サンキューページは、問い合わせや予約などのフォームを送信した後に表示される完了画面です。「送信が完了しました」と伝えるだけの画面もありますが、利用者にとっては、その後の予定を確認するための重要なページでもあります。
送信後に知りたいのは、正常に受け付けられたかどうかだけではありません。いつまでに返信があるのか、どの連絡手段が使われるのか、自動返信メールが届かない場合はどうすればよいのかなど、次の予定も気になります。
予約やイベント申込では、フォームを送信した時点で予約が確定するのか、担当者による確認後に確定するのかも明確にしなければなりません。ここを曖昧にすると、利用者は予約できたと思って来店しても、実際には仮受付のままだったという行き違いが起こります。
この記事では、問い合わせ、資料請求、予約、イベント申込など、フォームの種類ごとにサンキューページの文言例を紹介します。自動返信メール、受付番号、完了後のリンク、二重送信防止、コンバージョン計測など、実装時に確認したい点も解説します。
サンキューページを「処理が完了したことを知らせる画面」とだけ考えると、表示内容は短くなります。しかし、利用者はその画面を見た時点で、次の対応を待つ立場に変わります。
少なくとも、次の点を確認できるようにします。
サンキューページで必要な情報を案内すれば、利用者が同じ内容を再送信したり、受付直後に電話で確認したりするケースも減らせます。
UI例 受付結果と今後の予定をまとめて表示する
ご入力いただいた内容を確認し、2営業日以内を目安に担当者からメールでご連絡します。
受付完了、連絡方法、回答時期、連絡がない場合の確認先を同じ画面で案内します。
フォームの種類によって細かな内容は異なりますが、基本となる情報は次の5つです。
正常に処理が完了した場合は、「お問い合わせを受け付けました」「お申し込みを受け付けました」など、何を受け付けたのかを明記します。
一方、担当者による確認を経てから予約が成立する場合は、「予約が完了しました」と表示してはいけません。この段階では、次のような文言が適しています。
システム上の状態と画面の文言を一致させることが重要です。
「後ほどご連絡します」だけでは、当日中なのか数日後なのか分かりません。通常の対応時間に合わせて、「2営業日以内」「翌営業日まで」などの目安を記載します。
土日祝日や営業時間外の受付がある場合は、次のような補足も必要です。
実際の運用で守れない時間を記載すると、問い合わせや苦情につながります。通常時に対応できる範囲で案内します。
自動返信メールを送る場合は、その事実をサンキューページにも表示します。
入力したメールアドレスが誤っている場合、自動返信メールは届きません。変更用の画面がない場合は、電話番号や別の問い合わせ方法を案内します。
問い合わせ管理システムや予約管理システムで受付番号を発行している場合は、サンキューページと自動返信メールの両方に表示します。
利用者が後から連絡する際に受付番号を伝えれば、担当者が対象の案件を探しやすくなります。
ただし、受付番号だけで個人情報や申込内容を閲覧できる仕様にはしません。受付番号は検索や照会に使う識別情報であり、本人確認の代わりにはなりません。
サンキューページには、関連ページへのリンクを1〜2件置く方法があります。
リンクを多く並べる必要はありません。送信したフォームと関係が深く、利用者が次に確認する可能性が高いページを選びます。
基本要素 サンキューページで案内する内容
短い文章でも、現在の受付状態と次の予定が分かれば、利用者は判断しやすくなります。
サンキューページでよく見られるのが、「送信が完了しました。ありがとうございました。」だけで終わる構成です。
この表示でも送信できたことは分かりますが、その後に連絡があるのか、いつまで待てばよいのかは分かりません。
比較 情報が不足している例と改善例
処理完了は分かりますが、利用者が次に何を待てばよいのか分かりません。
受付結果と返信までの予定が分かるため、利用者は安心して画面を閉じられます。
文章を長くするのではなく、利用者が送信後に確認したい情報を追加します。
不動産、葬祭、医療など、問い合わせ時の不安が大きい分野では、受付状態と連絡時期をより明確にする必要があります。 葬祭向けシステム開発例や 医療向けシステム開発例のように、相談や予約の緊急度が異なる業種では、通常受付と緊急連絡先を分ける方法も考えられます。
問い合わせフォームでは、受付完了、回答方法、回答時期を案内します。
