PPAPを「提出してください」で回すと、だいたい同じところで詰まります。
・PSWは来たが、Control Planが古い
・測定結果はあるが、どの図番Revの寸法か分からない
・差し戻しの指摘がメールに散って、結局やり直し
提出物そのものより、“揃っている状態”を維持する方が難しい。ここを仕組みで支えるのがポータルの役目です。
PPAPの管理が崩れるのは、ファイル単体を追ってしまうからです。
ポータル側では、PPAPを1件の「提出パッケージ」として持ちます(例:PPAP-2026-014)。
ここまで固定すると、次に「パッケージに何が入るべきか」をチェックリストで持てます。
現場で揉めやすいのは「今回は何が要るんだっけ?」です。
そこで、提出レベルや部品カテゴリごとに、必須/条件付き/不要を明確にします。
「最新版じゃない提出物が混ざった」が起きる最大原因は、対象Revが曖昧なまま進むことです。
ポータルの作りとしてはシンプルで、提出パッケージ作成時に 図番Revを必須にし、承認後はロックします。
この発想は、試験計画の紐づけ(DVP&R)と同じで、後から困らない形に寄せます:要求→試験→判定の紐づけ。
差し戻しが増えるほど、メールだと「どの版への指摘か」が消えます。
ポータルでは、コメントをファイルではなく「提出パッケージ」に紐づけ、さらに該当項目(PSW/CP/測定結果など)にぶら下げます。
入力が面倒だと、添付だけ投げられて終わります。
そこで、入力は“選択中心”にして、手入力を減らします。
インテンスで作る場合も、最初から大規模にせず、提出パッケージ+チェックリスト+版固定の3点だけ先に入れて、運用が回ってから拡張することが多いです。
PPAPは「何を出すか」より「揃った状態を維持できるか」が勝負です。提出物をパッケージで持ち、図番Revを固定し、差し戻しコメントの置き場を統一する。これだけで往復が減り、承認までの時間が短くなります。
製造業の全体像としては 製造業向けシステム開発例 の中でも、品質・認証・サプライヤ管理の領域に近いテーマです。