卸売・商社の見積依頼フォーム設計|ロット・納期・分納・直送条件を取り漏らさない

卸売・商社の見積は、単価の比較だけでは成立しません。 実務では、MOQ(最小ロット)・希望納期・分納可否・直送(ドロップシップ)・荷姿・支払条件で可否と金額が変わります。 フォーム設計が浅いと、見積を作り直す差し戻しが増え、返信が遅れて取り逃します。ここでは“成立条件を取り漏らさない”設計をまとめます。

この記事の対象読者
・卸売/商社(BtoB)で見積依頼対応を効率化したい担当者
・見積作成の差し戻しが多く、営業が疲弊している方
・納期・ロット・直送条件の聞き漏れを減らしたい方

1. 見積フォームは「単価」より先に“成立条件”を回収する

まず、成立条件を固定しないと、単価を出しても意味がありません。 最初のフォームで、少なくとも次の軸は取ります(選択式中心が現実的です)。

2. 品番・仕様:相手が持っている情報の粒度に合わせて入口を分ける

卸売では、相手が型番・品番を持っているケースと、用途だけで相談するケースが混在します。 入口を分けないと、入力が重くなります。

型番・品番の入力補助(サジェスト等)を入れる場合は 型番・品番検索のUX(サジェスト機能) の考え方で、入力負担と精度を両立しやすいです。

3. 荷姿・梱包・温度帯:物流条件が絡むなら先に“要否”だけ取る

荷姿(パレット/ケース)、梱包形態、温度帯(常温/冷蔵/冷凍)などは、後から出ると金額と可否が変わります。 ただし詳細を最初から取ると離脱するので、「要否」だけ先に取る設計が有効です。

4. 送信後の追加情報:不足条件は自動で“取りに行く”

見積依頼は、最初から完璧を求めると入力が重くなります。 成立条件だけ押さえたら、残りは不足項目として自動で追加回収した方が、返信が速くなります。

不足情報の追加回収は 追加情報取得オートメーション の考え方が土台になります(不足条件を自動抽出→追加入力フォームへ誘導)。

5. 社内の見積フロー:ステータスで「どこ待ちか」を明確にする

卸売・商社の見積は、仕入先確認や社内稟議(与信/掛け条件)で止まりがちです。 ステータスを最小セットで持つだけで、営業の“手戻り”が減ります。

ステータス設計は ステータス管理の運用ルール の「トリガーを明確にする」が効きます(例:仕入先回答待ち、与信確認待ち、見積提出済み)。

業種全体の整理(見積→受注→出荷→請求)を俯瞰するなら、 卸売・商社(BtoB企業)向け を入口にして、必要機能を切り出すと設計が早いです。

まとめ

卸売・商社の見積フォームは、単価より「成立条件(ロット・納期・分納・直送)」の回収が先です。 型番がある相手/用途相談の相手で入口を分け、物流条件は要否だけ先に取り、残りは送信後に追加回収する。 この設計で、差し戻しが減り、見積回答のスピードと精度が上がります。

本記事は、Webシステム開発・スマホ自動変換「movo」・業務システム構築・フォームUX改善・EC支援を提供する 株式会社インテンスが、実際の開発プロジェクトで蓄積した知見をもとにまとめています。 株式会社インテンス(公式サイト)