共同研究や委託評価は、社内プロジェクトよりも“前提が揃いにくい”のが厄介です。
契約(NDA/SOW)や公開範囲の制約があり、相手の組織も違い、連絡手段もバラバラ。
メールだけで回すと、成果物が迷子になり、版ズレが起き、合意事項の抜けが増えます。
ここでは、共同研究のやり取りを止めないためのポータル設計を、最低限の骨格から整理します。
共同研究で必要な情報は多いようで、実は4つの箱に分けると整理しやすいです。
委託評価をスムーズにするには、依頼の時点で仕様が揃っていることが重要です。
見積依頼フォームの設計と同様に、「後から聞き直す回数」を減らすのがコツです。
共同研究で一番起きる事故は「最新版がどれか分からない」です。
Dropbox/Google Driveでも起きます。原因は、ファイル名に頼ること。
そこで、成果物には次の3点を必ず持たせます。
「対象Rev」を持つ設計は、DVP&Rの紐づけとも同じ発想です。
メールでコメントが飛ぶと、結局「どの版に対する指摘か」が分からなくなります。
そこで、コメントは成果物に紐づけます(成果物ID+版に対してコメント)。
※ この“差し戻し管理”は、問い合わせ管理のステータス設計と似ています。運用ルールの考え方は ステータス運用が参考になります。
共同研究ポータルは、外部ユーザーを入れた瞬間に要求レベルが上がります。
最低限、次は必要です。
権限・ログ設計の観点は、一般の業務システムでも同じなので、権限・ログのセキュリティ観点の延長で組み立てると迷いが減ります。
共同研究や委託評価の運用は、企業によって事情が違います。
ただ、構造を整えたポータルがあると、「今どこで詰まっているか」が説明しやすくなります。
インテンスでも、現場の運用を崩さずに“止まらない形”にするには、まずは最小の箱(契約・タスク・成果物・やり取り)から始める設計をよく採ります。
製造業の文脈での活用イメージは 製造業向けシステム開発例 とも相性が良いです。
共同研究・委託評価は「成果物の迷子」と「版ズレ」で止まります。契約・タスク・成果物・やり取りの4箱に分け、成果物ID+版+対象Revで管理し、コメントは成果物に紐づける。これだけでも回り方が大きく変わります。
外部ユーザーを入れるなら、権限・公開範囲・監査ログまでをセットで設計するのが安全です。