型番・品番検索のUXを高める入力補助・サジェスト機能
BtoBサイトでは、「型番が分かっている前提」の検索が非常に多くなります。
ところが、実際の現場では「うろ覚えの型番」「途中までしか分からない」といったケースも多く、素朴な検索ボックスだけでは辿り着けないことも少なくありません。
この記事で扱うこと
・型番検索にありがちなつまずきポイント
・入力補助・サジェスト機能の代表的なパターン
・既存の絞り込み検索との役割分担
1. 型番検索でよくあるつまずき
型番・品番検索でユーザーが迷いやすいポイントは、次のようなものです。
- ハイフン・スペース・記号の有無が分からない(例:ABC100 と ABC-100)
- 桁数が多く、一部しか覚えていない
- 旧型番と新型番が混在している
- 紙カタログの表記とWeb上の表記が微妙に異なる
こうした状況に対しては、絞り込み検索UIのパターンと実装の考え方 のような「条件絞り込み」とは別に、型番専用のUXを用意した方が効果的です。
2. 入力補助・サジェストの基本パターン
2-1. 前方一致サジェスト
- ユーザーが先頭から順に入力していくと、入力済みの文字列で始まる候補型番を一覧表示
- 候補は型番だけでなく、製品名や簡単な説明も一緒に出すと選びやすい
2-2. 部分一致サジェスト
- 中間の文字列でもヒットさせる(例:「100」で「ABC-100」「XYZ100-B」など)
- ヒット数が多くなりすぎる場合は、一定桁数以上入力してから候補を出す
2-3. 曖昧入力の許容
- 半角/全角のゆれ、ハイフン有無のゆれを吸収する
- 大文字・小文字の違いを無視する
これらの基本パターンは、製造業向けWebシステム活用アイデア のような、型番ベースでやり取りが多い業種で特に効果を発揮します。
3. 型番が分からないユーザーへのフォロー導線
型番検索は便利な一方で、「そもそも型番が分からないユーザー」を取りこぼしてしまう危険もあります。
そのため、検索ボックスの近くに次のような導線を用意しておくと安心です。
- 「型番が分からない方はこちら」→ 用途・カテゴリからの検索ページへ
- 「紙カタログのページ番号から探す」機能との連携
- 「製品写真一覧から探す」ページへのリンク
これらは、製品カタログ検索の絞り込み条件設計パターン で整理した他の検索導線との役割分担になります。
4. 旧型番・代替品との関係をどう見せるか
型番検索で重要なのが、旧型番と代替品の扱いです。
- 旧型番で検索された場合は、「生産終了」「推奨代替品」を明示
- 旧型番・新型番の両方で同じ製品詳細に辿り着けるようにする
- 比較が必要な場合は、代替品とのスペック差を一覧で表示する
代替品との比較表示については、製品比較表の作り方|差分強調と情報整理の実践例 の考え方と共通します。
一覧の時点で「この型番は終了、こちらが現行品」というメッセージを出せると、問い合わせ件数も減らしやすくなります。
5. 検索履歴・よく使う型番の活用
頻繁に利用される型番がある場合は、履歴や「よく検索されている型番」を活用することでUXを改善できます。
- 同じブラウザからの検索履歴を保持し、再入力を省略
- チーム共通でよく使う型番を「お気に入り」として登録
- 管理画面側で、検索頻度の高い型番・製品をレポート表示
こうしたデータは、問い合わせ集計レポートの作り方 と同様の考え方で蓄積・可視化していくと、製品整理やサイト改善にも活かせます。
まとめ
型番・品番検索のUXを高めるポイントは、「完璧に覚えているユーザー」だけでなく、うろ覚えのユーザーや旧型番しか知らないユーザーもスムーズに目的の製品へ導くことです。
前方一致・部分一致・曖昧入力の許容に加え、代替品の提示や履歴活用、用途別検索への逃げ道を組み合わせることで、現場で実際に役立つ型番検索へ近づけていくことができます。
本記事は、Webシステム開発・スマホ自動変換「movo」・業務システム構築・フォームUX改善・EC支援を提供する
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