協力会社ポータル設計:提出物を“先に揃える”導線

協力会社への提出依頼が増えるほど、現場は「追いかけ」と「差戻し」に時間を取られます。
提出物が揃っていないのに当日を迎えると、受付や入場が詰まり、工程まで巻き込みます。

ここでは、協力会社ポータルを前提に、提出物を“先に揃える”ための導線と設計ポイントを整理します。
安全書類・入場者管理の全体像は 安全書類・入場者管理をWeb化するときの項目設計 を土台にするとズレにくいです。

このページと相性がいい話
・提出物の土台(安全書類):安全書類・入場者管理の項目設計
・版ズレ・期限切れ対策:版管理と期限アラート
・権限・ログの基本:権限設計の分割 / 監査ログ設計
・共同相手とのポータル運用:やり取りを止めないポータル設計
・サプライヤ提出物の揃え方:提出物を版ズレさせない設計

1. ポータルの目的は「提出してもらう」ではなく「揃う状態にする」

ポータルを作っても、アップロード画面を置いただけでは揃いません。
揃わない原因は、たいてい次のどれかです。

「揃う状態」を作るには、提出単位の設計(セット化)と、差戻し・期限・版管理をまとめて扱う必要があります。

2. 提出は“セット”で定義し、進捗が一目で分かるようにする

安全書類や入場関連は、単体の書類が揃っても意味が薄いことがあります。
現場が使う単位で、セットを定義してしまう方が運用に乗ります。

差戻しを減らすコツ
セット内に「期限切れ」「版ズレ」が混ざっていたら、セットとして未完扱いにする。
版と期限の扱いは 版管理と期限アラート の考え方がそのまま使えます。

3. “提出の流れ”は、入力より先に「確認」を置く

提出画面にいきなり行かせると、足りないままアップロードされます。
先に「今必要な提出物は何か」を見せて、足りないものを埋めさせる導線にすると揃う確率が上がります。

外部相手とのやり取りが止まらない形にする観点は、共同相手とのポータル設計の考え方が近いです。

4. 権限は「会社」「現場」「書類種別」で切る(見せすぎない)

協力会社ポータルは、見せすぎるほどトラブルになりやすいです。
現実的には、次の3軸で切ると破綻しにくいです。

ロール分割の考え方は 権限設計の分割 が土台になります。
また、誰がいつ何を出したかの証跡は 監査ログ設計 と相性が良いです。

5. 差戻しは“短い往復”にする(理由は選択式+補足)

差戻しが長引く原因は、理由が曖昧で、次の行動が決まらないことです。
差戻し理由は選択式にして、必要な補足だけ書ける形が運用に乗ります。

この仕組みがあると、現場側の追いかけが減り、協力会社側も「何を直すか」が明確になります。

まとめ

協力会社ポータルは、アップロード場所を作るより先に「揃う状態」を設計するのが肝です。
提出はセット化し、未完が一目で分かる一覧から不足を埋める導線にし、版・期限・差戻しを短い往復で回す。
インテンスで組む場合も、権限とログを最初に押さえることで、外部相手の運用が安定しやすくなります。

本記事は、Webシステム開発・スマホ自動変換「movo」・業務システム構築・フォームUX改善・EC支援を提供する 株式会社インテンスが、実際の開発プロジェクトで蓄積した知見をもとにまとめています。 株式会社インテンス(公式サイト)