チップ型フィルターUIの設計パターン

最近のWebサービスでよく見かける、丸みのある小さなボタンをクリックして条件をON/OFFするUI。 この記事では、この「チップ型フィルター」を、BtoB向けの検索・予約画面でどう活かすかを整理します。

この記事の狙い
・チップ型フィルターが向いている条件/向いていない条件
・スマホ前提でのレイアウトパターン
・既存の絞り込み条件設計との組み合わせ方

1. チップ型フィルターが向いている条件

チップ型フィルターが真価を発揮するのは、次のような条件です。

例えば、製品カタログ検索の絞り込み条件設計パターン で例示した「用途」「環境(屋内/屋外/高温)」などは、チップ型と相性が良い条件です。

2. よくあるレイアウトパターン

2-1. 一行スクロール型

2-2. セクションごとのタグ群型

2-3. 結果一覧の上に置くインラインフィルター型

スマホ入力最適化のUIパターン一覧 でも触れたように、スマホでは「タップしやすさ」と「一目で状態が分かること」が特に重要になります。

3. AND/OR条件の扱いをどう見せるか

チップ型フィルターで悩みやすいのが、複数選択時の論理(AND/OR)です。

こうしたロジックは、ツールチップやヘルプに書くだけでなく、 「選択中:高温向け/屋外設置/ステンレス」のように、現在の条件を画面上部にテキストで表示しておくと誤解が減ります。

4. チップ型にしない方がよい条件

すべての条件をチップ化すれば良いわけではありません。 次のような条件は、プルダウンや入力ボックスの方が適しているケースが多くなります。

こうした条件は、絞り込み検索UIのパターンと実装の考え方数値条件の絞り込みUI(スライダー・範囲指定)の設計 で扱うような別のUIで補完する方が現実的です。

5. 業種別の活用イメージ

業種ごとの活用例を少し挙げておきます。

いずれの場合も、「よく使う条件」だけをチップにし、それ以外は詳細検索に回す構成が現実的です。

まとめ

チップ型フィルターUIは、スマホ前提の検索画面でとても有効なパターンですが、向いている条件・向いていない条件があります。 選択肢が少なく、意味が直感的に伝わり、頻繁にON/OFFされる条件を中心にチップ化し、 その他の条件はプルダウンやテキスト入力など別のUIに任せることで、シンプルで使いやすい絞り込み体験を作ることができます。

本記事は、Webシステム開発・スマホ自動変換「movo」・業務システム構築・フォームUX改善・EC支援を提供する 株式会社インテンスが、実際の開発プロジェクトで蓄積した知見をもとにまとめています。 株式会社インテンス(公式サイト)