例文 一般的な問い合わせフォーム
お問い合わせを受け付けました。
ご入力いただいた内容を確認し、2営業日以内を目安に担当者からメールでご連絡します。
受付確認メールをご入力いただいたメールアドレスへ送信しました。
数分たっても届かない場合は、迷惑メールフォルダと受信設定をご確認ください。
電話番号は例です。実際の受付窓口と営業時間に置き換えて使用します。
技術調査や社内確認が必要な問い合わせでは、通常より時間がかかる可能性を案内します。
例文は次のようになります。
お問い合わせを受け付けました。内容を確認後、担当者からご連絡します。技術的な確認が必要な場合は、回答までに3〜5営業日ほどかかることがあります。あらかじめご了承ください。
回答できる期日が決まっていない場合でも、「確認後に受付予定日をご連絡します」など、次の連絡がいつ行われるかを示します。
24時間フォームを受け付けていても、担当者が確認するのは営業時間内という場合があります。
次のような案内を添えます。
営業時間外および休業日に受け付けたお問い合わせは、翌営業日以降に順次確認します。
急ぎの連絡を受け付ける窓口がある場合は、その対象と連絡先を分けて記載します。
資料請求では、資料をどの方法で受け取れるのかを明記します。PDFをすぐにダウンロードできる場合と、後からメールや郵送で送る場合では案内が異なります。
資料請求を受け付けました。下のボタンから資料をダウンロードできます。同じ資料のダウンロードURLを受付確認メールにも記載しています。
画面上のダウンロードボタンを分かりやすく表示し、メールにも同じURLを記載すれば、後から資料を確認できます。
資料請求を受け付けました。ご入力いただいたメールアドレスへ資料のダウンロードURLを送信しました。メールが届かない場合は、迷惑メールフォルダと受信設定をご確認ください。
メール送信に時間がかかる場合は、「通常5分以内」など、届くまでの目安を案内します。
資料請求を受け付けました。ご入力いただいた住所へ、3営業日以内に資料を発送します。発送後の到着には地域により数日かかる場合があります。
郵送では、発送予定だけでなく、住所に誤りがあった場合の連絡方法も案内できると親切です。
予約フォームのサンキューページで最も注意したいのが、フォーム送信時点の状態です。
予約枠がリアルタイムで確保されるシステムであれば、「予約が確定しました」と案内できます。一方、担当者が空き状況を確認してから確定する場合は、あくまで予約申込の受付です。
比較 予約状態に合わせて文言を変える
| 処理状態 | 適した見出し | 追加する案内 |
|---|---|---|
| 予約枠を確保済み | ご予約が確定しました | 予約日時、場所、変更・キャンセル方法 |
| 担当者の確認待ち | 予約のお申し込みを受け付けました | 現在は仮受付であること、確定連絡の時期 |
| 確認待ちなのに確定と表示 | ご予約が完了しました | 利用者が予約済みと誤解する可能性がある |
画面上の文言は、予約管理システムに登録されている状態と一致させます。
ご予約が確定しました。以下の日時で承りました。当日は予約時刻の10分前を目安にお越しください。
予約のお申し込みを受け付けました。現在は仮受付の状態です。空き状況を確認し、翌営業日までに予約確定または日程調整のご連絡をメールでお送りします。
確定メールが届くまでは来店しないよう案内する必要がある場合は、その点も明記します。
予約申込後に決済を行う場合は、決済が完了しているかどうかも状態に関係します。
支払期限がある場合は、期限、支払方法、期限を過ぎた場合の扱いを案内します。
イベント、説明会、施設見学などの申込では、開催日時や会場をサンキューページでも確認できるようにします。
例文 イベント・見学申込
当日のご案内を、開催前日までにメールでお送りします。受付確認メールとあわせてご確認ください。
開催日時、会場、受付開始時刻、変更方法をその場で確認できる構成です。
学校説明会やホテルのイベントなど、開催情報を管理画面で登録している場合は、申込データとイベント情報を連携し、サンキューページへ自動表示する方法があります。
学校向けシステム開発例や ホテル向けシステム開発例のように、開催回数が多い場合は、文言をページへ直接記載するのではなく、登録された開催情報から表示する方が更新漏れを防ぎやすくなります。
