配車変更が多い現場で「履歴」を残すための項目設計

配車は、現場が動いている限り必ず揺れます。問題は「変更すること」ではなく、変更が上書きされて、後から説明できなくなることです。
配車担当・倉庫・荷主・ドライバーの間で情報がすれ違うと、荷待ちや再配が増え、最後は請求で揉めます。

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・荷待ちを改善に繋げる:荷待ち時間を「区切り」で記録
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1. 「履歴」を残すとき、最初に決めるのは“誰の視点”か

配車の履歴は、全員に同じものを見せる必要はありません。まずは視点を分けると設計が楽です。

権限の切り方は、問い合わせ管理の権限・ログの考え方に近いです(権限・ログ設計)。

2. 配車データを「現在値」と「履歴」に分ける

上書きが起きるのは、1つのレコードに全部を詰め込むからです。最低限、2層に分けます。

現場が見るのは基本「現在値」。管理側は「履歴」まで掘れる。これで入力負担を増やさずに追跡できます。

3. 現在値の最低限項目(現場が止まらない範囲)

「予定時刻」は1つに絞らない
現場で効くのは、到着・受付・バースの3つがずれることです。最初は「到着予定+バース開始予定」の2本立てが無難です(詳しくは バース予約と受付)。

4. 履歴(変更ログ)で必ず持つ項目

履歴で重要なのは“差分”です。履歴の1行で、何が変わったかが分からないと意味がありません。

5. 変更理由は“型”を作る(あとから改善できる形)

理由を自由記述だけにすると、改善に繋がりません。まずは選択式で“分類”を作ります。

この理由は、荷待ちの区切り記録や、付帯料金の例外とも相性が良いです。

まとめ

配車変更が多い現場ほど、「現在値」と「履歴」を分け、差分と理由の型を残すだけで揉め事が減ります。
株式会社インテンスで作るなら、現場入力を増やしすぎず、履歴を“後追いできる”形にして、荷待ち改善(区切り)や請求連携(例外)まで繋げるのが王道です。

本記事は、Webシステム開発・スマホ自動変換「movo」・業務システム構築・フォームUX改善・EC支援を提供する 株式会社インテンスが、実際の開発プロジェクトで蓄積した知見をもとにまとめています。 株式会社インテンス(公式サイト)