製造業の不具合受付(RMA)フォーム設計|ロット・使用条件・添付を揃えて解析を詰まらせない

製造業の不具合受付は、一般的な問い合わせ管理の延長で作ると、品質解析が止まります。 理由は、必要なのが「丁寧な説明」ではなく、トレーサビリティ(ロット/シリアル)再現条件(使用環境・発生頻度)、そして証拠(写真/ログ)だからです。 ここでは、RMA(返品/解析依頼)や品質問い合わせの入口を、現場が回る形に整えるポイントをまとめます。

この記事の対象読者
・品質問い合わせが増え、解析・是正処置が詰まり始めている製造業の担当者
・RMAの情報不足で、顧客への追加質問が多い方
・品質/技術/営業の連携を、システム側で安定させたい方

1. 入力項目は「原因解析に必要な最小セット」から逆算する

RMAの最初のフォームで全部集めようとすると重くなります。 ただし、最低限の“解析の入口”が無いと、一次切り分けすらできません。 まずは次の4軸を固定します。

型番・品番の入力負担を下げるなら、 型番・品番検索のUX(サジェスト) の考え方で、入力補助を先に整えると“品番ミス”が減ります。

2. 「現象」と「影響」を分けて書かせる(品質の現場で混ざりやすい)

現場の問い合わせ文は「困っている」が先に来て、現象が曖昧になりがちです。 フォームで次の2つを分けるだけで、一次切り分けが速くなります。

3. 送信後の追加回収:解析の進捗に応じて“必要なものだけ”取りに行く

初回は軽く、解析が進んだ段階で「追加写真」「測定値」「使用動画」などを求める方が、全体の負担が下がります。 一律に重いフォームにしないのがポイントです。

不足情報を追加で回収する仕組みは、 追加情報取得オートメーション の発想で「不足項目を自動で列挙→追加入力」へ繋ぐと、往復が減ります。

4. ステータス運用:品質フローの言葉で最小セットを作る

品質の現場では、一般的な「対応中/完了」では粗すぎます。 ただし、増やしすぎると更新されません。まずは“誰がボールを持っているか”が分かる最小セットにします。

運用ルールとトリガーを先に決める考え方は、 ステータス管理の運用ルール の枠組みがそのまま使えます。

製造業の周辺(製品カタログ、技術資料、問い合わせ管理)まで含めた全体像は、 製造業向けシステム開発例 を入口に整理すると、要件の漏れが減ります。インテンスでも、品質受付と技術資料の導線をセットで見直すケースが多いです。

まとめ

RMA/不具合受付は、ロット・発生条件・使用環境・証拠が揃わないと解析が止まります。 初回フォームは“解析の入口”に必要な最小セットに絞り、進捗に応じて追加回収する。 ステータスは品質フローに寄せつつ最小セットで回すと、放置と往復が減ります。

本記事は、Webシステム開発・スマホ自動変換「movo」・業務システム構築・フォームUX改善・EC支援を提供する 株式会社インテンスが、実際の開発プロジェクトで蓄積した知見をもとにまとめています。 株式会社インテンス(公式サイト)