予約カレンダーと申込フォームを連携させる方法
予約システムでは、「カレンダー上で空き枠を選ぶ画面」と「申込情報を入力するフォーム」が分かれていることが多くあります。
この2つをどう連携させるかで、UXとシステム側の整合性が大きく変わります。
この記事の目的
・空き枠選択 → フォーム入力 → 予約確定の一連の流れを整理する
・時間枠IDやリソースIDの持ち回り方を理解する
・二重予約を防ぐための基本パターンを把握する
1. 情報の流れを整理する
まずは、ユーザーとシステムの間でどんな情報が行き来するかを整理します。
- ユーザーがカレンダーで選ぶ情報:日付・時間枠・利用したいメニューなど
- フォームで入力する情報:氏名・連絡先・人数・備考など
- システムが内部で扱う情報:時間枠ID・リソースID(部屋・担当者など)
予約カレンダーの空き状況表示パターン集 や
時間枠設計の実務ガイド(業種別サンプル) で決めたルールを、フォーム側にどう引き継ぐかが設計のポイントです。
2. 典型的な連携パターン
2-1. カレンダー → フォームの一方向連携
- カレンダーで空き枠をクリックすると、申込フォームに遷移
- フォーム側には「選択済みの日付・時間」を固定表示
- ユーザーは日付・時間を変更できない or 再選択用リンクを別途用意
2-2. フォーム内で日付・時間を選択できるパターン
- フォーム内に簡易カレンダーや時間選択プルダウンを埋め込む
- 選択可能な候補は、リアルタイムの空き状況から生成
前者は「カレンダー画面で視覚的に選ばせたい」場合、後者は「フォーム1画面で完結させたい」場合に向いています。
3. 時間枠ID・リソースIDの扱い方
二重予約を防ぐには、単に「日付+時間帯のテキスト」だけではなく、システム内部で一意なIDを持つことが重要です。
- 時間枠ID:日付・開始時刻・リソースを組み合わせたユニークな識別子
- リソースID:部屋・設備・担当者など、予約対象の識別子
フォームから送信されるデータには、この時間枠IDを含めておき、
予約登録時に「その時間枠IDがまだ空いているか」をチェックすることで、二重予約を防ぎます。
4. 二重予約を防ぐための基本パターン
二重予約防止のためには、最低限次のような仕組みを検討します。
- 予約登録時に、対象時間枠のステータスを「一時確保」に更新
- 一定時間内に入力完了しなかった場合は、自動的に「空き」に戻す
- 管理画面からも、枠の状態(空き・確保・予約確定)を確認できるようにする
このあたりは、問い合わせのステータス設計に近い考え方で、ステータス管理の運用ルールと失敗しにくい設計 の応用と捉えることもできます。
5. 業種別の連携イメージ
最後に、業種別のざっくりとした連携イメージを挙げておきます。
- 医療・クリニック: カレンダーで日時選択 → 事前問診フォームへ → 予約確定メール送信(歯科・皮膚科・美容クリニック向けWebシステム活用アイデア 参照)
- ホテル・宴会: 日付と利用時間帯をカレンダーで選択 → 人数・用途・レイアウト希望などをフォームで入力
- 学校・介護施設見学: 月表示カレンダーから希望日を選択 → 希望時間帯・参加人数をフォームで入力
まとめ
予約カレンダーと申込フォームの連携は、「ユーザーにとっての自然な流れ」と「システムにとって扱いやすい情報構造」の両方を満たす必要があります。
空き枠選択画面で決まった情報を、時間枠ID・リソースIDとしてフォームに引き継ぎ、
予約登録時に二重予約を防ぐチェックを行う──この一連の流れを設計しておくことで、業種を問わず安定した予約システムを構築しやすくなります。
本記事は、Webシステム開発・スマホ自動変換「movo」・業務システム構築・フォームUX改善・EC支援を提供する
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