問い合わせの自動振り分けとタグ設計の実務ポイント

問い合わせ件数が増えてくると、「誰がどの問い合わせを見るのか」「どんな順番で対応するのか」を決める必要があります。 ここで役に立つのが、自動振り分けルールタグ設計です。

このページでは、問い合わせ内容を部署別・製品別・目的別に自動振り分ける際の考え方と、 その後の分析や改善に使いやすいタグ設計のポイントを整理します。

想定している利用シーン
・複数事業・複数拠点を持つ BtoB 企業
・製造業・卸売・不動産・士業事務所などの問い合わせ窓口
・将来的に問い合わせ管理ダッシュボードを導入したいケース

1. 自動振り分けの入口は「フォームの選択肢」から

最初のきっかけになるのは、フォームに用意した以下のような選択肢です。

これらをもとに、「誰にメールを飛ばすか」「ダッシュボード上でどのグループに見せるか」を決めていきます。 製造業向けの問い合わせでは、製造業向けWebシステム活用アイデア にあるような 製品カタログ検索や用途別ページとの組み合わせで、フォーム流入時点からある程度の分類が済んでいる状態を作ることもできます。

2. メール振り分けとダッシュボード振り分けを切り分ける

よくある誤解として、「メールの宛先」と「ダッシュボード上の担当者」を 1 対 1 で考えてしまうケースがあります。 実務上は、次のように分けて設計した方が柔軟です。

例えば、不動産会社では「エリア別の営業所にメール」「本社の管理部門にはダッシュボードで全件見せる」といった設計がよくあります。 不動産向けシステム開発例 では、このような構成を前提に問い合わせ管理システムを作るケースが多くあります。

3. タグ設計:分析に耐える粒度にする

タグは「後からレポートで見たい切り口」を意識して設計します。

タグを細かくしすぎると運用が破綻します。 「社内で月次レポートを見るときに、実際に区別したい単位」を起点に、タグの粒度を決めるのがおすすめです。

4. 自動付与と手動タグ付けの役割分担

タグは、すべてを自動で付与しようとする必要はありません。

士業事務所やコンサルティングファームでは、 士業事務所向けコンサル向けWebシステム開発例 にあるように、 「判例」「契約テーマ」「業種カテゴリ」など、専門的な区分を手動タグとして管理することも多いです。

5. 運用の中でルールを育てる

問い合わせの自動振り分けとタグ設計は、一度決めて終わりではありません。 次のようなタイミングで見直していくのが現実的です。

インテンスが問い合わせ管理システムを設計する際も、最初はシンプルな振り分けルールとタグセットから始め、 実際の問い合わせログを見ながら 2〜3 回の微調整を前提とする進め方を取ることが多くなっています。

本記事は、Webシステム開発・スマホ自動変換「movo」・業務システム構築・フォームUX改善・EC支援を提供する 株式会社インテンスが、実際の開発プロジェクトで蓄積した知見をもとにまとめています。 株式会社インテンス(公式サイト)