サンキューページは、利用者がそのまま閉じても問題のない画面である必要があります。そのうえで、確認したい人向けに関連リンクを用意します。
問い合わせ直後に別の商品購入を強く促すなど、フォームの目的と関係が薄い案内を大きく表示すると、受付結果が見つけにくくなります。
最初に受付結果と今後の流れを表示し、その下に関連リンクを置く順番が分かりやすいでしょう。
サンキューページと自動返信メールで異なる内容を案内すると、利用者はどちらを基準にすればよいか迷います。
次の情報は共通にします。
イベント日時や予約日時を変更した際は、サンキューページだけでなく、自動返信メールの文面や管理画面のテンプレートも確認します。
サンキューページが表示されたからといって、自動返信メールまで必ず送信できているとは限りません。メールアドレスの誤り、受信拒否、メールサーバーの問題などで届かない場合があります。
運用側では、送信結果やエラーメールを確認できるようにします。利用者向けには、届かない場合の確認方法と連絡先を表示します。
フォーム送信後、ブラウザを再読み込みした際に同じデータがもう一度送信されると、問い合わせや予約が重複して登録されます。
一般的には、フォームのPOST処理が完了した後に、サンキューページのURLへリダイレクトする方法が使われます。
ただし、リダイレクトだけであらゆる重複を防げるわけではありません。送信ボタンの連続クリック、通信の再送、外部決済サービスからの重複通知なども考えられます。
受付IDや処理IDを使い、同じ処理を複数回登録しない制御が必要になる場合があります。
送信ボタンを押した後は、処理中であることを表示し、短時間に何度も押せないようにします。
ただし、画面上でボタンを無効にする処理だけでは不十分です。JavaScriptが動かない場合や通信が再実行された場合に備えて、サーバー側でも重複を確認します。
サンキューページからブラウザの戻る操作を行うと、入力済みのフォームが表示される場合があります。
正式送信後は、セッションやブラウザに保存していた入力内容を削除します。戻った画面で再度送信した場合にも、同じ受付が重複登録されないようにします。
サンキューページのURLに氏名、メールアドレス、電話番号、予約内容などを直接付ける方法は避けます。
URLは、ブラウザの履歴、アクセス解析、サーバーログ、外部サービスなどに記録されることがあるためです。
受付内容をサンキューページへ表示する場合は、サーバー側のセッションや、推測しにくい受付識別情報を使います。識別情報だけで他人の申込内容を閲覧できないよう、本人確認や有効期限も検討します。
問い合わせや資料請求の件数を計測するため、サンキューページの表示をコンバージョンとして記録することがあります。
ただし、同じ利用者が完了ページを再読み込みしたり、後から履歴から開いたりすると、実際の送信件数より多く計測される可能性があります。
計測方法としては、次のような選択肢があります。
広告やアクセス解析上のコンバージョン数と、問い合わせ管理システムの受付件数が必ず一致するとは限りません。どの時点を成果として計測するのかを決めます。
完了URLを知っていれば誰でも表示できる状態では、フォームを送信していない人のアクセスも計測されることがあります。
送信完了時にだけ表示できるようにする、計測イベントを受付処理と連動させるなど、計測目的に応じた方法を選びます。
サンキューページは短い画面ですが、フォーム処理、メール、予約状態、計測など、複数の機能と関係します。
公開前には次の点を確認します。
サンキューページでは、フォームを受け付けたことだけでなく、その後に何が行われるのかを案内します。
基本となるのは、受付結果、受付内容、連絡方法、回答時期、自動返信メール、連絡がない場合の確認先です。受付番号がある場合は、画面とメールの両方へ表示します。
予約やイベント申込では、フォーム送信時点の状態を正確に記載します。担当者の確認が必要な場合は「予約申込を受け付けました」とし、予約確定の連絡時期を案内します。予約枠が確保されている場合は、日時、場所、変更・キャンセル方法まで確認できるようにします。
実装面では、POST後のリダイレクト、重複登録の防止、完了URLへの個人情報掲載を避けること、コンバージョンの重複計測にも注意が必要です。
現在のサンキューページが「送信が完了しました」だけになっている場合は、まず次の内容を追加してください。
送信後に必要な情報を過不足なく表示することで、利用者は次の予定を理解し、安心して画面を閉じられます。