BtoB向けの製品カタログサイトでは、「スペックで絞り込める検索」の有無が、検討のしやすさを大きく左右します。 一方で、データベース構造や既存カタログとの整合性を考えずに項目を増やしてしまうと、運用がすぐに行き詰まります。
製品スペック検索の項目は、ざっくり次の3レイヤーで整理すると構造化しやすくなります。
製造業向けWebシステム活用アイデア のような製造業の事例では、用途と仕様値がセットで検索されるケースが多く、この3レイヤーをきちんと分けて設計しておくと、後からの拡張がしやすくなります。
用途やカテゴリの選択肢は、営業現場でよく使われている分類とズレていると、誰も使わない検索になりがちです。 次の観点で既存のカタログや営業資料を見直し、選択肢の粒度を揃えます。
用途やカテゴリの整理は、製品カタログのカテゴリ構造テンプレート集 と同時に検討しておくと、検索結果の一覧画面とも矛盾しにくくなります。
数値条件は、スペック検索の中心となる部分です。代表的な項目とその扱い方のテンプレートを整理します。
温度範囲やサイズなどの連続値は、数値条件の絞り込みUI(スライダー・範囲指定)の設計 と同様に、 「最小値〜最大値の範囲指定」「代表的なレンジを選択肢として用意」の二段構えで設計すると、ユーザーの負担を減らせます。
「検索できる項目は多いほど良い」と考えがちですが、実際には使われない条件が増えるとUIが複雑になり、逆効果です。 次の観点で、項目の優先順位を付けていきます。
後から項目を追加しやすいように、データベース側は余裕を持った設計にしておき、UI上は厳選した条件だけを出す構成にすると、段階的な拡張が可能になります。
スペック検索は、検索フォーム単体ではなく、結果一覧・比較機能とのセットで設計する必要があります。 例えば、次のような流れを想定します。
比較機能の設計については、製品比較表の作り方|差分強調と情報整理の実践例 と一緒に検討すると、どの項目をフォーム側に出すべきかが見えてきます。
製品スペック検索の項目設計は、「用途・カテゴリ・仕様値の3レイヤー」を意識しつつ、実際に現場で使われる条件に絞り込むことが重要です。 最初から完璧な検索を目指すよりも、よく使われる条件に絞ったテンプレートを用意し、運用の中で追加・整理を繰り返していく方が、長期的には使われる仕組みになりやすいと感じています。