製造業の不具合受付は、一般的な問い合わせ管理の延長で作ると、品質解析が止まります。 理由は、必要なのが「丁寧な説明」ではなく、トレーサビリティ(ロット/シリアル)と再現条件(使用環境・発生頻度)、そして証拠(写真/ログ)だからです。 ここでは、RMA(返品/解析依頼)や品質問い合わせの入口を、現場が回る形に整えるポイントをまとめます。
RMAの最初のフォームで全部集めようとすると重くなります。 ただし、最低限の“解析の入口”が無いと、一次切り分けすらできません。 まずは次の4軸を固定します。
型番・品番の入力負担を下げるなら、 型番・品番検索のUX(サジェスト) の考え方で、入力補助を先に整えると“品番ミス”が減ります。
現場の問い合わせ文は「困っている」が先に来て、現象が曖昧になりがちです。 フォームで次の2つを分けるだけで、一次切り分けが速くなります。
初回は軽く、解析が進んだ段階で「追加写真」「測定値」「使用動画」などを求める方が、全体の負担が下がります。 一律に重いフォームにしないのがポイントです。
不足情報を追加で回収する仕組みは、 追加情報取得オートメーション の発想で「不足項目を自動で列挙→追加入力」へ繋ぐと、往復が減ります。
品質の現場では、一般的な「対応中/完了」では粗すぎます。 ただし、増やしすぎると更新されません。まずは“誰がボールを持っているか”が分かる最小セットにします。
運用ルールとトリガーを先に決める考え方は、 ステータス管理の運用ルール の枠組みがそのまま使えます。
製造業の周辺(製品カタログ、技術資料、問い合わせ管理)まで含めた全体像は、 製造業向けシステム開発例 を入口に整理すると、要件の漏れが減ります。インテンスでも、品質受付と技術資料の導線をセットで見直すケースが多いです。
RMA/不具合受付は、ロット・発生条件・使用環境・証拠が揃わないと解析が止まります。 初回フォームは“解析の入口”に必要な最小セットに絞り、進捗に応じて追加回収する。 ステータスは品質フローに寄せつつ最小セットで回すと、放置と往復が減ります。