到達度・進級の記録設計|スクール型スタジオで「成長の話」をしやすくする
スクール型の運営では、会員が続く理由の多くが「できるようになった実感」です。
ところが、到達度の記録が紙のままだと、引継ぎが難しく、面談や継続提案も “記憶頼み” になりがちです。
1. まず「評価の単位」を決める(毎回やらない仕組み)
評価を毎回やろうとすると、現場が回りません。
おすすめは次のどちらかで固定することです。
- 月次評価:月に1回だけチェック(面談・継続の話がしやすい)
- ステップ評価:課題が揃ったタイミングでチェック(進級に直結)
評価の頻度は “少なくて良い”
大事なのは細かさより「前回と比べて何が増えたか」を話せることです。
2. チェック項目は「数」を絞り、言い方を揃える
チェック項目が多いと、採点がぶれます。
まずは各クラス(レベル)ごとに、5〜10個程度に絞る方が続きます。
- 例:姿勢(軸)/呼吸/基本動作/安全(痛みの自己申告)/課題の継続
- 評価:未実施/練習中/できた(3段階)くらいが現実的
項目の整理はタグ設計に近いので、タグ設計の考え方 を流用すると崩れにくいです。
3. “進級条件” は文章で書くより、チェックの組み合わせで決める
「だいたいできてきたら進級」は、引継ぎ時に荒れます。
進級条件を、チェックの組み合わせで決めると説明が揃います。
- 必須項目(安全・基本姿勢など)が “できた”
- その他項目の達成率(例:7割)
- 直近〇回の安定(例:2回連続でOK)
面談の材料が増える
「次はここが揃うと進級です」と言えるだけで、継続の話が具体になります。
4. 会員に見せるのは “全部” ではなく「次にやること」
評価表をそのまま見せると、情報量が多くなりがちです。
会員側には次の2つだけ見える形にすると前向きに動きやすいです。
- 伸びた点:前回比で増えたチェック
- 次の課題:未達のうち、優先度が高い2〜3個
見せ方をKPIカード寄りにする考え方は KPI設計 が参考になります。
5. スタッフ側は「クラス別」「担当別」で詰まりを見つける
スクール運営で効くのは、個別の深掘りより “詰まりの傾向” を先に見つけることです。
- 特定項目だけ進んでいない(教え方・練習メニューの見直し)
- 担当ごとに進級の基準がズレている(項目の言い方を揃える)
- 月次評価が未実施の会員が溜まっている(運用のテコ入れ)
指標の定義が曖昧だと集計がブレるので、レポート定義 の考え方で “何をもって達成か” を決めておくと後で楽です。
まとめ
到達度・進級は、紙で頑張るほど引継ぎが重くなります。
評価の単位(毎回ではなく月次/ステップ)を決め、チェック項目は少数に絞って言い方を揃える。進級条件はチェックの組み合わせで決め、会員には「次にやること」だけ見せる。
この形にすると、継続・進級の話がしやすくなり、運営のムラも減ります。
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