製造業の技術問い合わせフォーム|型式・ロット・図番・仕様の取りこぼし防止

製造業の「技術問い合わせ」は、一般的な問い合わせフォームと性質が違います。 必要情報が揃わないまま技術部門に回ると、切り分けができず、メールの往復と調査待ちが増えます。

本記事では、技術問い合わせフォームでありがちな「取りこぼし」を防ぐために、 型式・図番・ロット・使用条件などをどう構造化して聞くかを整理します。

この記事が想定しているケース
・問い合わせが営業経由で技術に回り、情報不足で止まる
・写真や図面がバラバラに届き、履歴管理ができていない
・不具合/仕様確認/互換性など、問い合わせ種類が混在している

1. 問い合わせ種別を最初に分岐させる(不具合・仕様・選定)

技術問い合わせは目的が違うと必要情報も違います。まずは種別で分けます。

分岐の作り方は、問い合わせ種別プルダウンの設計パターン の考え方がそのまま使えます。

2. 製品特定情報:型式・図番・ロット・製造番号

技術側が最初に欲しいのは「それが何か」です。ここが曖昧だと調査が始まりません。

入力補助を入れるなら、型番・品番の UX は 型番・品番検索のUXを高める入力補助 の発想が応用できます。

3. 使用条件:環境・負荷・接続構成を「選択+自由記述」で

現象切り分けでは使用条件が鍵になります。とはいえ自由記述だけだと表現がばらつきます。

条件の整理は、製品カタログ検索の設計(製品スペック検索の項目設計)と同様に、 「頻出条件を前面に出し、詳細は補足欄へ」という構造が扱いやすいです。

4. 不具合の場合は「再現条件」と「発生頻度」を必ず取る

不具合の切り分けで必要なのは、現象の再現性です。ここが欠けると調査が長期化します。

入力が長くなりやすいので、ステップ分割(見積フォームのUX設計)と同じ発想で 「まず概要→必要に応じて詳細」を設計すると離脱を抑えられます。

5. 添付資料:写真・図面・ログの扱いを設計する

技術問い合わせでは添付が重要です。運用を崩さないために、ファイルの扱いは最初にルール化します。

「どの資料を Web に置き、何を個別送付にするか」は PDF資料とWebページの役割分担 の考え方が使えます。

まとめ

製造業の技術問い合わせフォームは、型式・図番・ロットなどの製品特定情報と、使用条件・再現条件をどれだけ構造化して拾えるかで、技術部門の負荷が決まります。 問い合わせ種別で分岐させ、頻出条件は選択式にしつつ、添付資料の扱いまで含めて設計すると、往復回数を大きく減らせます。

本記事は、Webシステム開発・スマホ自動変換「movo」・業務システム構築・フォームUX改善・EC支援を提供する 株式会社インテンスが、実際の開発プロジェクトで蓄積した知見をもとにまとめています。 株式会社インテンス(公式サイト)