内容を見て割り振る方式も有効です。
履歴管理のポイント
1. すべてのやり取りを時系列で残す
2. 「対応した/しない」の記録を分ける
担当者のアクションは別フィールドでログを残すと可視化しやすくなります。
検索性・フィルタリングの設計
1. 基本となる検索条件
- 期間(今日/今月/任意範囲)
- カテゴリ
- ステータス
- 担当者
- キーワード
2. 複合検索のUI
条件を組み合わせて検索するときは、絞り込み結果が即時反映されるUIが理想です。
運用ルール(SLA・記録・引き継ぎ)
1. 対応期限(SLA)の設定
2. 記録ルールの明確化
- どのタイミングでステータスを変えるか
- メモをどう記録するか
- 引き継ぎ時の書式
用途別ユースケース
1. 製造業
- 見積依頼と技術質問を自動分類
- 技術担当と営業担当を切り分ける
2. 医療・クリニック
- 初診/再診/相談などの分類
- 急ぎ度の高いケースを優先表示
3. 学校・教育機関
- 資料請求・OC申込後の問い合わせ管理
- 高校別の履歴を残して進路指導との連携に活用
まとめ
問い合わせ管理ダッシュボードは、対応漏れをなくすだけでなく、部門間の連携を円滑にし、顧客満足度を高める重要な仕組みです。分類・ステータス・担当割当・履歴管理・検索性を整理することで、どの業界でも運用しやすい基盤を構築できます。
本記事は、Webシステム開発・スマホ自動変換「movo」・業務システム構築・フォームUX改善・EC支援を提供する
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