KPIは、並べただけでは現場を動かしません。
“見た瞬間に次の行動が決まる指標”だけが、ダッシュボードとして機能します。
この記事では、問い合わせ・予約・受注などの管理画面でKPIを形骸化させないための設計を、指標選定と画面配置の両面から整理します。
よくある失敗は「綺麗な数字」だけ並べることです。
ダッシュボードで強いのは、次のような“行動が決まる指標”です。
数字をクリックして一覧へ降りる導線(ドリルダウン)がないKPIは、だいたい見られなくなります。
一覧側の設計は 検索・フィルタ設計 とセットで揃えます。
KPIは、粒度が混ざると読めなくなります。おすすめは3段階です。
案件粒度の情報は、カラム設計(カラム設計)と直結します。
「KPIに出ているのに、一覧で追えない」状態は現場が不信になります。
全指標をリアルタイムにすると、重くなる・意味のない揺れが増える、という問題が起きます。
現実的には、次の切り分けが安全です。
集計指標の作り方は 問い合わせ集計レポート の考え方を流用できます。
KPIで異常を見つけても、原因が追えないと改善になりません。
原因追跡の鍵になるのが「分類(カテゴリ)」と「タグ」です。
ダッシュボードの上部は、異常(アラート)を置くと機能します。
下部は「今処理すべき一覧」を置きます。
レイアウトの型は 画面レイアウトパターン も参考になります。
遅れがコストになる領域です。業務像は 物流向けシステム開発例 を前提に、
「本日入荷/出荷」「バース待ち」「差し戻し」など、現場の滞留が見えるKPIが効きます(関連:バース予約)。
入庫が詰まると全体が詰みます。業務像は 自動車販売・整備・タイヤショップ向け を前提に、
「本日入庫」「部品待ち」「顧客連絡待ち」「ピット不足」を上部に置くと、現場が動きやすくなります(関連:ピット割当)。
インテンスでも、KPIは“綺麗な管理資料”ではなく、「見たら処理が進む」指標だけ残す方針で絞り込みます。
KPIは、行動に直結する指標だけが意味を持ちます。
粒度(チーム→担当→案件)と更新頻度を揃え、一覧への導線と分類/タグで原因追跡できる形にする。
この設計にすると、ダッシュボードが“見るだけ”から“動ける画面”になります。