製造業の「技術問い合わせ」は、一般的な問い合わせフォームと性質が違います。 必要情報が揃わないまま技術部門に回ると、切り分けができず、メールの往復と調査待ちが増えます。
本記事では、技術問い合わせフォームでありがちな「取りこぼし」を防ぐために、 型式・図番・ロット・使用条件などをどう構造化して聞くかを整理します。
技術問い合わせは目的が違うと必要情報も違います。まずは種別で分けます。
分岐の作り方は、問い合わせ種別プルダウンの設計パターン の考え方がそのまま使えます。
技術側が最初に欲しいのは「それが何か」です。ここが曖昧だと調査が始まりません。
入力補助を入れるなら、型番・品番の UX は 型番・品番検索のUXを高める入力補助 の発想が応用できます。
現象切り分けでは使用条件が鍵になります。とはいえ自由記述だけだと表現がばらつきます。
条件の整理は、製品カタログ検索の設計(製品スペック検索の項目設計)と同様に、 「頻出条件を前面に出し、詳細は補足欄へ」という構造が扱いやすいです。
不具合の切り分けで必要なのは、現象の再現性です。ここが欠けると調査が長期化します。
入力が長くなりやすいので、ステップ分割(見積フォームのUX設計)と同じ発想で 「まず概要→必要に応じて詳細」を設計すると離脱を抑えられます。
技術問い合わせでは添付が重要です。運用を崩さないために、ファイルの扱いは最初にルール化します。
「どの資料を Web に置き、何を個別送付にするか」は PDF資料とWebページの役割分担 の考え方が使えます。
製造業の技術問い合わせフォームは、型式・図番・ロットなどの製品特定情報と、使用条件・再現条件をどれだけ構造化して拾えるかで、技術部門の負荷が決まります。 問い合わせ種別で分岐させ、頻出条件は選択式にしつつ、添付資料の扱いまで含めて設計すると、往復回数を大きく減らせます。