クリニックの事前問診フォーム設計|主訴・既往歴・服薬をトリアージに繋げる

事前問診フォームは「受付が楽になる」だけで終わらせると、入力負担ばかり増えて定着しません。 本当に効くのは、主訴(何が一番困っているか)と禁忌情報(服薬・アレルギー等)を整理し、緊急度判断(トリアージ)や当日の導線に繋げることです。

この記事の対象読者
・歯科/皮膚科/美容など、クリニックの事前問診を整えたい担当者
・受付の聞き取りが属人化していて、情報が抜けることがある方
・予約と問診を繋げ、当日の混雑や待ち時間を減らしたい方

1. 入力の目的を「受付短縮」ではなく「判断材料の欠落防止」に置く

問診でまず固めるのは、情報の取りこぼしが事故に繋がる領域です。 つまり、禁忌・既往・服薬・アレルギーです。

2. 主訴は「自由記述」ではなく“選択+補足”が安定

自由記述だけにすると、読み取りが重くなり、結局電話確認が増えます。 主訴は選択式に寄せ、補足は短い自由記述1枠に絞ると運用が回ります。

スマホでの離脱を減らすUIの作り方は、 スマホで離脱しないUI/UXスマホ入力最適化のUIパターン の考え方が効きます(1画面に詰めすぎない、ボタンを大きくする等)。

3. トリアージに繋げるなら「赤信号」を明示する

トリアージという言葉を前面に出す必要はありませんが、緊急性が高いケースの判断はシステム側で支援できます。 例えば、次のような回答があった場合に「電話案内」へ分岐するなどです。

この分岐は、ユーザーに「入力したのに結局電話」と感じさせない文言設計が重要です。 エラーメッセージや注意文言の基本は エラーメッセージ設計の実務ガイド の考え方が参考になります。

4. 予約と問診を繋げる:入力順を間違えると離脱する

おすすめは、先に予約(日時・基本情報)→後で問診です。 いきなり問診を先に出すと、入力が長く感じて離脱します。

予約フォーム側の「希望日入力パターン」を詰めたい場合は、 見学・相談予約フォームの希望日入力パターン比較 の考え方が転用できます(候補日複数、時間帯は粗く、など)。

5. 業種の全体像と、実装の落とし所

事前問診は、予約・受付・カルテ(連携の有無)まで含めて設計すると現場が楽になります。 全体像は 歯科・皮膚科・美容クリニック向け のページも入口として使えます。

インテンスでも、最初は「禁忌・連絡先・主訴」だけを固め、慣れてから問診を増やす段階導入にすることが多いです。

まとめ

事前問診フォームは、受付短縮だけでなく「判断材料の欠落防止」と「緊急性の分岐」に繋げると価値が出ます。 主訴は選択式+補足、禁忌情報は取りこぼさない、予約の後段で問診を入れる。 この設計で、入力負担と運用効果のバランスが取りやすくなります。

本記事は、Webシステム開発・スマホ自動変換「movo」・業務システム構築・フォームUX改善・EC支援を提供する 株式会社インテンスが、実際の開発プロジェクトで蓄積した知見をもとにまとめています。 株式会社インテンス(公式サイト)